Q1 食生活の欧米化が進んだ結果、日本人は脂肪をとり過ぎているといわれています。その中で、植物油や魚油は「健康志向の脂肪」だという話を聞きます。本当なのでしょうか。
A 油脂(食品に含まれる脂肪)をめぐってよく話題に上るリノール酸などの脂肪酸は、不飽和脂肪酸中の必須脂肪酸ですから、必ず毎日の食事から一定量とっていただく必要があるものです。しかし一方で、「健康に良いリノール酸がたっぷり」とか「魚を食べると頭が良くなる」といった“油”に関するいろいろな情報がはんらんしています。互いに矛盾するような情報も少なくなく、果たして健康のために特定の食品をとってよいものかどうか、混乱もみられるようです。
また逆に「リノール酸のとり過ぎ」の害もいわれ始めています。リノール酸をとり過ぎると、動脈硬化を促進したり、各種のがんを誘発しやすい、という類です。
現在のところこれらの脂肪酸については、その働きや生理的効果についてのたくさんの研究があり、説もさまざまといった段階です。
Q2 脂肪酸といえば、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸という名前をよく聞きます。どういう違いがあるのでしょうか。
A 脂肪酸は「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」に区別されます。脂肪酸は炭素原子が鎖のように連なってできています。そして例えていえば炭素原子は4本の手を持っていて、そのうち2本の手が水素原子と、あとの2本の手がほかの炭素の手とつなぎ合って鎖状になっています。そして水素原子と炭素原子がすべてそのようにして結び付いているものを飽和脂肪酸といいます。一方炭素原子の1本の手が水素原子を離し、その手で炭素同士が互いに2本の手でつなぎ合った部分(2重結合)を持つものを不飽和脂肪酸といいます。この2重結合が1個のものを一価不飽和脂肪酸、2個以上のものを多価不飽和脂肪酸といい、多価不飽和脂肪酸はさらに、2重結合の位置によってn−3系、n−6系などに分類されます。
もう1つの分類法があります。その脂肪酸の持つ物理的性質による分類です。
例えば、飽和脂肪酸は常温で固体になります。しかし、一価不飽和脂肪酸(炭素原子間の2重結合が1個しかない不飽和脂肪酸)は常温で液体、冷蔵庫内では固体になります。多価不飽和脂肪酸(炭素原子間の2重結合が2個以上ある不飽和脂肪酸)は常温でも冷蔵庫内でも液状です。
Q3 ところで、必須脂肪酸というのは何でしょうか。
A 人間はほとんどの必要な脂肪酸を体内で合成することができます。ところが、多価不飽和脂肪酸のうちの「リノール酸」「α−リノレン酸」「アラキドン酸」の3種は合成できません。
しかも、これらは人体の成長や健康を保つために欠かせないものです。このため必須脂肪酸と呼ばれるのです。
必須脂肪酸の中でも人体にとって重要なのは先ほどふれた「n−3系」や「n−6系」といわれる脂肪酸です。n−3系にはα−リノレン酸(根菜類、一部の植物油)が、n−6系は主としてリノール酸(植物油)が含まれています。
Q4 n−3系とn−6系の脂肪酸は、どんな働きをするのですか。
A 最近の報告によると、n−3系脂肪酸には、血清脂質(コレステロールパターン)の改善、血栓防止、血圧低下などの効果が知られています。
また、ラットを使った実験(人間に対する効果は証明されていない)などから、n−6系に比べ、記憶学習能力や網膜機能(視力に関係する光応答能など)を保つ働きがあるという説もあります。
一方、n−6系については、ラットの実験で欠乏により成長が妨げられたり皮膚が乾燥するなどの報告があります。人間についても欠乏すれば、同じく皮膚の異常や組織再生力減退、病気に感染しやすくなるなどの悪影響が生ずるといわれています。
Q5 脂肪や必須脂肪酸を上手にとるには、どんなことに気をつけたらよいのでしょうか。
A “脂肪”は極めて重要な栄養素です。全くとらなくても困りますが、とり過ぎてもまた困るのです。
脂肪は動物性・植物性の2つに大別できます。これらをどのくらいの割合でどうとるかがまず第2のポイントです。
現在、動物性脂肪(魚油を除く)1に対し、植物性脂肪(魚油を含む)は1〜2の比率がよいとされています。
また、国民栄養調査の結果からみたP/S比(多価不飽和脂肪酸と飽和脂肪酸の割合)も全国平均でほぼ1.0でした。このあたりが一応の目安といえましょう。もっとも大切なのは、ある特定の脂肪にばかり偏らないことです。例えば紅花油がよいといってそればかり集中的に摂取するようなことは感心できません。
