▼ 血圧を下げる
血圧とは心臓が全身に送り出す血液の血管内の圧力のことで、心臓の拍出力、末梢動脈の抵抗、循環血液量の3つの因子によって高低が決まる。すなわち、心臓のポンプ力が高まる、血管の抵抗が上がる、体内を流れる血液量が増えるといったことで血圧は上昇していくのだが、血圧が高いとなぜいけないのか。
血圧が高いとなぜいけない?
日本人の死因の第1位はがんだが、2位、3位はかつてトップの座を占めていた心臓病、脳卒中と、いずれも高血圧と関係の深い病気である。
「民族によって血圧の高さには差があり、また歳とともに高くなるものなので、血圧が高くなったといって、すぐにそのこと自体を深刻に考えることはありません。問題は、高血圧のままほうっておくことです。高血圧が持続すると動脈硬化が生じ、これを通じて脳出血や脳梗塞が起こります。血液の流れの圧力が強くなると、心肥大やうっ血性心不全を起こすし、冠状動脈に影響すると心筋梗塞が起きます。また、腎臓病との関係も深く、高血圧によって腎臓病が悪化したり、逆に腎臓病が高血圧を引き起こすことがあります」
慶應義塾大学医学部の猿田享男教授は高血圧と病気の関係を語り、まず、どのくらい高いと問題なのかを知る必要があると言う。
「高血圧の診断の目安として、1978年に定められたWHOの基準(表1)がありますが、さらに重症度をみるための基準が新たに定められました(表2、表3)。表3の分類はまだ一般的に使われていませんが、将来的に主流になると考えられ、時代とともに境界域高血圧も危険視されるようになったことがわかります」
したがって、境界域だからといって安心するのでなく、境界域にさしかかったら、それ以上に血圧を上げないようにすることが重要となる。
朝日生命成人病研究所の藤井潤所長は同じく、境界領域から気をつけることは当然としながらも、高血圧について神経質になりすぎることもまた問題だと言う。
「日本では高血圧の人が3000万人もいるとされていますが、中年以降はだれしも血圧が多少は上がっていきます。危険な域の人を見落とすのはいけませんが、軽症の人まで一律に病気とみなすのはどうか。軽い高血圧で一生大過なく送る人もいるし、同じ血圧でも男女差や老若によっても状態は違うので基準はあくまで目安として、医師は集団として管理する治療ではなく一人ひとりをみて、必要にして最小限の治療でスタートしなければと考えています」
高血圧のなかには、白衣性高血圧といって、家で測ると正常だが、医師や看護婦に測ってもらうと血圧が高くなってしまう場合がある。これは緊張のために高くなるもので、薬で治療する必要はない。血圧は変動しやすいので、何回か測定して診断してもらうことが大切だ。また、さほど危険な状態でもないのに、とにかく塩分はダメだからと極端にとらないでいると、最低限必要なナトリウムさえもとれず、疲れやすくなったり気力がなくなって、毎日の生活に支障をきたすので要注意だ。
このような弊害が起こらないように日ごろから定期的に自分の血圧を測る習慣をつけ、勤め先や地域の検診は必ず受けるようにして、自分の血圧の状態、からだの状態を知っておく必要があるだろう。
血圧が高くなりやすい人とは?
高血圧には原因のわからない本態性高血圧と、二次性高血圧といって、腎臓や内分泌系、血管、心臓、中枢神経系の病気、あるいは薬剤の副作用などが原因とされるものとがあり、60歳代の高血圧の例でみると前者は90%以上をも占めている。
本態性高血圧は、原因がわからないとはいえ、最近の研究では、脳神経系、腎臓、心臓・血管、内分泌系の異常がいくつも重なって起きているのではないかと考えられ、猿田教授は、「遺伝因子とのかかわりが50%、環境因子とのかかわりが50%で、脳神経系や腎臓の細胞レベルの異常が遺伝的につくられて高血圧を引き起こしているのではないか。それに生活環境における塩分の多い食事、飲酒、ストレス、運動不足といった環境因子が加わって高血圧を引き起こしているのではないかと考えられている」と言う。
両親ともに本態性高血圧の場合は子供の50%が、片親だけの場合は25%が高血圧になるというデータがこのことを裏づけている。藤井所長は血圧が高くなりなすい人の傾向として、「大量の飲酒、塩分のとり過ぎ、運動不足の3つがある」とし、心臓や脳の病気になりやすいという点では、「血圧が高く、両親や兄弟が40代、50代で心臓や脳の病気で亡くなっている人、コレステロールが多い人、タバコを多く吸う人は要注意です」と指摘する。
治癒可能高血圧
二次性高血圧は、近年特に問題視されている35歳以下の若年性高血圧に多いが、発見が遅れがちなので最近は小学校、中学校でも血圧測定が行われるようになった。二次性高血圧は、原因疾患を治療することで治療可能なので、その意味でも早期発見、早期治療が大切だ。
東京女子医科大の出村博教授によると、全体の10%を占める二次性高血圧の半分は慢性腎炎などの腎臓病によるものだが、あとの半分は明らかなホルモンの分泌過剰によるものという。
