健康でいきいきとした毎日を送りたい。
これは、皆さん誰もが願うことです。
しかし、現代社会では都市化、工業化などによって大気汚染が進み、ストレスも多く、不規則な生活を送りがちとなり、健康を維持していくことが難しくなっています。
ですから私たちは日頃から、バランスのとれた食事を基本にするとともに、健康を守る働きのある栄養素の一つでもあるビタミンも十分にとる必要があります。
ビタミンには、生きていくために必要な栄養素としての働き(生理作用)のほかに、病気を予防する働きがあります。
ビタミンにはたくさんの種類があって、それぞれがいろいろな働きをしていますが、その中でも最近注目されているのが抗酸化作用をもったビタミンです。
抗酸化ビタミンの主なものには、ビタミンC、ビタミンE、β−カロテンがありますが、これらのビタミンが、がんや成人病を予防したり、老化を遅らせる働きもあることがわかってきたのです。
ここでは、この抗酸化ビタミンについてみていくことにしましょう。
「みなさん、こんにちは。私はビタミン博士です。
少しむつかしいのですが、いま話題の抗酸化ビタミンとは一体どんなビタミンなのかということについて、お話しましょう。」
「抗酸化ビタミンとは読んで字のごとく、酸化を防ぐビタミンです。」
「では、酸化するということはどんなことなのでしょう。
例えば、皮をむいたりんごが茶色く変色したり、油が古くなって変質したり、また包丁が錆びたりしますね。
これらはすべて酸化が原因で起こるのです。
これと同じことが人間のからだの中でも起こっているのです。」
「人間は酸素をとり入れて生きているため、酸素はかかせないものですが、体内にとり込まれた酸素のうち約2%が不安定な形で漂っています。
これを活性酸素といいます。
この活性酸素が安定した形になろうと暴れまわり、フリーラジカルと呼ばれる物質を作りだし、それが細胞に障害を起こさせる引き金になっています。」
「活性酸素やフリーラジカルは、大気汚染、放射線、紫外線、化学薬品、たばこ、農薬などによって促進されます。」
「また、激しい運動ストレスなども、活性酸素やフリーラジカルの生成を促進します。」
「この活性酸素やフリーラジカルが、私たちのからだを構成する細胞を攻撃して壊してしまい、はじめは一つだったフリーラジカルは細胞を攻撃する度に過酸化脂質がどんどん増えていき、次から次へと細胞を壊していって、さらに過酸化脂質を増やしていっているのです。」
「細胞が壊され続け、過酸化脂質が増えると、やがてがんや成人病へとつながっていきます。
また、老化を早める原因になるともいわれています。」
「しかし普段は、私たちのからだに備わっている防御機能が働いて、酸化を抑えています。
それが、抗酸化酵素と抗酸化ビタミンなのです。」
「抗酸化酵素は必要に応じてからだの中で作られ、活性酸素やフリーラジカルの作用を消してくれます。」
「ところが、環境の悪化やストレスの増大等でからだがダメージを受けると、活性酸素やフリーラジカルがどんどん増え、抗酸化酵素の生成が間に合わなくなって、対応しきれなくなってきます。」
「そこで、抗酸化ビタミンの存在が重要になってくるのです。
抗酸化ビタミンは細胞を壊そうとしている活性酸素やフリーラジカルを取り除いてくれたり、守ってくれる、頼もしいビタミンなのです。」
「ですから、日頃から抗酸化ビタミンを十分とっていれば、がんや成人病を予防し、老化を遅らせることができるのです。」
「では次に、抗酸化ビタミンであるビタミンCとビタミンEとβ−カロテン、それぞれの特徴についてお話しましょう。」
「ビタミンCは水に溶けやすいビタミンで、からだの中では水溶液の部分に含まれています。」
「私たちのからだの六割位が水分ですが、そこにフリーラジカルが発生した場合、溶けているビタミンCはそれらをやっつけて増えないようにしてくれるのです。」
「ビタミンCには抗酸化作用以外の働きとして、細胞と細胞をつないでいるコラーゲンの生成を助けたり、鉄の吸収をよくしたり、免疫機能を正常に保つ働きをしたり、発がん物質であるニトロソアミンの形成を防いだりといった働きがあります。」
「ビタミンEは油に溶けるビタミンです。
脂質からでいている細胞膜や血液の中にあるコレステロールを運ぶ物質(リポたんぱく)などに多く含まれています。」
「ビタミンEはフリーラジカルをやっつける力が強い、強力な抗酸化ビタミンです。
脂肪酸などはとても酸化されやすく、一度酸化されると過酸化脂質となってからだに悪影響を及ぼすので、このビタミンEの働きは重要です。かつて、動脈硬化の原因といわれた悪玉コレステロールも、最近の研究では、コレステロールが酸化されて悪玉に変わることがわかってきました。」