1種類の脂肪を過剰に摂取するのでなく、多種類の脂肪を全量としてほどよくとることが大切です。
もう1つは、たんぱく質や糖質など、ほかの栄養素とのバランスです。
脂肪にのみ関心を向けるのでなく、ほかの栄養素とも均衡がとれるように食生活を工夫しましょう。
ところで、n−3系とn−6系の摂取比率については、「5以下が自然」とか「脳や網膜機能のためには4〜10が必要」(いずれもn−3系に対するn−6系比)とかいろいろなことがいわれています。
また、同じn−3系のなかでも、α−リノレン酸、EPA(イコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)の効果には、それぞれいくらかの差異がありますので、その意味でも、多数の食品からのバランスのよいとり方が重要になります。
ときどき、血栓症や動脈硬化の予防になるといって、n−3系脂肪酸を多く含む魚油を大量にとろうという考え方がみられます。
しかし、1つの食品成分のみに偏り過ぎるのも問題で、やはり適量というものがあります。n−3系脂肪酸をとり過ぎると、出血傾向、肝臓障害、心筋障害、動脈硬化促進などを起こしてしまう恐れがあります。
一方、n−6系脂肪酸の多量摂取は、免疫力低下、細胞の老化促進、がんの増悪などの恐れが指摘されています。
こうした障害を起こさないために、魚油摂取や植物油といっても偏ることなくほどよい摂取が望まれます。
Q6 必須脂肪酸を多く含む食品にはどんなものがあるのでしょうか。
A 人体にとって油脂が必要であることは明確です。ただ大切なのは必要量をバランスよく摂取することです。
適量と思われる量を“食物”としてとり入れるのが理想的です。
●リノール酸系脂肪酸を多く含む食品
紅花油、ひまわり油、綿実油、コーン油、ごま油などの各種植物系油を中心とする食品です。
手軽で健康的な食品というイメージがありますが、すべての調理をこれらの食品で、というのは考えものです。ほかの脂肪酸を含む食品との組み合わせが望まれます。
●α−リノレン酸を多く含む食品
しそ(えごま)油にとりわけ多く含まれています。次いで、ほかの調理油やくるみ、マヨネーズにも含まれています。
●EPA、DHAを含む食品
EPA、DHAは、α−リノレン酸とともn−3系の多価不飽和脂肪酸です。EPAとDHAは1970年代に、グリーンランドで生活する人々の調査により注目されました。彼らが高脂肪食をとっているにもかかわらず、動脈硬化や血栓性疾患が少なかったからです。このとき彼らの血中に魚油由来と思われるEPA、DHAが高値で認められ、摂取脂肪の“質”の重要性が明らかになりました。
EPA、DHAは魚類、中でも一般に油の多いサバ、イワシ、ブリ、マグロなどに多く含まれています。また、季節による変動や、エサによる差異もかなり大きいといわれています。
Q7 多価不飽和脂肪酸を含む食品と健康上の問題点についてうかがいます。
A 植物油(食用油)などの多価不飽和脂肪酸を含む食品には、思いがけない弱点があります。酸化されやすいため変性(酸敗 さんぱい )しやすいのです。
変性によって生じた過酸化物は、下痢・腹痛の原因となるといわれています。てんぷら油を日に当てたり、繰り返して使用(数回くらいなら可)しないようにしましょう。
魚油も同じく酸敗しやすいので、調理の際には十分注意したいものです。魚類は鮮度が何よりも重要です。
ところで、魚食と健康の関係について一般の関心が高まっているにもかかわらず、国民全体の魚の摂取量はほとんど増えていません。動物性脂肪の摂取量が増えていることから、飽和脂肪酸のとり過ぎが心配されています。魚も適切に取り入れた、偏りのない食事を習慣づけることが望まれます。
最近では、動物性脂肪の多い食品に加え、食用油やマーガリンを使った高リノール酸含有食品があふれています。加工食品やスナック類、ファストフードでも油脂をたくさん含んだ食品が売られています。“欧米化”した食生活は、まさに油づけの食生活であるといっても過言ではないようです。
若い人たちの好む「ドレッシングたっぷりの野菜サラダ」は、むしろ脂肪の多い逆ダイエット食にもなりかねません。確かに不飽和脂肪酸や必須脂肪酸は大切ですが、それが過大に評価される一方で、その過剰摂取から新たな問題を生じる恐れがあります。偏った知識が逆効果を生んでしまうといえなくもありません。
必須脂肪酸にも長所と短所があることを知り、結局のところはバランスのとれた食生活を心がけることが最も大切だといえるでしょう。
ダイエット・美容・健康の情報
プロテインのことならココ
ガン末期からの生還他ビデオ特集
