老後の生き方については、さまざまな思いがあるようですが、ごらんの図のように「将来に対する不安や心配は何か?」というアンケート調査では、寝たきりや病気になった場合の扶養、介護が63%で第1位を占めています。私たちの老後はいいイメージばかりではないようです。
そこで、高齢社会へ向けての考え方の一つにクオリティ・オブ・ライフがあります。それは、生命の質、生活の質、人生の質を高めることによって、一人ひとりが老後を活き活きと暮らしていけるようにしようというものてす。
ここでは、特に老後の暮らしの大きな障害となっている“寝たきり”“ぼけ”“孤独”をどう克服し、いかにクオリティ・オブ・ライフを高めていくか、さらに一般の中高年、すなわち健康な人についても考えてみましょう。
ここでは、
・QOLの本質
・高齢社会に目を向ければ……
・障害のあるお年寄りのQOL
・健康なお年寄りのQOL
・中年期からQOLを高める
について説明しましょう。
まず、クオリティ・オブ・ライフを高めるとは、どんなことをいうのでしょう。その本質を見極めてみましょう。
クオリティ・オブ・ライフと言えば、誰もが“幸せな人生”を夢見がちですが、それだけではありません。病者であれ、健康人であれ、その人にとって生きがいを感じる最大限可能な人生があるはずです。それを見つけだすことが、クオリティ・オブ・ライフの考え方なのです。
クオリティ・オブ・ライフは、決して、他人から与えられるものではありません。自分の置かれた環境の中で、今よりも充実した生きがいのある人生をつくり出すことで、それはその人なりの生き方・考え方で決まります。
“隣りの庭が美しく見える”人は往々にして「あの人は金持ちだから」あるいは「有名人だから」とか、「仕事が安定している」とか「家庭に恵まれている」などと他人の良さばかり取り上げて、自分の環境を卑下しがちですが、これではますます精神的に落ち込むばかりで、決していい結果は得られません。
クオリティ・オブ・ライフの本質は、いま自分が身体的・精神的・経済的にどんな状態にあっても、その質を高め、満足感や生きがいを見出せる人生にしていくことです。
さて、高齢社会に目を向ければ、各人がクオリティ・オブ・ライフを高めていくうえで、いま気がかりな問題があります。
現在、65歳以上の老齢人口は総人口の16.7%(H11年)を超えている状況で、それが2050年には「3人に1人」がお年寄りという超高齢社会を迎えます。それとともに、心身の病いを持ったお年寄りも年々増え続けることになります。
こうしたハンディキャップを背負ったお年寄りは現在在宅介護に頼る人が多いのですが、その背景には、たとえば、排泄の世話には、特に他人では恥ずかしい思いをしていることが多く、できれば身内に身のまわりの世話をしてもらいたいという望みを持つといわれています。
現在では、お年寄りの身の回りの世話をしている人は、配偶者や娘、嫁などが中心で、その90%が女性で占められています。そして、そのほとんどが「体が疲れる」「自分の時間がない」「外出できない」「睡眠不足」などの日常生活の悩みを訴えています。そのため精神的に不安定になり、家族全体の不和に進むこともよくみられます。これでは、本人はもちろん、介護者や家族のクオリティ・オブ・ライフにまで影響を与えてしまいます。
そこで、まず第一の課題は、すでに寝たきりや痴呆などで苦しんでいる人たちのクオリティ・オブ・ライフをいかにつくり出してあげるかです。
QOLを高めるにあたって“寝たきり”が障害になります。そこで、厚生省はいま、“寝たきりゼロヘの10カ条”を掲げ、寝たきり状態の改善を呼びかけています。
寝たきりの老人に対しては快適な刺激を与えたり、なるベく自立する気を起こさせるように働きかけがなされるようになりました。決して楽ではないリハビリに取り組んで、「立てるようになった」「歩けるようになった」「おむつがはずせた」などのような成果があると、本人の表情も明るくなったりして、そのことがその人のクオリティ・オブ・ライフをたかめるのです。
