▼ 止 血 法
◆出血の種類
A.血管による種類
1動脈性出血・・・鮮血が噴出し、しばしば拍動性である。
噴き出るときは大出血の心配を。
2静脈性出血・・・暗赤色でじわじわと湧き出るように出血する。
こういったときも大出血になります。
3毛細血管性出血・・・創全体からじわじわと出血し、出血点が特定できない。
にじみでるような出血は大丈夫。
4実質性出血・・・肝・膵など実質臓器からの出血を特に実質性出血という。
B.外出血と内出血
皮膚や粘膜の損傷部からからだの外に出血するものを外出血といいます。搬送中に止血処置の対象になるのはこの出血です。これに対してからだの内部に出血するものを内出血といいます。内出血のときはすぐ医師へ連絡してください。意識がなく、耳や鼻からの出血は危険です。
◆出血量について
健康成人では一般に250mlでは特に障害が現われませんが、400〜500mlになると低血圧が起こり、軽度のショック状態となります。
◆止血法
A.圧迫止血法
1.適応
出血の種類にかかわらず、外出血に対する止血法の基本は圧迫止血です。圧迫止血法で十分な止血が得られればこれを持続し搬送します。止血されなければ次項に述べる止血法を用います。
2.方法
ガーゼを出血部にあてこれを強く圧迫します。頻繁にガーゼを取り替えるとせっかく形成された凝血塊がはがれて再出血する可能性があるので、しばらくの時間持続して圧迫します。それでもガーゼの間から血液がじわじわ漏れ出るときは十分な止血が得られていないと判断し、圧迫の部位や方法を変えるか、別の止血法に変更します。
3.注意点
受傷直後に動かしたり温めたりしてはいけません。 直接、血液が手に触れないように布、ビニールを使うとよいですが、開放創が大きい場合、ガーゼを創内に挿入して圧迫してはなりません。創をさらに大きくしたり、また創内の組織損傷を増大させる可能性が高いからです。このような場合にはガーゼをあて、創を引き寄せるように絆創膏または圧迫包帯を巻くのがいいでしょう。
ズボンなど衣服を無理に脱がせるよりは必要に応じて切ります。
B.動脈圧迫止血法
1.適 応
創傷面積が広いときや比較的太い動脈の出血で直接圧迫止血法では止血されにくいことがあります。このような損傷が四肢末梢にあるとき、的確に動脈(いわゆる止血点)を圧迫すれば出血量を減少させられることがあります。しかし、長時間の搬送では止血点がずれ続行しにくい欠点があります。
2.方 法
基本的には体表から脈を触知できる動脈の末梢の出血に適しています。出血しているところより心臓に近い動脈を、指などで骨に向かって押さえます。上肢の動脈性出血では、腋窩動脈を上腕の付け根の部位で手指で圧迫します。下肢の動脈性出血では、大腿動脈が鼠径部の浅いところを通過しているため、鼠径部を手や手根部で強く圧迫します。大腿の付け根に握り拳をあて、体重をかけ骨に向かって圧迫します。
3.注意点
押さえ始めたら迷わず力をかけ続けることが大切です。つい力を弱めて傷口を確かめたりすると効果はなくなります。
C.止血帯による止血
1.適 応
四肢の出血のうち、創面が広く直接圧迫で止血できないもの、四肢の比較的太い動脈からの出血、四肢切断創や挫滅創からの出血がよい適応です。また、なかなか血が止まらないとき、患部に骨折があって圧迫止血できないときなどにもちいます。
2.方 法
止血帯(どんな布でもよい)を出血部位より中枢側(心臓に近い部分)に巻き、かたく二重にまわして半結びにしたのち、スパナや棒類をとおしてねじり、縛ります。出血が止まるまで締め続け、止まったらそれ以上強くせず、目立つところに止血帯を巻いた時間を記入しておきます。搬送に長時間を要する時は、30〜60分ごとに一時的に出血するまで止血帯をゆるめ、末梢組織の血流再開を図ります。
骨折があるときは、骨折部位の上下の関節が動かないように段ボールや板などで固定します。
3.注意点
細いもので縛らないこと。細いビニール紐や針金は、神経や皮下組織を傷つけるので危険です。
1時間以上止血帯を締めていると末梢組織の壊死に陥ったり、虚血による神経障害、筋の萎縮、変性などから後遺症を残すことがあるので、基本的には30〜60分ごとに止血帯をゆるめることが重要です。皮膚が極端に紫色になったり、血の気がなくなってきたら要注意です。しかし、ショック状態で収縮期血圧が80mmHg以下の場合は、この操作で出血が起こると心停止になることがあるため、要注意です。