「ビタミンEには抗酸化作用以外の働きとして、抹梢血管を拡張し血液の循環をよくしたり、発がん物質であるニトロソアミンの形成を防いだり、妊娠・出産に関わる働きをもっています。」
「β−カロテンは、緑黄色野菜や果物等に含まれいる色素の一つです。
このβ−カロテンがからだの中でビタミンAになるわけですが、からだの中に入ったβ−カロテンすべてがビタミンAになるわけではなく、必要に応じてビタミンAに変わりますが、一部はβ−カロテンのままで、いろいろな働きをしていることがわかってきました。」
「その一つが酸化防止剤としての働きなのです。
β−カロテンも油に溶けやすい性質を持っているので、ビタミンE同様、細胞膜やリポたんぱく質の中に多く含まれ、活性酸素やフリーラジカルの攻撃を防いでいます。」
「そのほかβ−カロテンは、前がん細胞を増殖することを抑えて、がんに進行していくのを妨げる働きがあるといわれています。」
「これらの3つのビタミンの抗酸化作用とは働きの少し違うものにビタミンB2があります。
ビタミンB2は、水に溶けやすいビタミンの一つです。」
「ビタミンB2は動脈硬化の元凶とされる過酸化脂質(いわゆる細胞の酸化)を分解するのを助けます。ビタミンB2には、コレステロールの低下や血液の固まりやすさを正常に保つ働きもあるといわれています。
動脈硬化が気になるときは、ビタミンB2を意識してとりましょう。」
「ビタミンB2のその他の働きとしては、成長を促進するのに必要なビタミンです。
また、皮膚や目、鼻、口などの粘膜を健康に保つために必要な栄養素でもあります。」
「いかがでしたか。抗酸化ビタミンは私たちにとってとても大切なビタミンであることが、おわかりいただけたでしょうか。ただ、抗酸化ビタミンも体の防御機構の一つです。ですから、抗酸化ビタミンだけをとっていれば良いというわけではないことを強調しておきましょう。」
ビタミン博士のお話は、これで終わります。
次は、抗酸化ビタミンの上手なとり方について説明しましょう。
ビタミンCを多く含む食品は、果物、野菜、いも類、お茶などです。
ビタミンCは水に溶けやすく、その上熱に弱く、空気やアルカリ、酵素によっても壊されてしまうので、調理法に十分注意が必要です。
青菜をゆでるときなどは、多めの熱湯に入れ、さっとゆで上げ、水にさらす時間も短くします。
ビタミンCは空気に触れると酸化して効力がなくなるので、切ったり、おろしたりするには食べる直前にします。
そして、野菜ジュースやおろしなど、生のままのときは、レモン汁や酢を加えて酸化を抑えるのがコツです。ちょっと手をかけましょう。
ビタミンEを多く含む食品は、植物油、ナッツ類、魚などに多く含まれています。
脂溶性なので、油と組み合わせてとると吸収率がよくなります。
また、植物油はそのもの自体、ビタミンEをたっぷり含んでいるので、効果は大きいといえます。
いま、干物や油を使った加工食品にはビタミンEが添加され、私たちの食卓にのぼるまでにも酸化を防止しています。
ビタミンEが効率的にとれる調理法はいろいろありますが、揚げ物、サラダのドレッシング、パンにマーガリンをつけるなど、目先を変えて
とることができます。
しかし、油は古いものだと過酸化脂質を生成し、逆効果となります。
油は新しいものを使いましょう。
紫外線にもよわいので、保存するときは冷暗所に、使用した油はその都度、ていねいに漉しておきましょう。
β−カロテンを多く含む食品は、緑黄色野菜や果物などです。
β−カロテンは脂溶性で熱に強いため、油と一緒にとると吸収もよくなります。
ビタミンEを多く含む植物油を使うと、β−カロテンの酸化を防いでもくれます。
脂肪分を控えたいときは、小松菜、ほうれん草をごま合えにしたり、サラダにドレッシングをかけたりするとよいでしょう。
ビタミンB2を多く含む食品は、牛乳・乳製品、納豆、卵、ナッツ類、胚芽、レバーなどです。
ビタミンB2は、たんぱく質と一緒にとると効率よく体内で利用されます。
抗酸化ビタミンは、とても大切なビタミンです。
ビタミンCやビタミンE、β−カロテン、ビタミンB2が抗酸化ビタミンとして働くためには、これらの食品を十分とる必要があるといわれています。
しかし、これらのビタミンが十分効果を出すにも、毎日のバランスのとれた食生活が基本になることを忘れてはなりません。
毎日の食事をよく考えた上に、抗酸化ビタミンを十分にとるように心がけましょう。
そして、いつまでも健康でいきいきした毎日を送りたいものです。
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これは、皆さん誰もが願うことです。