また、痴呆のある患者に対しても、扱いにくいと放置したり、疎外するのではなく、一人の人間として捉え、あたたかい愛情と寛容の気持ちてやさしく接することで、心を穏やかにさせることができます。これがその人のクオリティ・オブ・ライフにつながるのです。
では次に、クオリティ・オブ・ライフを高めるための10カ条を紹介しましょう。
1.あたたかい愛情と忍耐と寛容の精神で、ケアする
2.日常生活に必要な基本的動作を失わせないようにする
3.訴えに十分耳を傾け、中高年者の言動を理解し受け入れていく
4.適度な刺激を与え、孤独にさせないようにする
5.中高年者のペースに合わせる
6.患者のもつ仲間意識の中の一員となる
7.規則正しい生活をする
8.急激な環境の変化や過度のストレスをできるだけ避けさせる、また、病気にさせない
9.行動異常への適切なケア、治療を心がける
10.患者の心理や行動のくせを理解し、それに合った対応や看護方法を工夫する
さらに、うつ病や孤独に悩む人にも、つとめて声をかけてあげたり、相談相手になってあげたりして、家族や社会としっかりつながっていることを理解させます。
また、お年寄りに特技があれば、それを活かす道をみつけたり、あるいは家事のなかで役割を与えられれば、自分の役割や存在が自覚でき、その人の生きがいがめばえます。
こんな働きかけの一つひとつが、心豊かなクオリティ・オブ・ライフを築くうえで、たいへん重要なのです。
次に、第二の課題は、健康に暮らす人たち、少なくとも一病息災に暮らしている高齢者の人たちのクオリティ・オブ・ライフです。
心豊かな高齢期を送るためには、まず、自分のこと、身のまわりのこと位は全て自分で行うことができることてす。そして自立意識が持てるようにすることてす。わかりやすくいえぱ、趣味を楽しみ、できればボランティアなど、生きがいの持てる生活が営めることです。
そして、家族と一緒に住めるとか、交流があるとか、また友人、知人が多くいてお茶を飲むとか、おしゃべりをするとか、たまには食事を一緒にするとかして、多くの人々とのコミュニケーションがとれて、精神的にも豊かさあふれる生活が送れることではないてしょうか。
そして、第三の課題で最も重要になってくるのが、やがて老人社会の仲間入りをする中年世代のすごし方です。将来を見通し、老後のクオリティ・オブ・ライフを高めるための準備期間という認識のもとに、40歳から始めるクオリティ・オブ.ライフに役立つ生活の仕方について説明しましょう。
40歳は、いわば人生80年の折り返し点。健康面、経済面、精神面で欠けているところがあれば、この機会に暮らしの全体を見直しておくことが大切です。
豊かな生活をはばむものの一つに病気があります。なかでも脳卒中は寝たきりの原因となったり、痴呆の引き金となったりします。日頃の生活を見直し、脳卒中などの予防に心掛けましょう。
「一病息災」も健康のうちという考え方も大切です。たとえ、高血圧、糖尿病、狭心症などの成人病があっても、その病気と上手に付き合って、有意義な生活を送るようにしようということです。
この「一病息災」も健康のうちとは、仮に一つ成人病があっても、脂肪や糖分を減らした食生活、塩分を控えた食生活、適度な運動をして、肥満の予防、ストレスをため込まないなど、日頃の生活を注意することによって、病気と付き合いながら、かえってむしろ健康な生活が送れるという考え方です。
40歳からは働き盛りのピークです。食事は、栄養のバランスを考えて、規則正しくとること。特に女性の方は老年期に起こる骨粗鬆症のため、突然骨折して寝たきりになりがちです。その予防のためには、カルシウムを十分とり、適度に身体を動かすことです。
