ストレスに負けない

ここでは、 ストレスに負けない に関する情報を紹介しています。
1. 職場のストレスが増加している

 現代はストレスの時代といわれています。急速な技術革新、バブル経済の崩壊に伴う終身雇用制ならびに年功序列制の崩壊とリストラの拡大、産業構造の空洞化による経済不況の到来など近年の産業社会の急激な変化に伴い、働く人々のストレスに関連する健康障害が問題となっています。
 5年ごとに行われる「労働者健康状況調査」によると、仕事や職業生活で「強い不安、悩み、ストレス」を感じるものの割合が増加しつつあり、1982年の50.6%から1997年には62.8%に上昇し、職場で働く人々の5人に3人はストレスを感じるというような状況になっています。
 欧米の同様の調査ではだいたい30%程度ですから、わが国ではストレスを感じる人が多いといえます。また、仕事での疲れを翌日に持ち越すと答えた人たちの割合も同様に1982年の42.2%から、1997年には58.4%と増加しています。
 健全な労働は労働後に十分な休息が取れ、労働日の翌日には疲労を持ち越さないことが必須条件と考えられます(労働力の再生産)が、わが国では60%近い労働者が翌日まで仕事の疲れを持ち越しているのです。
 また、わが国では自殺者の数が急激に増加しています。厚生省の人口動態調査によると、1998年の1年間の死因の中で自殺が、1997年の統計と比較して35%増の31,734人とついに3万人を突破し、交通事故死者の3倍以上となり、翌年の1999年にも同様の傾向が続いています。
 さらに自殺による死亡の動向を年代別に見てみますと、かつては青年期に自殺のピークがあり、その後いったん低下し加齢に伴い増加していたものが、最近は50歳台に1つのピークが認められるようになっています。警察庁の統計では、1998年には40歳〜64歳の中高年男性が12,669人と自殺者全体の4割近くを占めています。また動機として病苦が35.0%と最も多いものの、事業不振や失業、借金、就職失敗、生活苦など経済・生活問題が6,058人(18.4%)と、前年の1997年と比べて70.4%の増と異常なほど大幅に上昇しており、そのうち中高年層が4,490人と約4分の3を占めています。
 このような自殺者急増の背景には、事業の行き詰まりやリストラ解雇など経済不況の影響が考えられ、特に中高年の男性がそのストレスにさらされていることがうかがわれます。
 ストレスの健康への影響については、ストレスが喫煙、過度の飲酒、運動不足などの生活習慣の乱れを生じ、ひいては生活習慣病や抑うつなどの精神神経疾患を引き起こし健康に悪影響を及ぼしていると考えられます。
 このような生活習慣病や精神神経疾患の発症予防には、その要因となり得る心理社会的因子(ストレス)の評価と対策が必要不可欠と考えられます。特に、産業現場においてストレス対策を行い労働者の健康を心身両面から維持していくことは、社会にとって大変重要です。平成12年3月、厚生省により策定された「健康日本21」においては、自殺死亡者の減少やストレスを感じる者の割合の減少などが目標値として挙げられました。また、平成12年8月には労働省により「事業場における労働者心の健康づくりのための指針」が打ち出されており、国においても積極的な取り組みがなされようとしています。


2. ストレスの概念

(1)ストレスとは
 社会においてストレスを適切に評価し、対策を進めるためには、まずストレス概念の共通の理解が必要です。ストレスという言葉は、一般にストレス刺激となるもの(ストレッサー)と、そのストレス刺激を受ける生体における歪み(ストレス反応)とに分けられます。従ってストレスという言葉を使用するときに、まずそれがストレス刺激となるものを指しているのか、あるいはストレス反応のほうを指しているのか、あるいはその全部を総合してストレスというのか明らかにしておく必要があります。

