痛風・高尿酸血症を防ぐ

ここでは、 痛風・高尿酸血症を防ぐ に関する情報を紹介しています。
「風が吹いても激痛が走る」と称される痛風は、かつては中高年の男性に多いとされたが、今では女性や若い男性にもみられるようになった。目安として血清100ミリリットル当たり尿酸が7ミリグラム以上になると高尿酸血症とされ、痛風の黄信号とみなされている。痛風の予防には原料となるプリン体の少ない食品を選び、尿酸の体内での産生を抑えることが必要だ。

痛風と高尿酸血症とは   

痛風は古くから、美食やアルコール摂取との関連で「帝王病」として知られていた。明治以前には日本には痛風はほとんどないとされていたが、ここ30〜40年の間に急速に患者が増えて50万人近いといわれ、現在の有病率は人口の0,4%程度、成人男子の1,2%程度となっている。さらに無症状の高尿酸血症患者はその3倍から10倍にものぼるとされている。 

生物の細胞内の遺伝子を構成するDNAやRNAの核たんぱく質を構成する物質の一部をプリン体と呼ぶ。不要となったプリン体は体内で最終的には尿酸に変換され、体外に排せつされる。ところが、尿酸は水に溶けにくく、100ミリリットル当たり7ミリグラム近くの濃度になると結晶化する。なんらかの原因で尿酸が過剰となると高尿酸血症となる。ほとんどの人は高尿酸血症となっても、痛風は起きないが、一部の人では尿酸塩が関節に沈着し、急性関節炎が出現する。この状態が痛風である。  

高尿酸血症の原因    

痛風の発作がないからといって、高尿酸血症を放置すると腎機能障害、尿路結石など痛風以外の障害が生じる原因となるので、高尿酸血症の原因を知り、対応策を講ずることは重要である。 

先天的に尿酸の産生が著しい人や排せつがうまくいかない人がおり、尿酸が高濃度になる。このタイプにはヤセ型痛風が多く、食事療法だけでは尿酸値の低下は望めなく、薬を使うことが必要となる。 

痛風患者には肥満が多く、初診時における生活調査や嗜好調査においても、ビールが好き、肉食が好き、過剰エネルギー摂取、プロの運動選手のレベルの激しい筋肉運動、精神的ストレスなどの後天的な生活習慣因子の関与が知られている。実際、肥満度と高尿酸血症値とは相関するという報告もある。 

血中尿酸が高くなりやすい人は、食事からの総エネルギー摂取が多いことやプリン体の多い食品の摂取によって尿酸の体内合成が促進され、一方アルコールや腎障害、利尿剤などは尿酸の排せつを低下させ、高尿酸血症の原因となる。  

食事による痛風の予防    

痛風の予防は高尿酸血症を解消することにかかっている。過去においては厳格なプリン制限食を指導したが、プリン体や尿酸の代謝がよく理解されるにつれてその弊害もあり、緩やかな制限になった。

1、プリン体の制限
 
体内の尿酸は1200ミリグラムあり、細胞が壊れて出てくる核酸の異化によって750ミリグラムの尿酸が産生される。それに比べて標準的な食事からのプリン体摂取は尿酸にして300〜400ミリグラムしかなく、食事の制限よりも体内での生成を抑えるほうが大切となった。しかし、尿酸は水に溶けにくく、排せつ量がそれほど大きくないことが食事プリン体制限の理由である。 

痛風患者は肥満が多く、ビールやツマミとしての高プリン食品(表1)からの摂取が多く、やはりプリン体制限は重要である。レバーやモツ、魚の内臓は非常にプリン体が多い。イワシの制限は知っていても、シラス、目刺し、丸干し、ダシジャコも同じイワシであることは案外知られていない。内臓を除くだけでもプリン体は減少する。あるいはダシジャコを使ってダシ汁をとり、その汁を使った料理にも留意すべきであることは、しばしば忘れられる。つまり、プリン体は水に溶けるので、ダシ汁に浸出されるが、それだけでなく、ラーメン、肉汁、スープなどでも、旨味のする汁の部分にプリン体はかなり多い。

2、飲酒  

アルコールは尿酸産生を増加させ、さらに腎臓からの尿酸排せつを阻害するほか、エネルギーが高く肥満の原因にもなるために、高尿酸血症の人は飲酒を制限したい。とくにビールはプリン体が多く、エネルギーも高いので小びん1本程度に抑えるべきである。

3、 エネルギー制限  

痛風の肥満者では減量に伴い腎臓からの尿酸排せつが正常に回復することが知られている。エネルギー摂取量をある程度に抑えるが、微量栄養素やたんぱく質を必要量摂取することはどの疾患でも原則である。 

油脂は必須なリノール酸などの脂肪酸はとるべきであるが、高エネルギーであることと尿酸排せつを低下させることから注意が必要である。 

糖分は過剰の摂取は禁物であり、とくに果糖は尿酸産生を促進するので問題である。果物は果糖が多いものがあるので、注意が必要であるが、砂糖の半分は果糖であることは十分に理解しておかねばならない。最近では精製した果糖そのものの消費も増えているので、加工食品などの甘味料の糖分になにを使っているか、表示に注意したいものである。

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