運動については、中年からのスポ一ツは生理機能を高め、老化を防ぎます。それも特別なスポーツでなくてよく、歩く、ラジオ体操、その他、階段の昇り降りなどでよいのです。大切なことは、体を動かす習慣を身につげることてす。
働くことについては、定年が終着駅という考え方は改めるべきです。人生は会社を辞めても続くのですから、定年後のキャリアを磨いておくことが大切です。
遊びや趣味は自分に合ったもの、ときには夫婦て一緒にできるものなどがよいてしょう。「人に勧められたから」とか「友人がゴルフをやっているから自分も」というのでは、本当の喜び、生きがいは得られません。
交友関係では、会社の延長だけでは昔を語る友ばかりて世界が狭くなります。地域の人々との交流の輪を広げ、語り合い、支え合える仲間を作る努力をしていきましょう。
友人や知人とのコミュニケーションも電話より文通の方がよいでしよう。文章に表現することは創造力を高め、自分の感性が相手に伝わる喜びを知ることができ、心の健康に役立ちます。
また、学ぶことについては、単にヒマつぶしでは三日坊主で終わるので、具体的な成果に結びつくものを選びましょう。これによって学ぶ楽しさやときめきが自然と増し、生涯学習としても効果的です。
そして最後に大切なことは、将来子供の世帯と同居するのか、別居するのかを夫婦で話し合って自己選択し、それが決まったら、子供との付き合い方も設定して新しい親子関係をつくりあげましょう。
老いを歓迎し、老いを楽しむ人生シナリオをつくり出してこそ、長い人生を生きるためのクオリティ・オブ・ライフが高められるのです。
http://www.net-dream.jp
そこで、高齢社会へ向けての考え方の一つにクオリティ・オブ・ライフがあります。それは、生命の質、生活の質、人生の質を高めることによって、一人ひとりが老後を活き活きと暮らしていけるようにしようというものてす。
ここでは、特に老後の暮らしの大きな障害となっている“寝たきり”“ぼけ”“孤独”をどう克服し、いかにクオリティ・オブ・ライフを高めていくか、さらに一般の中高年、すなわち健康な人についても考えてみましょう。
ここでは、
・QOLの本質
・高齢社会に目を向ければ……
・障害のあるお年寄りのQOL
・健康なお年寄りのQOL
・中年期からQOLを高める
について説明しましょう。
まず、クオリティ・オブ・ライフを高めるとは、どんなことをいうのでしょう。その本質を見極めてみましょう。
クオリティ・オブ・ライフと言えば、誰もが“幸せな人生”を夢見がちですが、それだけではありません。病者であれ、健康人であれ、その人にとって生きがいを感じる最大限可能な人生があるはずです。それを見つけだすことが、クオリティ・オブ・ライフの考え方なのです。
クオリティ・オブ・ライフは、決して、他人から与えられるものではありません。自分の置かれた環境の中で、今よりも充実した生きがいのある人生をつくり出すことで、それはその人なりの生き方・考え方で決まります。
“隣りの庭が美しく見える”人は往々にして「あの人は金持ちだから」あるいは「有名人だから」とか、「仕事が安定している」とか「家庭に恵まれている」などと他人の良さばかり取り上げて、自分の環境を卑下しがちですが、これではますます精神的に落ち込むばかりで、決していい結果は得られません。
クオリティ・オブ・ライフの本質は、いま自分が身体的・精神的・経済的にどんな状態にあっても、その質を高め、満足感や生きがいを見出せる人生にしていくことです。
さて、高齢社会に目を向ければ、各人がクオリティ・オブ・ライフを高めていくうえで、いま気がかりな問題があります。
現在、65歳以上の老齢人口は総人口の16.7%(H11年)を超えている状況で、それが2050年には「3人に1人」がお年寄りという超高齢社会を迎えます。それとともに、心身の病いを持ったお年寄りも年々増え続けることになります。