中途半端に止血帯を締めると静脈だけが圧迫され、かえってうっ血だけが生じ、創からの出血量が増加するので、止血帯の圧は十分にかけます。
D.ショック・パンツ(MAST:medical anti-shock trousers)
元来、ジェットパイロットが急上昇したときに、重力の影響で脳虚血をきたし失神するのを予防するために考案されたG-suitを医療用に改良した装置です。搬送中のショックをG-suitで予防できたことからMASTと呼ばれるようになりました。ショックパンツはそれぞれ独立した両下肢と下腹部を覆うチェンバより成り、各チェンバは足踏みポンプで加圧できます。現在、複数の圧ゲージ付のものと、安全弁で圧を制御する2種類ものが市販されています。いずれもチェンバの着脱はマジックベルトファスナーによります。
このショックパンツは確定的治療ではないので、救命を目的として救急搬送時や救急処置室で短時間使用されるべきで、加圧時間の限界の目安は約1時間です。適応・禁忌の状態は、図の下の表を参照してください。
E.特殊な場合の止血法
1.鼻出血
鼻出血の大部分は鼻翼の内側、キーゼルバッハの血管脆弱部からの出血です。この場合、両鼻翼を左右から強く圧迫しておくか、母指頭大に固めた綿花を詰めて圧迫しておくと止血されることが多いようです。ガーゼにアドレナリンを浸してタンポンすると、粘膜の毛細血管が収縮して止血効果は倍増します。これで止血のできない場合は、さらに奥の粘膜からの出血の可能性が高く、専門医によるベロックタンポンや直接止血などの止血法が必要になります。
2.吐 血
吐血の原因としては胃・十二指腸潰瘍からの出血や食道静脈瘤が多く、出血量が多ければ出血性ショックに陥ります。救急の現場では一般的な救急蘇生と出血性ショックに対する輸液療法が主体となり、直接止血する方法はないので一刻も早く病院へ搬送することが重要です。
ガン余命3ヶ月からの生還他ビデオ
A.血管による種類
1動脈性出血・・・鮮血が噴出し、しばしば拍動性である。
噴き出るときは大出血の心配を。
2静脈性出血・・・暗赤色でじわじわと湧き出るように出血する。
こういったときも大出血になります。
3毛細血管性出血・・・創全体からじわじわと出血し、出血点が特定できない。
にじみでるような出血は大丈夫。
4実質性出血・・・肝・膵など実質臓器からの出血を特に実質性出血という。
B.外出血と内出血
皮膚や粘膜の損傷部からからだの外に出血するものを外出血といいます。搬送中に止血処置の対象になるのはこの出血です。これに対してからだの内部に出血するものを内出血といいます。内出血のときはすぐ医師へ連絡してください。意識がなく、耳や鼻からの出血は危険です。
◆出血量について
健康成人では一般に250mlでは特に障害が現われませんが、400〜500mlになると低血圧が起こり、軽度のショック状態となります。
◆止血法
A.圧迫止血法
1.適応
出血の種類にかかわらず、外出血に対する止血法の基本は圧迫止血です。圧迫止血法で十分な止血が得られればこれを持続し搬送します。止血されなければ次項に述べる止血法を用います。
2.方法
ガーゼを出血部にあてこれを強く圧迫します。頻繁にガーゼを取り替えるとせっかく形成された凝血塊がはがれて再出血する可能性があるので、しばらくの時間持続して圧迫します。それでもガーゼの間から血液がじわじわ漏れ出るときは十分な止血が得られていないと判断し、圧迫の部位や方法を変えるか、別の止血法に変更します。
3.注意点
受傷直後に動かしたり温めたりしてはいけません。 直接、血液が手に触れないように布、ビニールを使うとよいですが、開放創が大きい場合、ガーゼを創内に挿入して圧迫してはなりません。創をさらに大きくしたり、また創内の組織損傷を増大させる可能性が高いからです。このような場合にはガーゼをあて、創を引き寄せるように絆創膏または圧迫包帯を巻くのがいいでしょう。
ズボンなど衣服を無理に脱がせるよりは必要に応じて切ります。
B.動脈圧迫止血法
1.適 応