「このホルモンの異常による高血圧は適切な治療を施すと完全に治ってしまうので、治癒可能高血圧と呼ばれています。高血圧の検査には尿タンパクや血糖、心臓の大きさ、血中のナトリウムやカリウム値、コレステロールや中性脂肪などを調べる一般検査や、眼科検査で高血圧の程度、病因を調べる検査がありますが、さらに大事なのは、二次性高血圧の大部分を占める腎血管性高血圧症の原因となる、レニンというホルモンの血中値を調べることです」
「次に多いのは副腎皮質にアルドステロンという、昇圧ホルモンをつくるおできができる原発性アルドステロン症によるものですが、そのほか数は少ないものの、クッシング症候群を起こすコルチゾールや、褐色細胞腫の原因となるカテコールアミンといったホルモンの分泌過剰も高血圧の原因になります」
二次性高血圧のみならず本態性高血圧のなかにも、ホルモンが原因のものが紛れ込んでいる場合もあるとのこと、治癒可能なのだから決して見落としたくないものである。
血圧を下げるには
高血圧症の治療は、「血圧を下げる」ことに尽きる。その方法として猿田教授は、基本は非薬物療法で行うことを強調する。
「規則正しい生活を送り、睡眠は7時間ほどとること。食事療法として塩分はとり過ぎず、1日6〜8グラムを目安に。ただし、急な減塩はからだに変調をきたすので、医師の指導のもとで行うこと。酢やコショウを上手に使うとよい。肥満にならないよう標準体重のプラス10%までを目標に脂質と量を調整。アルコールは1日ビール1本、酒なら1合まで。タバコはやめる。からだの血行動態をよくし、血圧に関するホルモンを調節するため運動をする。脈拍数が110〜120になる運動を1日30分、毎日が無理なら1日おきに1時間やるのでもいいでしょう。歩くだけでも十分な運動になります」
これだけで血圧は下げられるのだが、それでも下がらなければ医師の指導の下に、降圧剤を服用する。いまは1日1回の服用でもいい薬があるので飲み忘れることはなさそうだ。
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血圧が高いとなぜいけない?
日本人の死因の第1位はがんだが、2位、3位はかつてトップの座を占めていた心臓病、脳卒中と、いずれも高血圧と関係の深い病気である。
「民族によって血圧の高さには差があり、また歳とともに高くなるものなので、血圧が高くなったといって、すぐにそのこと自体を深刻に考えることはありません。問題は、高血圧のままほうっておくことです。高血圧が持続すると動脈硬化が生じ、これを通じて脳出血や脳梗塞が起こります。血液の流れの圧力が強くなると、心肥大やうっ血性心不全を起こすし、冠状動脈に影響すると心筋梗塞が起きます。また、腎臓病との関係も深く、高血圧によって腎臓病が悪化したり、逆に腎臓病が高血圧を引き起こすことがあります」
慶應義塾大学医学部の猿田享男教授は高血圧と病気の関係を語り、まず、どのくらい高いと問題なのかを知る必要があると言う。
「高血圧の診断の目安として、1978年に定められたWHOの基準(表1)がありますが、さらに重症度をみるための基準が新たに定められました(表2、表3)。表3の分類はまだ一般的に使われていませんが、将来的に主流になると考えられ、時代とともに境界域高血圧も危険視されるようになったことがわかります」
したがって、境界域だからといって安心するのでなく、境界域にさしかかったら、それ以上に血圧を上げないようにすることが重要となる。
朝日生命成人病研究所の藤井潤所長は同じく、境界領域から気をつけることは当然としながらも、高血圧について神経質になりすぎることもまた問題だと言う。
「日本では高血圧の人が3000万人もいるとされていますが、中年以降はだれしも血圧が多少は上がっていきます。危険な域の人を見落とすのはいけませんが、軽症の人まで一律に病気とみなすのはどうか。軽い高血圧で一生大過なく送る人もいるし、同じ血圧でも男女差や老若によっても状態は違うので基準はあくまで目安として、医師は集団として管理する治療ではなく一人ひとりをみて、必要にして最小限の治療でスタートしなければと考えています」
高血圧のなかには、白衣性高血圧といって、家で測ると正常だが、医師や看護婦に測ってもらうと血圧が高くなってしまう場合がある。これは緊張のために高くなるもので、薬で治療する必要はない。血圧は変動しやすいので、何回か測定して診断してもらうことが大切だ。また、さほど危険な状態でもないのに、とにかく塩分はダメだからと極端にとらないでいると、最低限必要なナトリウムさえもとれず、疲れやすくなったり気力がなくなって、毎日の生活に支障をきたすので要注意だ。
このような弊害が起こらないように日ごろから定期的に自分の血圧を測る習慣をつけ、勤め先や地域の検診は必ず受けるようにして、自分の血圧の状態、からだの状態を知っておく必要があるだろう。
血圧が高くなりやすい人とは?