こうしたハンディキャップを背負ったお年寄りは現在在宅介護に頼る人が多いのですが、その背景には、たとえば、排泄の世話には、特に他人では恥ずかしい思いをしていることが多く、できれば身内に身のまわりの世話をしてもらいたいという望みを持つといわれています。
現在では、お年寄りの身の回りの世話をしている人は、配偶者や娘、嫁などが中心で、その90%が女性で占められています。そして、そのほとんどが「体が疲れる」「自分の時間がない」「外出できない」「睡眠不足」などの日常生活の悩みを訴えています。そのため精神的に不安定になり、家族全体の不和に進むこともよくみられます。これでは、本人はもちろん、介護者や家族のクオリティ・オブ・ライフにまで影響を与えてしまいます。
そこで、まず第一の課題は、すでに寝たきりや痴呆などで苦しんでいる人たちのクオリティ・オブ・ライフをいかにつくり出してあげるかです。
QOLを高めるにあたって“寝たきり”が障害になります。そこで、厚生省はいま、“寝たきりゼロヘの10カ条”を掲げ、寝たきり状態の改善を呼びかけています。
寝たきりの老人に対しては快適な刺激を与えたり、なるベく自立する気を起こさせるように働きかけがなされるようになりました。決して楽ではないリハビリに取り組んで、「立てるようになった」「歩けるようになった」「おむつがはずせた」などのような成果があると、本人の表情も明るくなったりして、そのことがその人のクオリティ・オブ・ライフをたかめるのです。
また、痴呆のある患者に対しても、扱いにくいと放置したり、疎外するのではなく、一人の人間として捉え、あたたかい愛情と寛容の気持ちてやさしく接することで、心を穏やかにさせることができます。これがその人のクオリティ・オブ・ライフにつながるのです。
では次に、クオリティ・オブ・ライフを高めるための10カ条を紹介しましょう。
1.あたたかい愛情と忍耐と寛容の精神で、ケアする
2.日常生活に必要な基本的動作を失わせないようにする
3.訴えに十分耳を傾け、中高年者の言動を理解し受け入れていく
4.適度な刺激を与え、孤独にさせないようにする
5.中高年者のペースに合わせる
6.患者のもつ仲間意識の中の一員となる
7.規則正しい生活をする
8.急激な環境の変化や過度のストレスをできるだけ避けさせる、また、病気にさせない
9.行動異常への適切なケア、治療を心がける
10.患者の心理や行動のくせを理解し、それに合った対応や看護方法を工夫する
さらに、うつ病や孤独に悩む人にも、つとめて声をかけてあげたり、相談相手になってあげたりして、家族や社会としっかりつながっていることを理解させます。
また、お年寄りに特技があれば、それを活かす道をみつけたり、あるいは家事のなかで役割を与えられれば、自分の役割や存在が自覚でき、その人の生きがいがめばえます。
こんな働きかけの一つひとつが、心豊かなクオリティ・オブ・ライフを築くうえで、たいへん重要なのです。
次に、第二の課題は、健康に暮らす人たち、少なくとも一病息災に暮らしている高齢者の人たちのクオリティ・オブ・ライフです。
心豊かな高齢期を送るためには、まず、自分のこと、身のまわりのこと位は全て自分で行うことができることてす。そして自立意識が持てるようにすることてす。わかりやすくいえぱ、趣味を楽しみ、できればボランティアなど、生きがいの持てる生活が営めることです。
そして、家族と一緒に住めるとか、交流があるとか、また友人、知人が多くいてお茶を飲むとか、おしゃべりをするとか、たまには食事を一緒にするとかして、多くの人々とのコミュニケーションがとれて、精神的にも豊かさあふれる生活が送れることではないてしょうか。
そして、第三の課題で最も重要になってくるのが、やがて老人社会の仲間入りをする中年世代のすごし方です。将来を見通し、老後のクオリティ・オブ・ライフを高めるための準備期間という認識のもとに、40歳から始めるクオリティ・オブ.ライフに役立つ生活の仕方について説明しましょう。
40歳は、いわば人生80年の折り返し点。健康面、経済面、精神面で欠けているところがあれば、この機会に暮らしの全体を見直しておくことが大切です。
豊かな生活をはばむものの一つに病気があります。なかでも脳卒中は寝たきりの原因となったり、痴呆の引き金となったりします。日頃の生活を見直し、脳卒中などの予防に心掛けましょう。
「一病息災」も健康のうちという考え方も大切です。たとえ、高血圧、糖尿病、狭心症などの成人病があっても、その病気と上手に付き合って、有意義な生活を送るようにしようということです。
この「一病息災」も健康のうちとは、仮に一つ成人病があっても、脂肪や糖分を減らした食生活、塩分を控えた食生活、適度な運動をして、肥満の予防、ストレスをため込まないなど、日頃の生活を注意することによって、病気と付き合いながら、かえってむしろ健康な生活が送れるという考え方です。
40歳からは働き盛りのピークです。食事は、栄養のバランスを考えて、規則正しくとること。特に女性の方は老年期に起こる骨粗鬆症のため、突然骨折して寝たきりになりがちです。その予防のためには、カルシウムを十分とり、適度に身体を動かすことです。
運動については、中年からのスポ一ツは生理機能を高め、老化を防ぎます。それも特別なスポーツでなくてよく、歩く、ラジオ体操、その他、階段の昇り降りなどでよいのです。大切なことは、体を動かす習慣を身につげることてす。
働くことについては、定年が終着駅という考え方は改めるべきです。人生は会社を辞めても続くのですから、定年後のキャリアを磨いておくことが大切です。
遊びや趣味は自分に合ったもの、ときには夫婦て一緒にできるものなどがよいてしょう。「人に勧められたから」とか「友人がゴルフをやっているから自分も」というのでは、本当の喜び、生きがいは得られません。
交友関係では、会社の延長だけでは昔を語る友ばかりて世界が狭くなります。地域の人々との交流の輪を広げ、語り合い、支え合える仲間を作る努力をしていきましょう。
友人や知人とのコミュニケーションも電話より文通の方がよいでしよう。文章に表現することは創造力を高め、自分の感性が相手に伝わる喜びを知ることができ、心の健康に役立ちます。
また、学ぶことについては、単にヒマつぶしでは三日坊主で終わるので、具体的な成果に結びつくものを選びましょう。これによって学ぶ楽しさやときめきが自然と増し、生涯学習としても効果的です。
そして最後に大切なことは、将来子供の世帯と同居するのか、別居するのかを夫婦で話し合って自己選択し、それが決まったら、子供との付き合い方も設定して新しい親子関係をつくりあげましょう。
老いを歓迎し、老いを楽しむ人生シナリオをつくり出してこそ、長い人生を生きるためのクオリティ・オブ・ライフが高められるのです。
http://www.net-dream.jp
ウォーキングとジョギングのすすめ
直立のまま歩いたり走ったりできるのは、人間だけである。この直立歩行のために2本の下肢は抗重力的に強く長くなり、筋肉が発達してからだ全体の筋肉量の約70%が腰から下方へ集中したわけである。特におしり、太もも、ふくらはぎなどの歩行や走行に必要な筋肉が著しく発達した。
縄文時代人は、足の骨の横断面が「ひし型で太い」ことから、山野を駆けめぐっていたことが推定されている。ところが現代人の骨は「三角で細く」退化しており、文明の発達が歩行や走行を奪ってきたことが明らかにされている。
歩行や走行が健康によいことは、すでに紀元前4〜5世紀のギリシャで医学の祖とされるヒポクラテスによって指摘されている。すなわち歩行や走行によって、重力により下肢部の静脈血管に貯留した血液を心臓へ上向移動させるいわゆる「静脈還流」が活発化し、心臓機能を円滑にして動脈硬化の予防に貢献し、心血管系の若さを保持することができるというわけだ。「人は血管とともに老い、足から衰える」といわれることから、老化予防のためには、まず足腰を強化するための基本的運動として、歩行や走行を日常生活の中に習慣化することが何よりも大切なことである。さらにこれらの運動は、筋肉の緊張筋線維を刺激して大脳の働きを活発化させる効用がある。よいアイデアは、座っているときよりも歩いているときや走行中にひらめくことは、よく経験されることだ。