A 油脂(食品に含まれる脂肪)をめぐってよく話題に上るリノール酸などの脂肪酸は、不飽和脂肪酸中の必須脂肪酸ですから、必ず毎日の食事から一定量とっていただく必要があるものです。しかし一方で、「健康に良いリノール酸がたっぷり」とか「魚を食べると頭が良くなる」といった“油”に関するいろいろな情報がはんらんしています。互いに矛盾するような情報も少なくなく、果たして健康のために特定の食品をとってよいものかどうか、混乱もみられるようです。
また逆に「リノール酸のとり過ぎ」の害もいわれ始めています。リノール酸をとり過ぎると、動脈硬化を促進したり、各種のがんを誘発しやすい、という類です。
現在のところこれらの脂肪酸については、その働きや生理的効果についてのたくさんの研究があり、説もさまざまといった段階です。
Q2 脂肪酸といえば、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸という名前をよく聞きます。どういう違いがあるのでしょうか。
A 脂肪酸は「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」に区別されます。脂肪酸は炭素原子が鎖のように連なってできています。そして例えていえば炭素原子は4本の手を持っていて、そのうち2本の手が水素原子と、あとの2本の手がほかの炭素の手とつなぎ合って鎖状になっています。そして水素原子と炭素原子がすべてそのようにして結び付いているものを飽和脂肪酸といいます。一方炭素原子の1本の手が水素原子を離し、その手で炭素同士が互いに2本の手でつなぎ合った部分(2重結合)を持つものを不飽和脂肪酸といいます。この2重結合が1個のものを一価不飽和脂肪酸、2個以上のものを多価不飽和脂肪酸といい、多価不飽和脂肪酸はさらに、2重結合の位置によってn−3系、n−6系などに分類されます。
もう1つの分類法があります。その脂肪酸の持つ物理的性質による分類です。
例えば、飽和脂肪酸は常温で固体になります。しかし、一価不飽和脂肪酸(炭素原子間の2重結合が1個しかない不飽和脂肪酸)は常温で液体、冷蔵庫内では固体になります。多価不飽和脂肪酸(炭素原子間の2重結合が2個以上ある不飽和脂肪酸)は常温でも冷蔵庫内でも液状です。
Q3 ところで、必須脂肪酸というのは何でしょうか。
A 人間はほとんどの必要な脂肪酸を体内で合成することができます。ところが、多価不飽和脂肪酸のうちの「リノール酸」「α−リノレン酸」「アラキドン酸」の3種は合成できません。
しかも、これらは人体の成長や健康を保つために欠かせないものです。このため必須脂肪酸と呼ばれるのです。
必須脂肪酸の中でも人体にとって重要なのは先ほどふれた「n−3系」や「n−6系」といわれる脂肪酸です。n−3系にはα−リノレン酸(根菜類、一部の植物油)が、n−6系は主としてリノール酸(植物油)が含まれています。
Q4 n−3系とn−6系の脂肪酸は、どんな働きをするのですか。
A 最近の報告によると、n−3系脂肪酸には、血清脂質(コレステロールパターン)の改善、血栓防止、血圧低下などの効果が知られています。
また、ラットを使った実験(人間に対する効果は証明されていない)などから、n−6系に比べ、記憶学習能力や網膜機能(視力に関係する光応答能など)を保つ働きがあるという説もあります。
一方、n−6系については、ラットの実験で欠乏により成長が妨げられたり皮膚が乾燥するなどの報告があります。人間についても欠乏すれば、同じく皮膚の異常や組織再生力減退、病気に感染しやすくなるなどの悪影響が生ずるといわれています。
Q5 脂肪や必須脂肪酸を上手にとるには、どんなことに気をつけたらよいのでしょうか。
A “脂肪”は極めて重要な栄養素です。全くとらなくても困りますが、とり過ぎてもまた困るのです。
脂肪は動物性・植物性の2つに大別できます。これらをどのくらいの割合でどうとるかがまず第2のポイントです。
現在、動物性脂肪(魚油を除く)1に対し、植物性脂肪(魚油を含む)は1〜2の比率がよいとされています。
また、国民栄養調査の結果からみたP/S比(多価不飽和脂肪酸と飽和脂肪酸の割合)も全国平均でほぼ1.0でした。このあたりが一応の目安といえましょう。もっとも大切なのは、ある特定の脂肪にばかり偏らないことです。例えば紅花油がよいといってそればかり集中的に摂取するようなことは感心できません。
1種類の脂肪を過剰に摂取するのでなく、多種類の脂肪を全量としてほどよくとることが大切です。
もう1つは、たんぱく質や糖質など、ほかの栄養素とのバランスです。
脂肪にのみ関心を向けるのでなく、ほかの栄養素とも均衡がとれるように食生活を工夫しましょう。