高血圧には原因のわからない本態性高血圧と、二次性高血圧といって、腎臓や内分泌系、血管、心臓、中枢神経系の病気、あるいは薬剤の副作用などが原因とされるものとがあり、60歳代の高血圧の例でみると前者は90%以上をも占めている。
本態性高血圧は、原因がわからないとはいえ、最近の研究では、脳神経系、腎臓、心臓・血管、内分泌系の異常がいくつも重なって起きているのではないかと考えられ、猿田教授は、「遺伝因子とのかかわりが50%、環境因子とのかかわりが50%で、脳神経系や腎臓の細胞レベルの異常が遺伝的につくられて高血圧を引き起こしているのではないか。それに生活環境における塩分の多い食事、飲酒、ストレス、運動不足といった環境因子が加わって高血圧を引き起こしているのではないかと考えられている」と言う。
両親ともに本態性高血圧の場合は子供の50%が、片親だけの場合は25%が高血圧になるというデータがこのことを裏づけている。藤井所長は血圧が高くなりなすい人の傾向として、「大量の飲酒、塩分のとり過ぎ、運動不足の3つがある」とし、心臓や脳の病気になりやすいという点では、「血圧が高く、両親や兄弟が40代、50代で心臓や脳の病気で亡くなっている人、コレステロールが多い人、タバコを多く吸う人は要注意です」と指摘する。
治癒可能高血圧
二次性高血圧は、近年特に問題視されている35歳以下の若年性高血圧に多いが、発見が遅れがちなので最近は小学校、中学校でも血圧測定が行われるようになった。二次性高血圧は、原因疾患を治療することで治療可能なので、その意味でも早期発見、早期治療が大切だ。
東京女子医科大の出村博教授によると、全体の10%を占める二次性高血圧の半分は慢性腎炎などの腎臓病によるものだが、あとの半分は明らかなホルモンの分泌過剰によるものという。
「このホルモンの異常による高血圧は適切な治療を施すと完全に治ってしまうので、治癒可能高血圧と呼ばれています。高血圧の検査には尿タンパクや血糖、心臓の大きさ、血中のナトリウムやカリウム値、コレステロールや中性脂肪などを調べる一般検査や、眼科検査で高血圧の程度、病因を調べる検査がありますが、さらに大事なのは、二次性高血圧の大部分を占める腎血管性高血圧症の原因となる、レニンというホルモンの血中値を調べることです」
「次に多いのは副腎皮質にアルドステロンという、昇圧ホルモンをつくるおできができる原発性アルドステロン症によるものですが、そのほか数は少ないものの、クッシング症候群を起こすコルチゾールや、褐色細胞腫の原因となるカテコールアミンといったホルモンの分泌過剰も高血圧の原因になります」
二次性高血圧のみならず本態性高血圧のなかにも、ホルモンが原因のものが紛れ込んでいる場合もあるとのこと、治癒可能なのだから決して見落としたくないものである。
血圧を下げるには
高血圧症の治療は、「血圧を下げる」ことに尽きる。その方法として猿田教授は、基本は非薬物療法で行うことを強調する。
「規則正しい生活を送り、睡眠は7時間ほどとること。食事療法として塩分はとり過ぎず、1日6〜8グラムを目安に。ただし、急な減塩はからだに変調をきたすので、医師の指導のもとで行うこと。酢やコショウを上手に使うとよい。肥満にならないよう標準体重のプラス10%までを目標に脂質と量を調整。アルコールは1日ビール1本、酒なら1合まで。タバコはやめる。からだの血行動態をよくし、血圧に関するホルモンを調節するため運動をする。脈拍数が110〜120になる運動を1日30分、毎日が無理なら1日おきに1時間やるのでもいいでしょう。歩くだけでも十分な運動になります」
これだけで血圧は下げられるのだが、それでも下がらなければ医師の指導の下に、降圧剤を服用する。いまは1日1回の服用でもいい薬があるので飲み忘れることはなさそうだ。
ダイエット・美容・健康の情報
プロテインのことならココ
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二次性高血圧 をサーチエンジンで検索し情報を集めてみると…
2008/05/23(金) 23:59:48 | おまとめブログサーチ