ウォーキング
長年運動不足で体力レベルの低い人や肥満型の人は、ウォーキングから始めるのが適している。ウォーキングでは、足首、ひざ、および腰への衝撃度は体重の約1.2倍で、走行時の3〜4倍に比べ3分の1ですむ。
まず自分の身長の約2分の1を目安に歩幅をできる限り広く、しっかりひざを伸ばし、かかとから踏み出し、左右の足の間隔をあまり開かず、つま先を前に向けて進む。背筋は真っ直ぐ伸ばしてリラックスし、目は数メートル前方を見ながら手を前後に振ってリズミカルに歩く。運動としての歩行は、分速90〜120mの速歩および急歩が望ましい。この時の心拍数は90〜100拍/分となり、毎分4〜8kcalのカロリー消費に相当し、60〜40分間継続(15〜10分を各4回でもよい)して300kcalの運動所要量に達することになる。
ジョギング
血圧が高めの人などは必ず健康診断を受け、体調を確認してから行う。五分間の柔軟体操を行った後に分速120〜140m程度のジョギングを5分間行い、その後5分間ゆっくり歩くというセットを数回繰り返して、ジョギングに慣れるようにする。この種のジョギングを週2〜3回ずつ数週間行った後に、マイペースで1回2〜3km走ってみる。疲れたらウォーキングを行い、元気を取り戻したら再びジョギングをはじめるという“走−歩−走”を繰り返すのである。
ジョギング中の心拍数は最高値の約80%の毎分130〜140拍程度で、分速140〜180m(6〜7分/km)ぐらいが適当である。この程度のジョギングでは、筋肉への酸素供給が円滑なために疲労物質の乳酸の蓄積が少なく、比較的長時間持続することができる。このジョギングでは毎分約10kcalを消費するので、約30分間継続して運動所要量の300kcalが達成される。しかも30分以上ではエネルギー源は糖質より脂質の比率が高まってくる。
また脳内にはβ(ベータ)・エンドルフィンというホルモンが多く分泌されはじめ、“ランナーズ・ハイ”といわれる快適感を経験するようになる。走行中の脳波分析によると、左右の脳ともθ(シーター)波(浅い睡眠中に現れる高振幅、低頻度の脳波)が多く現れる。さらに脳内にはノルアドレナリンが特に多く分泌されるようになる。このことは抑うつ症などでこの種のホルモンが減少していることから、ジョギングのストレス解放と精神的セラピーの効用を意味している。
走行中は軽く背筋を伸ばし、腰を高く保ちながら、前方へ腰を出すようにする。そのことによって脚も自然に前方へ出て、リラックスしたフォームでひざでリズムをとりながら走ることができる。呼吸は“吸−吸、呼−呼”を繰り返し、脚のリズムに合わせるようにする。
生活の中にL.S.D.(Long Slow Distance= 長い距離をゆっくりした速度で)のウォーキングやジョギングを習慣化し、運動後の温かい汗をぬぐう爽快さを味わえるような“うるおいのある人生”にしたいものである。
http://www.net-deram.jp
直立のまま歩いたり走ったりできるのは、人間だけである。この直立歩行のために2本の下肢は抗重力的に強く長くなり、筋肉が発達してからだ全体の筋肉量の約70%が腰から下方へ集中したわけである。特におしり、太もも、ふくらはぎなどの歩行や走行に必要な筋肉が著しく発達した。
縄文時代人は、足の骨の横断面が「ひし型で太い」ことから、山野を駆けめぐっていたことが推定されている。ところが現代人の骨は「三角で細く」退化しており、文明の発達が歩行や走行を奪ってきたことが明らかにされている。
歩行や走行が健康によいことは、すでに紀元前4〜5世紀のギリシャで医学の祖とされるヒポクラテスによって指摘されている。すなわち歩行や走行によって、重力により下肢部の静脈血管に貯留した血液を心臓へ上向移動させるいわゆる「静脈還流」が活発化し、心臓機能を円滑にして動脈硬化の予防に貢献し、心血管系の若さを保持することができるというわけだ。「人は血管とともに老い、足から衰える」といわれることから、老化予防のためには、まず足腰を強化するための基本的運動として、歩行や走行を日常生活の中に習慣化することが何よりも大切なことである。さらにこれらの運動は、筋肉の緊張筋線維を刺激して大脳の働きを活発化させる効用がある。よいアイデアは、座っているときよりも歩いているときや走行中にひらめくことは、よく経験されることだ。
ウォーキング
長年運動不足で体力レベルの低い人や肥満型の人は、ウォーキングから始めるのが適している。ウォーキングでは、足首、ひざ、および腰への衝撃度は体重の約1.2倍で、走行時の3〜4倍に比べ3分の1ですむ。
まず自分の身長の約2分の1を目安に歩幅をできる限り広く、しっかりひざを伸ばし、かかとから踏み出し、左右の足の間隔をあまり開かず、つま先を前に向けて進む。背筋は真っ直ぐ伸ばしてリラックスし、目は数メートル前方を見ながら手を前後に振ってリズミカルに歩く。運動としての歩行は、分速90〜120mの速歩および急歩が望ましい。この時の心拍数は90〜100拍/分となり、毎分4〜8kcalのカロリー消費に相当し、60〜40分間継続(15〜10分を各4回でもよい)して300kcalの運動所要量に達することになる。
ジョギング
血圧が高めの人などは必ず健康診断を受け、体調を確認してから行う。五分間の柔軟体操を行った後に分速120〜140m程度のジョギングを5分間行い、その後5分間ゆっくり歩くというセットを数回繰り返して、ジョギングに慣れるようにする。この種のジョギングを週2〜3回ずつ数週間行った後に、マイペースで1回2〜3km走ってみる。疲れたらウォーキングを行い、元気を取り戻したら再びジョギングをはじめるという“走−歩−走”を繰り返すのである。
ジョギング中の心拍数は最高値の約80%の毎分130〜140拍程度で、分速140〜180m(6〜7分/km)ぐらいが適当である。この程度のジョギングでは、筋肉への酸素供給が円滑なために疲労物質の乳酸の蓄積が少なく、比較的長時間持続することができる。このジョギングでは毎分約10kcalを消費するので、約30分間継続して運動所要量の300kcalが達成される。しかも30分以上ではエネルギー源は糖質より脂質の比率が高まってくる。
また脳内にはβ(ベータ)・エンドルフィンというホルモンが多く分泌されはじめ、“ランナーズ・ハイ”といわれる快適感を経験するようになる。走行中の脳波分析によると、左右の脳ともθ(シーター)波(浅い睡眠中に現れる高振幅、低頻度の脳波)が多く現れる。さらに脳内にはノルアドレナリンが特に多く分泌されるようになる。このことは抑うつ症などでこの種のホルモンが減少していることから、ジョギングのストレス解放と精神的セラピーの効用を意味している。
走行中は軽く背筋を伸ばし、腰を高く保ちながら、前方へ腰を出すようにする。そのことによって脚も自然に前方へ出て、リラックスしたフォームでひざでリズムをとりながら走ることができる。呼吸は“吸−吸、呼−呼”を繰り返し、脚のリズムに合わせるようにする。
生活の中にL.S.D.(Long Slow Distance= 長い距離をゆっくりした速度で)のウォーキングやジョギングを習慣化し、運動後の温かい汗をぬぐう爽快さを味わえるような“うるおいのある人生”にしたいものである。
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