創傷面積が広いときや比較的太い動脈の出血で直接圧迫止血法では止血されにくいことがあります。このような損傷が四肢末梢にあるとき、的確に動脈(いわゆる止血点)を圧迫すれば出血量を減少させられることがあります。しかし、長時間の搬送では止血点がずれ続行しにくい欠点があります。
2.方 法
基本的には体表から脈を触知できる動脈の末梢の出血に適しています。出血しているところより心臓に近い動脈を、指などで骨に向かって押さえます。上肢の動脈性出血では、腋窩動脈を上腕の付け根の部位で手指で圧迫します。下肢の動脈性出血では、大腿動脈が鼠径部の浅いところを通過しているため、鼠径部を手や手根部で強く圧迫します。大腿の付け根に握り拳をあて、体重をかけ骨に向かって圧迫します。
3.注意点
押さえ始めたら迷わず力をかけ続けることが大切です。つい力を弱めて傷口を確かめたりすると効果はなくなります。
C.止血帯による止血
1.適 応
四肢の出血のうち、創面が広く直接圧迫で止血できないもの、四肢の比較的太い動脈からの出血、四肢切断創や挫滅創からの出血がよい適応です。また、なかなか血が止まらないとき、患部に骨折があって圧迫止血できないときなどにもちいます。
2.方 法
止血帯(どんな布でもよい)を出血部位より中枢側(心臓に近い部分)に巻き、かたく二重にまわして半結びにしたのち、スパナや棒類をとおしてねじり、縛ります。出血が止まるまで締め続け、止まったらそれ以上強くせず、目立つところに止血帯を巻いた時間を記入しておきます。搬送に長時間を要する時は、30〜60分ごとに一時的に出血するまで止血帯をゆるめ、末梢組織の血流再開を図ります。
骨折があるときは、骨折部位の上下の関節が動かないように段ボールや板などで固定します。
3.注意点
細いもので縛らないこと。細いビニール紐や針金は、神経や皮下組織を傷つけるので危険です。
1時間以上止血帯を締めていると末梢組織の壊死に陥ったり、虚血による神経障害、筋の萎縮、変性などから後遺症を残すことがあるので、基本的には30〜60分ごとに止血帯をゆるめることが重要です。皮膚が極端に紫色になったり、血の気がなくなってきたら要注意です。しかし、ショック状態で収縮期血圧が80mmHg以下の場合は、この操作で出血が起こると心停止になることがあるため、要注意です。
中途半端に止血帯を締めると静脈だけが圧迫され、かえってうっ血だけが生じ、創からの出血量が増加するので、止血帯の圧は十分にかけます。
D.ショック・パンツ(MAST:medical anti-shock trousers)
元来、ジェットパイロットが急上昇したときに、重力の影響で脳虚血をきたし失神するのを予防するために考案されたG-suitを医療用に改良した装置です。搬送中のショックをG-suitで予防できたことからMASTと呼ばれるようになりました。ショックパンツはそれぞれ独立した両下肢と下腹部を覆うチェンバより成り、各チェンバは足踏みポンプで加圧できます。現在、複数の圧ゲージ付のものと、安全弁で圧を制御する2種類ものが市販されています。いずれもチェンバの着脱はマジックベルトファスナーによります。
このショックパンツは確定的治療ではないので、救命を目的として救急搬送時や救急処置室で短時間使用されるべきで、加圧時間の限界の目安は約1時間です。適応・禁忌の状態は、図の下の表を参照してください。
E.特殊な場合の止血法
1.鼻出血
鼻出血の大部分は鼻翼の内側、キーゼルバッハの血管脆弱部からの出血です。この場合、両鼻翼を左右から強く圧迫しておくか、母指頭大に固めた綿花を詰めて圧迫しておくと止血されることが多いようです。ガーゼにアドレナリンを浸してタンポンすると、粘膜の毛細血管が収縮して止血効果は倍増します。これで止血のできない場合は、さらに奥の粘膜からの出血の可能性が高く、専門医によるベロックタンポンや直接止血などの止血法が必要になります。
2.吐 血
吐血の原因としては胃・十二指腸潰瘍からの出血や食道静脈瘤が多く、出血量が多ければ出血性ショックに陥ります。救急の現場では一般的な救急蘇生と出血性ショックに対する輸液療法が主体となり、直接止血する方法はないので一刻も早く病院へ搬送することが重要です。
ガン余命3ヶ月からの生還他ビデオ
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