髪の健康をかんがえる

ここでは、 髪の健康をかんがえる に関する情報を紹介しています。
現在、わが国で抜け毛、薄毛、脱毛に悩みをもつ人は700万とも800万ともいわれます。昔から「髪は女の命」といわれてきましたが、近年は男性にも髪の毛を必要以上に気にする人が増えています。そのため、毛髪に関するさまざまな情報があふれ、なかには明らかに誤った内容と思われるものもあります。美容のための処理が、逆に、髪の寿命を縮めている場合もあります。
 また、毛髪の問題というと、ややもすると首から上だけの話と考えがちですが、髪もからだの一部です。からだ全体の健康と無関係ではありえません。
 そこでここでは、誤った知識や処置のために髪をいためつけ、悩みが一層深くなったりすることのないように、髪の健康対策を考えることにします。

毛の一生 どのように成長し、生えかわるか

1 毛は皮膚組織の変形したもの

 毛は、外に出ている毛幹部と、皮膚の中に隠れている毛根部に分けられます。毛幹の外側は、鱗状に重なった薄い丈夫な膜(毛小皮:キューティクル)でおおわれ、有害物の侵入を阻止しています。
 毛根を包んでいるのが毛包(毛嚢)で、その内部では、血管から栄養補給をうけて毛母細胞が活発に分裂をくり返して毛の成育を行っています。

・毛幹部は生活力を失った組織
 毛母細胞は分裂して細胞の数を増やし、古い細胞は次つぎと上へ押し上げられ、角質(細胞が死んでできた硬いたんぱく質)となって毛幹が形づくられていきます。つまり、毛幹は、生活力を失った組織なのです。ですから、いちど傷つくと、自分自身ではそれを修復することができません。

・毛の主成分は硬たんぱく質:ケラチン
 毛は、爪と同じく、皮膚組織の変形したもので、主成分はケラチンと呼ばれるたんぱく質です。ケラチンとは、角質化した硬いたんぱく質のことを呼びます。毛のたんぱく質は約20種類のアミノ酸が結合してできています。アミノ酸のうち一部のものは体内でもつくられますが、何種類かのものは、外から食事として補給してやることが必要なのです。ですから、たんぱく質が極度に不足した食事をつづけていると、毛の成育にも影響します。必要なアミノ酸(たとえばシスチン)が不足すると、毛の強度が低下してきます。

2 毛の成長と休止、そして新生

・毛には一定の寿命がある
 毛は、ある期間(2年から時には7年以上も)成長をつづけたあと、その成長を止め、一定期間(ほぼ3か月)たって抜け落ちていきます。これを「毛周期」と呼びます。
 抜け落ちると、同じ毛包から新しい毛の芽が生まれ、再び成長していきます。人間の毛包の数は誕生時に決定されていて、出生後にその数を増すことはありません。日本人の頭毛は、約10万本といわれています。

・毛の成長期間・速度には差がある
 毛が成長をつづける期間は、個人差もありますが、性別、年齢、体調、栄養状態などさまざまな要因が関係してきます。成長速度は、1日0.35〜0.44mmとされています。

3 自然の抜け毛

 このように頭髪には、成長を止めて、生えかわる時期を待っている毛が、常に存在しているのです。毎日、抜け毛があるのは、むしろ正常な証拠といえましょう。寿命(毛周期)にしたがって抜け落ちる自然な抜け毛は、一般には1日60−80本程度なら正常範囲と考えられています。
 それよりも極端に多い抜け毛がつづいた場合が、脱毛症ということになります。

よくみられる脱毛としらが

 なんらかの病気が原因でおこった脱毛を、勝手に素人判断して処置していると、治るものも治らないで、とり返しのつかなくなることがあります。抜け毛が異常に多いと思ったら、早めに専門家(皮膚科医など)に診せて、原因を調べてもらいましょう。ここでは、一般によくみられる脱毛症の注意すべき点などについて述べておきます。

1 遺伝的体質による脱毛症:男性型脱毛症

 いわゆる若はげで、最近は女性にもみられています。額の生え際、あるいは頭頂部の毛がしだいに細くやわらかい毛にかわって薄手の状態になったり、短い抜け毛が多くなって脱毛したりします。薄手の状態のときにはまだ毛包は存在していますが、年齢とともに毛の数が減少していきます。
 原因は、遺伝的要因と、男性ホルモンの作用などが考えられていますが、脱毛のメカニズムは十分解明されていません。なお、このような脱毛症を美容上の目的で治療する場合は、健康保険の対象とはなりません。
 いったん脱毛すると元に戻ることはないので、現状維持に努めることが大切です。若はげの人は皮脂の分泌が活発なので、頭皮の清潔を保ち、毛根への栄養補給の目的でマッサージあるいは育毛剤などで血行の促進をはかります。

2 なんらかの原因による毛の栄養障害:円形脱毛症

 成長期にある毛が、なんらかの原因で栄養障害となり、毛根が萎縮して抜けてきます。突然、円形に1〜2か所の毛が大量に抜け落ちます。
 原因として、従来、一般にはストレス説が広く信じられてきましたが、専門家の間では定説とはなっていません。現在は自己免疫説(一種のアレルギー現象)など種々の原因が指摘されており、原因は不明というのが実情です。
 成人で、1か所のみの脱毛なら、放っておいても半年くらいで治ることが多いようです。専門家に相談してマッサージなど適切な処置をすれば、その期間が短縮されることもあります。

3 栄養不足による脱毛

 最近は栄養不足による脱毛もみられたりしています。拒食症や、肥満症に用いる断食・節食療法などで、極端な定エネルギー食品(低たんぱく質)となった場合には、毛は細くなり、ついには脱毛にいたります。
 また、美容のためのダイエットの影響で、毛はつやを失い、弾力性もなくなって、脱毛につながることもあります。からだの栄養状態は毛にも影響するからです。

4 しらが

 ふつうにみられるしらがは、毛根にある色素細胞の機能が低下したり消失したことが原因です。しらがの発生は男性で30歳前後、女性では35歳前後からとされていますが、個人差が大きいようです。抜いても同じ毛包から再びしらがが生えてきます。
 近年は、若くしてしらがになることが多くなったといわれ、その理由として生活様式とくに食生活の変化を指摘する人もいますが、その相関については定かではありません。このような機能低下によるしらがを根本的に治すことは不可能です。
 まれにですが、尋常性白斑(白なまず)が頭皮にできると、その部分の毛は白くなります。こちらは適切な治療で治る可能性があります。

美容と髪の健康

・美容のつもりが髪を傷めている
 美容のためにした処置で、また、まちがった手入れで、髪を傷めている人も多いようです。髪を傷める恐れのあるのは、パーマ、ヘアダイ、アイロン、ドライヤーなどです。

1 パーマ、ヘアダイと髪の健康

・薬液の浸透による毛への影響は避けられない
 強い薬液を毛の内部に浸透させて化学変化をおこし、直毛に思いどおりのウェーブをあたえたり、毛を染めたりするのですから、毛に影響を及ぼすことは避けられません。パーマやヘアダイ(染毛剤)を不注意に繰り返していると、裂け毛や枝毛、あるいは断毛をおこしてきます。

・注意したいこと
 ひとつの目安として、パーマは2か月に1回を限度とすること、ヘアダイは少なくとも1か月以上の間隔をおくことが望ましいといわれています。その際も、あとの手入れをきちんとすることが大切です。
 また、パーマとヘアダイとを短期間に続けて行うことは、毛の損傷を倍加させます。先にパーマをかけ、1週間以上の間隔をあけてから毛を染めるようにしないといけません。

2 アイロン、ドライヤーと髪の健康

 アイロンあるいはドライヤーでも、使い方を誤ると毛を傷めます。

・髪の毛は熱や乾燥に弱い
 アイロンでは、180度の高温で用いる場合、または低温でも毛をはさんでいる時間が長い場合(たとえば150度で20秒間)には、加わる熱によって毛の痛みが激しくなります(毛の成分のたんぱく質が変性する)。
 ドライヤーで極端な乾燥をくり返していると、毛小皮が傷んではがれやすく、枝毛の原因となります。
 もともと髪の毛は、熱や乾燥には弱いのです。

・効果的な使い方
 アイロンの効果も得られ、毛を傷めないためには、170度で3秒間程度はさむのがよいという報告があります。
 ドライヤーを使うときは、風量を多く、勢はひかえめに、髪との距離は少なくとも20cm以上離し、毛が乾燥しすぎないように心がけます。

3 ブラッシングと髪の健康

 従来、女性の髪を美しく健やかに保つには、毎日、毛や頭皮を何十回でもブラッシングし、摩擦するのが最もよいとされてきました。そして、洗髪回数を多くすると抜け毛が増えるので、むしろひかえたほうがよい、というようなこともいわれてきました。

・過度の摩擦による毛の損傷
 しかし、ブラシで強い摩擦をくり返していると、毛小皮がはがれ毛を傷めるおそれがあります。特にパーマやヘアダイなどで既に傷んでいる毛の場合は、裂け毛、枝毛を生じるのでブラッシングは禁物です。ブラッシングは、整髪程度にとどめ、ヘアクリームなどを塗って、できるだけ摩擦を軽くするように努めます。

髪の清潔

1 洗髪

 頭皮は、汗、皮脂、フケ、あるいは整髪料などにより、常に汚れやすいものです。不潔にしておくと微生物が増殖して、頭皮だけでなく、髪の健康をそこなうことになります。洗髪をおろそかにはできません。

・自分の髪質に合ったシャンプーを選ぶ
 現在使われているシャンプーは、中性の合成洗浄剤が主流です。これらの製品は、洗浄力が強く、水によく溶け、使用感もよくなっています。ただ、その強い洗浄力(脱脂力)のために、必要以上に皮脂をとりすぎる点が問題といえます。そこで最近では、シャンプー自体に油分を配合したものが多く出回っています。しかし、油分の除去を目的としたシャンプーに油分を添加しても、その効果にはおのずから限界があります。
 シャンプーは、自分の髪質に合ったものを選ぶことも大切です。油性か、乾燥性か、あるいはパーマで傷んだ髪など、それなりの目的に適したシャンプーが市販されています。

2 シャンプー後の処置

・十分なすすぎと油分の補給
 洗髪後はシャンプーが残らないよう十分にすすぎをすることが大切です。
 失われた油分を補給する目的で、リンス剤およびトリートメント剤が使われます。パーマやヘアダイをしない人、適度な油性の髪質の人ではリンス仕上げで十分です。
 トリートメント剤として最もよいのはヘアクリームです。市販のトリートメント剤には、毛の成分(ケラチン)に比較的強く結合する物質を配合したものがあります。特に損傷の激しい毛髪の場合は、こうしたものを塗ったあとスチーマーで加熱するなどの処置も効果があります。

3 “モーニングシャンプー”について

 近ごろ、若者のあいだに“モーニングシャンプー”(“朝シャン”)が流行しています。その是非については、さまざまな角度からの議論があり、賛否いずれともいいがたいものがあります。
 シャンプーの回数など髪の健康面に関しても、その考え方は一定していませんが、一般論としては次のように考えられます。
 毎日シャンプーすることは特に悪いことではないが、それを朝にするために時間が不足して、朝食がとれなくなるようでは問題です。また、すすぎが不十分となりやすいため、えりくびなどにシャンプーが残って湿疹の原因になるおそれがあります。
 シャンプーの回数は頭皮の状態によって大きな差があります。脂っぽい場合には毎日シャンプーしてもよいが、乾燥しやすい人の場合は一日おきに洗髪するようにします。湿疹やかぶれなどのあるときは医師の指示に従います。

おわりに

 髪にいきわたる栄養が不足していれば、髪だけをどんなにていねいに手入れしても髪の健康は保てません。動物性・植物性さまざまの食品をバランスよく組み合わせ、多くの種類のたんぱく質をまんべんなくとり、内からの栄養補給をはかることが大切です。
 そのうえで、正しい手入れをして、外から髪を保護してやります。洗髪で抜け落ちるのは、自然の抜け毛です。
一本の毛を惜しんで洗髪を怠ると、髪の健康はかえってそこなわれます。
がん余命3ヶ月からの生還
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2007/11/25(日) 01:11:42 | マッシュアップサーチラボ