ところで、n−3系とn−6系の摂取比率については、「5以下が自然」とか「脳や網膜機能のためには4〜10が必要」(いずれもn−3系に対するn−6系比)とかいろいろなことがいわれています。
また、同じn−3系のなかでも、α−リノレン酸、EPA(イコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)の効果には、それぞれいくらかの差異がありますので、その意味でも、多数の食品からのバランスのよいとり方が重要になります。
ときどき、血栓症や動脈硬化の予防になるといって、n−3系脂肪酸を多く含む魚油を大量にとろうという考え方がみられます。
しかし、1つの食品成分のみに偏り過ぎるのも問題で、やはり適量というものがあります。n−3系脂肪酸をとり過ぎると、出血傾向、肝臓障害、心筋障害、動脈硬化促進などを起こしてしまう恐れがあります。
一方、n−6系脂肪酸の多量摂取は、免疫力低下、細胞の老化促進、がんの増悪などの恐れが指摘されています。
こうした障害を起こさないために、魚油摂取や植物油といっても偏ることなくほどよい摂取が望まれます。
Q6 必須脂肪酸を多く含む食品にはどんなものがあるのでしょうか。
A 人体にとって油脂が必要であることは明確です。ただ大切なのは必要量をバランスよく摂取することです。
適量と思われる量を“食物”としてとり入れるのが理想的です。
●リノール酸系脂肪酸を多く含む食品
紅花油、ひまわり油、綿実油、コーン油、ごま油などの各種植物系油を中心とする食品です。
手軽で健康的な食品というイメージがありますが、すべての調理をこれらの食品で、というのは考えものです。ほかの脂肪酸を含む食品との組み合わせが望まれます。
●α−リノレン酸を多く含む食品
しそ(えごま)油にとりわけ多く含まれています。次いで、ほかの調理油やくるみ、マヨネーズにも含まれています。
●EPA、DHAを含む食品
EPA、DHAは、α−リノレン酸とともn−3系の多価不飽和脂肪酸です。EPAとDHAは1970年代に、グリーンランドで生活する人々の調査により注目されました。彼らが高脂肪食をとっているにもかかわらず、動脈硬化や血栓性疾患が少なかったからです。このとき彼らの血中に魚油由来と思われるEPA、DHAが高値で認められ、摂取脂肪の“質”の重要性が明らかになりました。
EPA、DHAは魚類、中でも一般に油の多いサバ、イワシ、ブリ、マグロなどに多く含まれています。また、季節による変動や、エサによる差異もかなり大きいといわれています。
Q7 多価不飽和脂肪酸を含む食品と健康上の問題点についてうかがいます。
A 植物油(食用油)などの多価不飽和脂肪酸を含む食品には、思いがけない弱点があります。酸化されやすいため変性(酸敗 さんぱい )しやすいのです。
変性によって生じた過酸化物は、下痢・腹痛の原因となるといわれています。てんぷら油を日に当てたり、繰り返して使用(数回くらいなら可)しないようにしましょう。
魚油も同じく酸敗しやすいので、調理の際には十分注意したいものです。魚類は鮮度が何よりも重要です。
ところで、魚食と健康の関係について一般の関心が高まっているにもかかわらず、国民全体の魚の摂取量はほとんど増えていません。動物性脂肪の摂取量が増えていることから、飽和脂肪酸のとり過ぎが心配されています。魚も適切に取り入れた、偏りのない食事を習慣づけることが望まれます。
最近では、動物性脂肪の多い食品に加え、食用油やマーガリンを使った高リノール酸含有食品があふれています。加工食品やスナック類、ファストフードでも油脂をたくさん含んだ食品が売られています。“欧米化”した食生活は、まさに油づけの食生活であるといっても過言ではないようです。
若い人たちの好む「ドレッシングたっぷりの野菜サラダ」は、むしろ脂肪の多い逆ダイエット食にもなりかねません。確かに不飽和脂肪酸や必須脂肪酸は大切ですが、それが過大に評価される一方で、その過剰摂取から新たな問題を生じる恐れがあります。偏った知識が逆効果を生んでしまうといえなくもありません。
必須脂肪酸にも長所と短所があることを知り、結局のところはバランスのとれた食生活を心がけることが最も大切だといえるでしょう。
ダイエット・美容・健康の情報
プロテインのことならココ
ガン末期からの生還他ビデオ特集
この記事のトラックバックURL
http://netdream.blog112.fc2.com/tb.php/273-24e5f379
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック


