肩がこる

ここでは、 肩がこる に関する情報を紹介しています。
肩こりの大部分は筋肉疲労や血行不良によるもので、日常生活の問題点を改善することによって症状を軽減できます。ただし、こりだけでなく強い痛みやしびれを伴うような場合には、何か他の病気が原因になっていることがあるので注意が必要です。

肩こりの原因はさまざま

 近年は中高年者だけでなく、若年層にも肩こりに悩む人が増えています。運動不足による筋力の低下、OA機器の普及、ストレスの増加などが影響しているものと思われます。肩こりというのは通常、肩の筋肉が緊張した状態を指しますが、明確な定義はなく、首から肩にかけての違和感、重苦しさ、鈍い痛みなど、人によって症状は異なります。
 では、肩こりはなぜ起こるのでしょうか。首から肩にかけては、重い頭や腕を支えるために大小多くの筋肉が集まっている部位です。筋肉が活動するには酸素と栄養が必要です。筋肉にはポンプ作用があって、緊張と弛緩を繰り返すことによって血液の循環を助ける仕組みになっています。弛緩したときには酸素や栄養を含んだ血液を取り込み、緊張したときには老廃物を送り出しているのです。
 ところが、緊張状態が長時間続くと血行が悪くなって乳酸などの老廃物がたまり、それが刺激となって筋肉の細胞から発痛物質が出て神経を刺激し、こりや痛みが起こるようになります。これが肩こりです。
 筋肉が弱い、姿勢が悪い、あるいは慣れない力仕事をして筋肉を使い過ぎたなどといったことが原因で起こるケースが多いですが、精神的なストレスも肩こりの要因になりますし、骨や関節の異常、内科的疾患などによって肩こりが生じる場合もあります。
 筋肉の緊張によって起こる単なる肩こりであれば心配ありませんが、強い痛みやしびれ、頭痛やめまいなどを伴う場合には、何か他に病気があってその一症状として肩こりが起きている可能性がありますから、一度専門医を受診するほうが安心です。

生活習慣をチェックする

 肩こりは日常生活の中に原因があることが多いものです。問題点がないかどうかチェックし、それを改善することが肩こりの解消や予防につながります。
■よい姿勢を保つ
 背骨の自然なカーブを保つことがよい姿勢の基本です。立つときは背筋を伸ばし、あごを少し引き、おなかを引っ込めます。肩の力を抜き、両肩が同じ高さになるようにします。座るときも背筋を伸ばし、前かがみにならないように注意しましょう。
 とはいっても、一度身についた悪い姿勢を直すのはなかなか難しいものです。そういう場合には、よい姿勢を保持するのに役立つような趣味やスポーツを始めるのも一つの方法です。自然に姿勢に注意する習慣が身につきますし、ストレス解消にもなります。
■机とイスの高さを 適正に
 デスクワークが多い人は、机とイスの高さにも注意が必要です。イスは座ったときにひざが直角になる高さ、机はひじがほぼ直角になる高さが理想的です。
 VDT作業をする人は、キー操作中のひじの角度がやはり直角になるようにキーボードの厚みを計算に入れて高さを調整しましょう。ディスプレイは目の高さより低めにしたほうが目の疲れを軽減できます。
■自分に合った寝具を
 就寝中の姿勢も大切です。枕が高過ぎたり低過ぎたりすると頸椎に無理がかかりますから、自分に合ったものを選びましょう。布団もからだが沈み込むような柔らかいものは好ましくありません。
■左右の肩を均等に使う
 ショルダーバッグはときどき左右の肩を替えてかけましょう。荷物は両手に分けて持つか、ときどき手を替えます。
■軽くて暖かい服装に
 重い服、きつい服は筋肉疲労を招きます。冷えは肩こりにとって大敵ですから肩を冷やさない服装に。また、高い靴や足に合わない靴も肩こりの誘因になります。
■生活の中にスポーツを
 運動は血行をよくして肩こりを解消するだけでなく、筋肉を鍛えて肩こりを防ぐ効果もあります。運動の種類は何でもかまいません。習慣づけることが大切なので、ウォーキングなど無理なくできるものを選びましょう。
 肩を上げ下げする、肩を回す、腕を上げ下げするなど、肩こりを解消する体操を行うのもよい方法です。仕事の合間などにこまめにやるようにしましょう。首を前後左右に倒す、首を回すといった体操も効果がありますが、頸椎に問題がある場合にはかえって悪化させてしまう恐れがありますから、首を動かしたときに痛みやしびれが出るような場合はやめたほうが無難です。


家庭療法の基本は温めること

 肩こりは筋肉の緊張と血行不良が起きている状態ですから、温めることで緊張をほぐし、血液循環を促します。温めるにはおふろがいちばんですが、蒸しタオルや使い捨てカイロを使ってもよいでしょう。
 ただし、炎症が起きているような急性の痛みの場合には冷やします。筋違いを起こして突然痛みが出たようなケースです。冷やすのは長くても2〜3日で、その後はやはり温めるようにします。
 マッサージや指圧も効果があります。強くすれば効くというわけではなく、刺激が強過ぎると筋肉を痛めてしまいますから、気持ちがよいくらいを目安にしてください。
 市販の外用薬はいろいろなタイプがありますが、いずれも主な効果は清涼感と抗炎症作用です。肩こりの多くは筋肉の緊張によるものなので、抗炎症作用の効果は限られます。温湿布には血行を促進するためにトウガラシエキスが用いられており、かぶれることがあるので、皮膚の弱い人は腕の内側に小片を貼ってテストしてから使うとよいでしょう。
 家庭療法ではこりがとれない、徐々に症状が強くなるといったような場合には整形外科を受診してください。問診、診察、X線検査などを行ったうえで治療法を決定します。
 整形外科で最もよく行われるのは極超短波や赤外線、ホットパックを使った温熱療法です。こりや痛みがひどい場合には筋弛緩剤や消炎鎮痛剤などで痛みをやわらげます。頸椎に異常がある場合には牽引療法や神経ブロック療法が効果があることがあります。骨が変形して神経を圧迫しているようなケースでは手術が行われることもあります。
 昔から肩こりには漢方薬、鍼灸、指圧などの東洋医学的な治療が有効とされています。効果に個人差があるので一概にはいえませんが、症状が改善するケースがしばしばみられます。前述のように肩こりの原因は多様で、検査をしても原因がはっきりしないことが少なくありません。治療を要するような異常が認められないにもかかわらず、頑固な肩こりに悩まされている人は東洋医学的な治療を受けてみるのも一つの選択肢といえます。

(参考図書/関直樹著「専門医がやさしく教える肩こり」・PHP研究所)

肩こりの主な原因
◎筋肉の発達不良、悪い姿勢
◎筋肉の使い過ぎ
◎骨や関節の異常
 変形性頸椎症、頸椎椎間板症、頸椎椎間板ヘルニア、
 むち打ち症(頸椎捻挫)、五十肩(肩関節周囲炎)など
◎内科的疾患
 高血圧、低血圧、胆石、胆のう炎、狭心症、貧血など
◎精神神経疾患
 ノイローゼ、自律神経失調症、
 うつ病など
◎眼科的疾患
 視力障害、眼鏡の不適合、
 眼精疲労など
◎耳鼻咽喉科的疾患
 慢性扁桃炎、慢性副鼻腔炎など
◎歯科的疾患
 虫歯、歯周病、交合不全など

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