しかし、現代社会では都市化、工業化などによって大気汚染が進み、ストレスも多く、不規則な生活を送りがちとなり、健康を維持していくことが難しくなっています。
ですから私たちは日頃から、バランスのとれた食事を基本にするとともに、健康を守る働きのある栄養素の一つでもあるビタミンも十分にとる必要があります。
ビタミンには、生きていくために必要な栄養素としての働き(生理作用)のほかに、病気を予防する働きがあります。
ビタミンにはたくさんの種類があって、それぞれがいろいろな働きをしていますが、その中でも最近注目されているのが抗酸化作用をもったビタミンです。
抗酸化ビタミンの主なものには、ビタミンC、ビタミンE、β−カロテンがありますが、これらのビタミンが、がんや成人病を予防したり、老化を遅らせる働きもあることがわかってきたのです。
ここでは、この抗酸化ビタミンについてみていくことにしましょう。
「みなさん、こんにちは。私はビタミン博士です。
少しむつかしいのですが、いま話題の抗酸化ビタミンとは一体どんなビタミンなのかということについて、お話しましょう。」
「抗酸化ビタミンとは読んで字のごとく、酸化を防ぐビタミンです。」
「では、酸化するということはどんなことなのでしょう。
例えば、皮をむいたりんごが茶色く変色したり、油が古くなって変質したり、また包丁が錆びたりしますね。
これらはすべて酸化が原因で起こるのです。
これと同じことが人間のからだの中でも起こっているのです。」
「人間は酸素をとり入れて生きているため、酸素はかかせないものですが、体内にとり込まれた酸素のうち約2%が不安定な形で漂っています。
これを活性酸素といいます。
この活性酸素が安定した形になろうと暴れまわり、フリーラジカルと呼ばれる物質を作りだし、それが細胞に障害を起こさせる引き金になっています。」
「活性酸素やフリーラジカルは、大気汚染、放射線、紫外線、化学薬品、たばこ、農薬などによって促進されます。」
「また、激しい運動ストレスなども、活性酸素やフリーラジカルの生成を促進します。」
「この活性酸素やフリーラジカルが、私たちのからだを構成する細胞を攻撃して壊してしまい、はじめは一つだったフリーラジカルは細胞を攻撃する度に過酸化脂質がどんどん増えていき、次から次へと細胞を壊していって、さらに過酸化脂質を増やしていっているのです。」
「細胞が壊され続け、過酸化脂質が増えると、やがてがんや成人病へとつながっていきます。
また、老化を早める原因になるともいわれています。」
「しかし普段は、私たちのからだに備わっている防御機能が働いて、酸化を抑えています。
それが、抗酸化酵素と抗酸化ビタミンなのです。」
「抗酸化酵素は必要に応じてからだの中で作られ、活性酸素やフリーラジカルの作用を消してくれます。」
「ところが、環境の悪化やストレスの増大等でからだがダメージを受けると、活性酸素やフリーラジカルがどんどん増え、抗酸化酵素の生成が間に合わなくなって、対応しきれなくなってきます。」
「そこで、抗酸化ビタミンの存在が重要になってくるのです。
抗酸化ビタミンは細胞を壊そうとしている活性酸素やフリーラジカルを取り除いてくれたり、守ってくれる、頼もしいビタミンなのです。」
「ですから、日頃から抗酸化ビタミンを十分とっていれば、がんや成人病を予防し、老化を遅らせることができるのです。」
「では次に、抗酸化ビタミンであるビタミンCとビタミンEとβ−カロテン、それぞれの特徴についてお話しましょう。」
「ビタミンCは水に溶けやすいビタミンで、からだの中では水溶液の部分に含まれています。」
「私たちのからだの六割位が水分ですが、そこにフリーラジカルが発生した場合、溶けているビタミンCはそれらをやっつけて増えないようにしてくれるのです。」
「ビタミンCには抗酸化作用以外の働きとして、細胞と細胞をつないでいるコラーゲンの生成を助けたり、鉄の吸収をよくしたり、免疫機能を正常に保つ働きをしたり、発がん物質であるニトロソアミンの形成を防いだりといった働きがあります。」
「ビタミンEは油に溶けるビタミンです。
脂質からでいている細胞膜や血液の中にあるコレステロールを運ぶ物質(リポたんぱく)などに多く含まれています。」
「ビタミンEはフリーラジカルをやっつける力が強い、強力な抗酸化ビタミンです。
脂肪酸などはとても酸化されやすく、一度酸化されると過酸化脂質となってからだに悪影響を及ぼすので、このビタミンEの働きは重要です。かつて、動脈硬化の原因といわれた悪玉コレステロールも、最近の研究では、コレステロールが酸化されて悪玉に変わることがわかってきました。」