(2)ストレスの心理・生理学的基礎
 ヘンリーは、ストレス刺激の強さと人のパフォーマンスとの関係について考察しています。通常、ストレス刺激が強くなるに従ってパフォーマンスは上昇していきます。つまり刺激が少ないときには人は「リラックス」した状態にあり、パフォーマンスもまた低い状態にあります。刺激が徐々に増強するにつれてパフォーマンスが上昇し、刺激がかなり強くなり、「挑戦」的な状況になるとその人のパフォーマンスは最大になります。
 循環器疾患のリスクファクターの1つとされているタイプA行動パターンは、この「挑戦」という状態に慢性的にさらされているといえます。しかし、人の能力には限界があり、ストレス刺激がさらに増強すると、疲労から過労という状態になり、パフォーマンスが落ちてくるようになります。さらに刺激が強化され持続すると疲労困ぱいという状態となり、そして最後には破たんという状態になってしまいます。いわゆる「過労死」はその状態をいうと考えられます。
 ハンス・セリエは、1930年代にすでにこのようなストレス刺激に対する生体のストレス反応の過程を全身適応症候群と呼び、ストレス反応は一般に警告反応期、抵抗期、疲憊(ひはい)期と3つの時相を経過するとしました。ハンス・セリエは、このストレス研究を主に動物実験で行い、化学物質による刺激、物理的刺激などどんなストレス刺激を加えても副腎肥大、胸腺・リンパ節委縮、および消化管かいようが起こることを発見し、これを「ストレスの三主徴」と呼びました。
 その後、研究が進みストレスの時相によって生体内でのストレス反応の様相が異なることが分かってきました。例えば、交感神経系のホルモンは比較的早期に上がってきます。ノルエピネフリンやエピネフリン分泌が上昇します。その結果、血圧や心拍数が上がり、闘争状態に適した内部環境になってきます。テストステロンなどの性腺系ホルモンも上昇します。このようなときの情動は怒り、敵意などです。即ち「挑戦」的な状態、タイプA行動パターンのときなどがこの状態に相当すると思われます。
 アメリカ人のタイプAの典型的なパターンは敵意性が高く、競争心が旺盛であるといわれ、日本人のタイプAは仕事中毒的といわれていますが、タイプAはこのような状態にあるといえるでしょう。
 しかし、ストレス刺激が過度になるか慢性的になってきますと、生体はだんだん適応できなくなり、最終的には状況をコントロールできなくなります。このような状態では脳下垂体・副腎皮質系が賦活(ふかつ)化され、CRH、ACTH、コルチゾールなどのホルモンの分泌が増加してきます。性腺系ホルモンの分泌は今度は低下するようになります。このときの情動は不安、恐怖からさらには抑うつへと変化してきます。さらに疲弊期になってきますと前述したすべてのホルモンの分泌能の低下が起こり、ついには内部環境としての生体内の恒常性(ホメオスターシス)は破たんしてしまいます。精神的には、重度の抑うつを呈してきます。要するに、ストレス刺激もそれが適度であればよい刺激となり、生きがいや仕事のやりがいをもたらします。また、進歩や学習はそのような適度なストレス刺激が加わることによって成果を得ることが多いのです。しかし、ストレス刺激が過度になると、精神的な不健康やストレス関連疾患を引き起こすことになります。このような障害を引き起こすストレスを“Distress” と呼び、よいストレス刺激となるもの、即ち“Eustress”と区別する人もいます。ハンス・セリエは、「ストレスは人生のスパイスである」と言ったがまことに至言だと思います。

(3)ストレス要因は生活習慣病の危険因子でもある
 ストレスが現代社会で大きな問題になっている理由は、ストレスが先ほど述べた抑うつや自殺などの精神的な問題を引き起こすばかりでなく、生活習慣病発症の要因となるからです。心理社会的ストレスによる刺激は脳内モノアミンの低下などを介して抑うつなどの精神心理的障害を引き起こしてくるばかりでなく、交感神経系の活動や視床下部・脳下垂体・副腎皮質系を高進させ、その結果、血圧上昇や心拍数の増加を介して循環機能に影響を与えます。
 また、同様にして近年問題になっている内臓肥満を引き起こすのです。この内臓肥満はさらにインスリン抵抗性を高め、高インスリン血症、高血圧、耐糖能異常からインスリン非依存性糖尿病(2型糖尿病)、そしてリポプロテインリパーゼ活性の低下などを介して高脂血症を引き起こし動脈硬化を進行させるといわれており、いわゆる「死の四重奏」や「Syndrome X」といわれる病態が進行します。 心理社会的ストレスは生体に対するこのような直接的な影響を与えるばかりではなく、喫煙量の増加、多量飲酒、過食・偏食、睡眠不足や運動不足などの生活習慣の乱れを介して、肥満、動脈硬化、生活習慣病を引き起こすと考えられています。

(4)心理社会的ストレス
 ストレスは、身体的ストレスと心理社会的ストレスに大きく分けられますが、心理社会的ストレスはその過程に認知というものが介在しています。例えば、教師にしかられる、同僚からつまはじきにされるなどさまざまなストレスがあるわけですが、その状況下でその当事者がその状況をどう認知するかということがその人のストレス反応を規定するといえます。つまり認知的評価とそれに対する対処という心理的な過程があるのです。
 例えば、罵詈雑言(ばりぞうごん)を吐きかけられるというストレス刺激を受ける状況を考えますと、直属の上司にまったく自分の理解できない言語(外国語)でののしられても何も感じないかもしれませんが、日本語で口汚くののしられた場合には大変なストレスを感じることになるでしょう。このように心理社会的ストレスの場合は、認知的評価を介して情動に影響を与え、情動反応を引き起こすのです。ストレス研究は、当初はセリエなどの生理学者による生理学的なストレス研究として始められましたが、その後ラザルスらにより心理学的なストレスについての研究もなされるようになり、認知的評価や対処行動について明らかにされつつあります。


3. ストレスの評価

 人は社会環境の中で生きているということを忘れてはなりません。家、学校、職場、病院、地域、国という大小さまざまな社会単位のなかで生活を営んでいる人は、その中でさまざまな物理的、心理社会的ストレッサーにさらされており、ストレス反応を引き起こしているわけです。そしてその反応の起こり方はその人の体質や性格、教育などの個人的な要因、まわりからの社会的支援などに修飾されて起こるのです。さらにそのストレス反応からストレス関連健康障害や疾患に至る過程についてもストレッサーだけでなくこれらの要因が複雑に関係します。従って人のストレスを評価するときには、このようなダイナミックなストレスモデルの下で考えなければなりません。
 従来行われてきたストレスの評価法としては、主にストレッサーを測定する方法、主にストレス反応を測定する方法、修飾要因の測定法があります。

(1)ストレス要因の評価
 ストレス要因(ストレッサー)の測定法としては、物理的・身体的ストレッサーを測定する方法と、心理社会的ストレッサーを測定する方法があります。物理的身体的ストレッサーの評価に関しては労働時間、作業強度、騒音測定などが挙げられます。職場での心理社会的ストレス要因に関していえば、Karasekらにより開発された質問紙調査票Job Content Questionnaire(JCQ)では、仕事の要求度(時間内に仕事が処理しきれないなど)、仕事のコントロール(時間内に持ち場を離れることができるなど)を職場のストレッサーとして測定しています。National Institute of Occupational Safety and Health(NIOSH)で開発された調査票では、仕事の量的負担、技能の低活用、物理的環境などに加えて、対人葛藤(職場内でうまがあわないなど)などもストレッサーとして評価しています。

(2)ストレス反応の評価
 ストレッサーに対する反応(ストレス反応)は、心理的ストレス反応、身体的ストレス反応、行動的ストレス反応として測定・評価することができます。一般に職場におけるストレス反応の評価では、心理社会的ストレス反応を質問紙によって評価する場合が多い。また、定期健康診断時などに身体愁訴を評価することも高ストレス状態を発見するきっかけとなることがあります。

○心理的ストレス反応の評価
 心理的ストレス反応については、抑うつ、不安などの測定が行われています。抑うつの測定法としては、Beckの抑うつ尺度、Zungの自己評価性抑うつ尺度(Self-Rating Depression Scale(SDS)、抑うつ性自己評価尺度(Center for Epidemiologic Studies Depression Scale :CES-D)などの質問紙による評価法が用いられています。特にCES-Dは信頼性および妥当性が高いとされ、近年職場における抑うつ度の測定にも用いられることが多くなってきています。不安を測定する方法としては、Spielbergerの状態−特性不安尺度(State-Trait Anxiety Inventory (STAI)、顕在性不安検査(Manifest Anxiety Scale: MAS)などが代表的なものとして挙げられます。
 また、McNairらの開発した気分プロフィール検査(Profile of Mood States:POMS)は、従来の心理テストがネガティブな尺度を測定するものであるのと異なり、活気というポジティブな感情尺度もあわせて測定可能である点で優れています。POMSは65項目の質問からなり、過去1週間の緊張−不安、抑うつ、怒りー敵意、活気、疲労、および混乱の6種類の感情・気分を同時に測定することのできる調査票であり、精神科や心療内科においても、治療効果の判定などに使用されています。測定の期間を、状況により設問を過去1週間から変更して使用することも可能である点も利用しやすい。実際に筆者は職場の定期健康診断時にPOMSを使用し、職場においてストレス状態にある人の“早期発見、早期対策” に活用しています。このストレス状態にある人の“早期発見と早期対策”は、ひいてはストレス性健康障害や心身症の第一次予防につながるといえましょう。

○身体的ストレス反応の評価
 抑うつや不安などの精神心理的症状だけではなく、頭痛、めまい、肩凝りなどの身体愁訴を調べることも、ストレスの評価に有用です。精神的な悩みを抱えている人でも、精神的な訴えをすることには抵抗感があるために、身体的な症状として悩みを訴えることも多いのです。生理・生化学的なストレス反応の評価指標については、いまだ特異的にストレスを評価し得るものがない。現実的に職場で応用し得る指標もない。

(3)職業性ストレス簡易調査票
 前述したNIOSH職業性ストレス調査票は、さまざまな仕事上のストレッサーのほかに、家庭でのストレッサー、タイプA、自尊心、抑うつ(CES-D)などが含まれており、信頼性、妥当性も高く、ストレッサー、ストレス反応、修飾因子などを同時に測定できる総合的多軸的評価法として高い評価を受けていますが、質問項目が多く現場でのストレス評価とストレスマネージメントに用いるには問題があります。そこで、労働省委託研究「作業関連疾患の予防に関する研究」班(加藤正明班長)の中のストレス測定研究グループ(下光輝一リーダー)は、既存のストレス調査票を検討し、現場で簡便にストレスを測定・評価することが可能であり、かつ信頼性・妥当性の高い職業性ストレス簡易調査票を開発しました。
 この調査票は以下のような特徴をもっております。(1)従来のストレス反応のみを測定する調査票と異なり、ストレッサーをも同時に評価できること、(2)ネガティブな心理的ストレス反応ばかりでなくポジティブな反応も測定できること、(3)身体的なストレス反応や社会的支援などの修飾要因も評価する多軸的評価法であること、(4)現場で簡便に使用するために57問という最小質問項目となっていること、(5)あらゆる業種の職場で使用できること、(6)自記式調査票であることなどです。
 その質問内容は、17項目の仕事のストレス要因(量的労働負荷、質的労働負荷、身体的労働負荷、コントロール、技術の低活用、対人問題、職場環境、仕事の適性)、18項目の心理的ストレス反応(緊張―不安、怒り、疲労、抑うつ、活気の低下)、11項目の身体的ストレス反応(身体愁訴)、修飾要因として、9項目の上司、同僚、家族・友人の支援度、と2項目の職場と家庭に対する満足度の合計57項目です。この簡易調査票の結果はコンピュータ解析ソフトにより「あなたのストレスプロフィール」として労働者のストレス状態が一目でわかるようにレーダーチャートとして打ち出されます。この調査票はすでに企業の現場で定期健康診断時などに使用され、健診後の産業医などの面談時の参考資料として用いられています。(※1)


4. ストレス対策

(1)ストレス全般への対策・教育
 ストレス対策の中で最も大事なことはセルフケアで、労働者自身が自分のストレス状態に気付き、それに対処していくことです。そのためにはストレスに対する理解とストレスに対する対処法を身に付けることが必要です。
 また、職場でのストレス対策を有効にかつ円滑に進めていくためには、職場のメンタルヘルスに関わるスタッフの役割を明確にすることおよび役割を遂行することを可能にするための知識(および経験)の獲得が重要です。そしてストレス対策に関わるスタッフ(産業医、産業保健婦・士、衛生管理者、心理相談担当者など)のみでなく、職場の管理監督者も重要な役割を果たします。従って従来よりいわれている心理相談担当者、産業保健婦・士や産業医などの健康管理専門スタッフへの教育ばかりでなく、職場の管理監督者に対する職場におけるストレスマネージメント教育が重要なのです。
 管理監督者は職場で実際に部下の従業員に指示を与えて管理していく人たちであり、一人ひとりの従業員の心身の健康状態を把握することができる立場にあります。管理監督者が部下の仕事の量を斟酌し、部下の適正配置を心がけ、また職場のよい人間関係をつくりだす努力をし、職場全体の就業意欲をもりたてるような役割を果たしてこそ初めてその職場のストレス対策が成り立つのです。このような管理監督者によるケアをラインによるケアといいます。
 管理監督者の教育はこのようにきわめて重要ですが、そのなかで特に挙げられる方法としては、管理監督者への「リスナー教育」があります。これは管理監督者が積極的なリスナーになっていく、よい聞き役になる、あるいは労働者のさまざまなストレス状況についてよく耳を貸すということを日常的に実践できるように教育を行うことです。これを「積極的傾聴法(Active Listening)」といい、職場におけるストレス軽減の方法として評価されつつあります。
 また、「メンタリング」という手法も挙げられます。「メンタリング」とは「経験豊かな人(メンター)」が「未熟な人(プロテージ)」に対して行うキャリア的な心理的な支援です。例えば、職場においてベテランの先輩が仕事になれていない新人に対して親身になって対処の仕方を教えることが「メンタリング」であり、よい職場では従来から無意識のうちに行われていました。このようなことを管理監督者に改めて教育することによりストレス対策のノウハウを身に付けてもらうことが可能となります。

(2)ストレッサーへの対策
 職場においてストレス対策を行うときに、まず考えられる方策としては職場のストレッサーに対する介入があります。職場のストレッサーとしては職場環境、役割上の葛藤・あいまいさ、対人関係、仕事の量的・質的負荷(デマンド)、仕事の将来性不安、交代制勤務などがあります。先に述べたデマンド・コントロールモデルは、比較的単純化されたモデルですが、デマンドを減らしコントロール度を高めるということがストレッサーに対する一つの介入となります。デマンドやコントロール度に対する介入と同時に、同僚・上司のソーシャルサポートを高めるなどの対策を図っていくこと、即ち緩衝要因への働きかけも効果的でしょう。

(3)ストレス耐性の強化あるいはストレス反応の軽減
 職場のストレスの第1次予防としてのストレッサーに対する対策のほかに、第2次予防としてストレス反応の軽減あるいはストレス耐性の強化があります。

○THPにおけるストレス対策(保健指導、心理相談、運動指導)
 1988年より開始された職場における心とからだの健康づくり「トータルヘルスプロモーションプラン(THP)」の中で、保健相談や心理相談の中でストレスへの対処法を教えることや、運動指導を行うことで個人個人のストレス反応を緩和させる方法があります。特に運動指導は従来は高脂血症、肥満、高血圧、糖尿病などの動脈硬化のリスクファクターへの効果が強調されていましたが、ストレス耐性の強化やストレス反応緩和の作用があることが明らかになり、メンタルへルス推進にも有用です。

○リラクセーション・カウンセリング
 リラクセーション技法は、近年多くの企業でストレスマネージメント法として取り入れられています。特に主として身体からアプローチし、心身のリラクセーションを目的とする自律訓練法はストレス性健康障害に陥った者ばかりでなく、健康者の心身の健康保持増進に有用です。また、カウンセリングは労働者本人が日常生活の中で自分自身のストレス状況に気付く手がかりをカウンセリングによって把握できるように支援するものであり、臨床心理士や産業カウンセラーなどの専門性を有する者が行うのが望ましい。また、保健婦などが行う場合には、系統的な専門的トレーニングを受けることが必要でしょう。

○事業場における労働者の心の健康づくりのための指針
 職業性ストレス対策と心の健康づくりのためには、職場(事業場)全体で対策に取り組む必要があります。そこで、昨年8月に労働省は、事業者が行うことが望ましい労働者の心の健康保持増進のための基本的な措置(メンタルヘルスケア)が適切かつ有効に実施されるよう「事業場における労働者の心の健康づくりのための指針」を策定し、メンタルヘルスケアの原則的な実施方法を総合的に示しています。その特徴と意義は、事業場におけるメンタルヘルスケアを4つのケア(セルフケア、ラインによるケア、事業場内産業保健スタッフなどによるケア、事業場外資源によるケア)として、労働者の安全配慮義務を有する事業者がこれらを中心にして心の健康づくり実施計画を立案し、取り込んでいくことが望まれるとしていることです。



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2007/11/08(木) 18:44:16 | 一語で検索
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2007/11/18(日) 02:55:37 | プレサーチ