「ビタミンEには抗酸化作用以外の働きとして、抹梢血管を拡張し血液の循環をよくしたり、発がん物質であるニトロソアミンの形成を防いだり、妊娠・出産に関わる働きをもっています。」
「β−カロテンは、緑黄色野菜や果物等に含まれいる色素の一つです。
このβ−カロテンがからだの中でビタミンAになるわけですが、からだの中に入ったβ−カロテンすべてがビタミンAになるわけではなく、必要に応じてビタミンAに変わりますが、一部はβ−カロテンのままで、いろいろな働きをしていることがわかってきました。」
「その一つが酸化防止剤としての働きなのです。
β−カロテンも油に溶けやすい性質を持っているので、ビタミンE同様、細胞膜やリポたんぱく質の中に多く含まれ、活性酸素やフリーラジカルの攻撃を防いでいます。」
「そのほかβ−カロテンは、前がん細胞を増殖することを抑えて、がんに進行していくのを妨げる働きがあるといわれています。」
「これらの3つのビタミンの抗酸化作用とは働きの少し違うものにビタミンB2があります。
ビタミンB2は、水に溶けやすいビタミンの一つです。」
「ビタミンB2は動脈硬化の元凶とされる過酸化脂質(いわゆる細胞の酸化)を分解するのを助けます。ビタミンB2には、コレステロールの低下や血液の固まりやすさを正常に保つ働きもあるといわれています。
動脈硬化が気になるときは、ビタミンB2を意識してとりましょう。」
「ビタミンB2のその他の働きとしては、成長を促進するのに必要なビタミンです。
また、皮膚や目、鼻、口などの粘膜を健康に保つために必要な栄養素でもあります。」
「いかがでしたか。抗酸化ビタミンは私たちにとってとても大切なビタミンであることが、おわかりいただけたでしょうか。ただ、抗酸化ビタミンも体の防御機構の一つです。ですから、抗酸化ビタミンだけをとっていれば良いというわけではないことを強調しておきましょう。」
ビタミン博士のお話は、これで終わります。
次は、抗酸化ビタミンの上手なとり方について説明しましょう。
ビタミンCを多く含む食品は、果物、野菜、いも類、お茶などです。
ビタミンCは水に溶けやすく、その上熱に弱く、空気やアルカリ、酵素によっても壊されてしまうので、調理法に十分注意が必要です。
青菜をゆでるときなどは、多めの熱湯に入れ、さっとゆで上げ、水にさらす時間も短くします。
ビタミンCは空気に触れると酸化して効力がなくなるので、切ったり、おろしたりするには食べる直前にします。
そして、野菜ジュースやおろしなど、生のままのときは、レモン汁や酢を加えて酸化を抑えるのがコツです。ちょっと手をかけましょう。
ビタミンEを多く含む食品は、植物油、ナッツ類、魚などに多く含まれています。
脂溶性なので、油と組み合わせてとると吸収率がよくなります。
また、植物油はそのもの自体、ビタミンEをたっぷり含んでいるので、効果は大きいといえます。
いま、干物や油を使った加工食品にはビタミンEが添加され、私たちの食卓にのぼるまでにも酸化を防止しています。
ビタミンEが効率的にとれる調理法はいろいろありますが、揚げ物、サラダのドレッシング、パンにマーガリンをつけるなど、目先を変えて
とることができます。
しかし、油は古いものだと過酸化脂質を生成し、逆効果となります。
油は新しいものを使いましょう。
紫外線にもよわいので、保存するときは冷暗所に、使用した油はその都度、ていねいに漉しておきましょう。
β−カロテンを多く含む食品は、緑黄色野菜や果物などです。
β−カロテンは脂溶性で熱に強いため、油と一緒にとると吸収もよくなります。
ビタミンEを多く含む植物油を使うと、β−カロテンの酸化を防いでもくれます。
脂肪分を控えたいときは、小松菜、ほうれん草をごま合えにしたり、サラダにドレッシングをかけたりするとよいでしょう。
ビタミンB2を多く含む食品は、牛乳・乳製品、納豆、卵、ナッツ類、胚芽、レバーなどです。
ビタミンB2は、たんぱく質と一緒にとると効率よく体内で利用されます。
抗酸化ビタミンは、とても大切なビタミンです。
ビタミンCやビタミンE、β−カロテン、ビタミンB2が抗酸化ビタミンとして働くためには、これらの食品を十分とる必要があるといわれています。
しかし、これらのビタミンが十分効果を出すにも、毎日のバランスのとれた食生活が基本になることを忘れてはなりません。
毎日の食事をよく考えた上に、抗酸化ビタミンを十分にとるように心がけましょう。
そして、いつまでも健康でいきいきした毎日を送りたいものです。
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