▼ 疲れたときの食事
疲れたときには休養をとってからだを休めるとともに、適切な栄養補給をして早く疲労を取り除くことが大切です。疲労回復には糖質やビタミンB1などが効果があります。
糖質は速効性のあるエネルギー源
肉体労働やスポーツなどで体力を消耗したときには、まず糖質を補給するとよいでしょう。糖質は体内でブドウ糖に分解されて血液中にとり込まれ、各細胞に送られてエネルギーに換わります。たんぱく質や脂質に比べて消化吸収が速いので、すぐにエネルギーを補給したいときには糖質が一番効果的です。また、脳のエネルギー源となるのはブドウ糖だけなので、糖質が不足するとからだが疲れるだけでなく頭の回転も鈍ってきます。
「疲れたときには甘いものがいい」とよくいわれます。糖質には、穀類や芋類のデンプン、砂糖のショ糖、果物の果糖、牛乳の乳糖などがあり、とりわけショ糖や果糖は吸収が速く、速効性があります。スポーツ選手が試合の合間にバナナを食べてエネルギー補給するのは、こうした理由によるものです。「今日はひどく疲れた」という場合には甘いものをとるのもよい方法です。しかし、ショ糖や果糖は急激に血糖値を上昇させるうえに肥満につながりやすいので、とり過ぎは禁物です。
疲れやすい、なかなか疲れがとれない、だるいといった慢性疲労の場合には、食生活に問題がないかどうか一度チェックしてみることが必要でしょう。偏食やダイエットによる栄養のアンバランス、朝食抜きの不規則な食生活などが原因になっていることも考えられます。
特に、たんぱく質は毎日きちんととることが大切です。たんぱく質はからだを構成する主要成分ですから、不足すると基礎体力が落ちて疲れやすくなるだけでなく、病気に対する抵抗力も衰えます。
ビタミンB1は「疲労回復ビタミン」
糖質をエネルギーに換えるのに欠かせないのがビタミンB1です。ビタミンB1は「疲労回復ビタミン」とも呼ばれ、糖質の代謝を促進するとともに、
疲労物質である乳酸を分解する働きをしています。ですから、ビタミンB1が不足すると、疲れやすい、だるいといった症状が出てきます。疲れやすいという人はビタミンB1を意識してとるように心がけてください。
男性の中には、ご飯を大盛りにしたり、カップめんを常食したりする人がいます。糖質を必要以上に多くとると、体内のビタミンB1がどんどん消費されて不足をきたし、かえって疲れやすくなります。ことに、夏場はビタミンB1の消耗が激しくなるので、不足しないように注意しましょう。
ビタミンB1は、豚肉、レバー、ハム、ウナギ、タイ、カレイ、豆類、ナッツ類、玄米、はい芽米、ライ麦パン、オートミールなどに多く含まれています。
柑橘類や酢も疲労回復に効果的
ミカン、グレープフルーツ、レモンなどの柑橘類の酸味成分であるクエン酸や、食酢に含まれる酢酸にも乳酸を分解する作用があり、疲労を取り除くのに効果があります。疲れたときには献立に酢の物を加えたり、デザートに酸味のある果物を食べるとよいでしょう。水にレモンの汁を落として飲むのも気分がすっきりしてよいものです。
このほか、アスパラガスに含まれるアスパラギン酸やトウガラシの辛味成分であるカプサイシンなどにも疲労回復の効果があるといわれています。
ビタミンB1を効率よく摂取するには
ビタミンB1は水溶性で、水に溶けやすいうえに加熱にも弱いので、調理による損失が大きく、ビタミンCと並んで最も不足しやすいビタミンとされています。効率よく摂取するには、食品の組み合わせや調理のうえでの工夫が必要です。ビタミンB1の一日の所要量は男性で1.1ミリグラム、女性で0.8ミリグラム以上とされています。
ビタミンB1の吸収を助けてくれるのが、ニンニク、ニラ、タマネギ、ネギなどに含まれているアリシンという成分です。ビタミンB1の多い食品はニンニクやネギなどと一緒に調理したり、これらを使った料理を献立に加えると吸収率がアップします。スタミナ料理の代表選手「レバニラ炒め」は、そういう意味でも理にかなった調理法です。
逆に、生の貝類や甲殻類にはアノイリナーゼというビタミンB1分解酵素が含まれていますから、ビタミンB1の多い食品と一緒にとるのは避けたほうがよいでしょう。加熱すればこの酵素は働かなくなるので、火を通したものは問題ありません。
ビタミンB1の含有量が多いのは、肉類では豚肉、魚介類ではウナギです。100グラム中に豚ヒレ肉は1.34ミリグラム、豚もも肉は1.20ミリグラム、ウナギは0.75ミリグラム含まれており、ビタミンB1をとるには最適の食品といえます。豚肉は調理法が豊富ですから、いろいろ目先を変えて献立に組み入れましょう。ウナギといえばまずかば焼きということになりますが、「かば焼きもいいけど、ちょっとしつこくて……」という人も少なくありません。そういう場合には淡泊な素材と組み合わせたり、味付けを工夫するとよいでしょう。茶わん蒸しに加える、野菜と一緒に炒める、酢やトウガラシで味付けするといった工夫をすれば、意外にさっぱり食べられます。
玄米、はい芽米、ライ麦パンなどもビタミンB1が豊富です。ご飯やパンは毎日食べるものですから、疲れやすい人は白米や食パンをこれらのものに替えると自然にビタミンB1の摂取量を増やすことができます。めん類では、うどんや中華めんよりソバやスパゲティに多く含まれています。また、ぬか漬けもビタミンB1がとれる食品です。
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糖質は速効性のあるエネルギー源
肉体労働やスポーツなどで体力を消耗したときには、まず糖質を補給するとよいでしょう。糖質は体内でブドウ糖に分解されて血液中にとり込まれ、各細胞に送られてエネルギーに換わります。たんぱく質や脂質に比べて消化吸収が速いので、すぐにエネルギーを補給したいときには糖質が一番効果的です。また、脳のエネルギー源となるのはブドウ糖だけなので、糖質が不足するとからだが疲れるだけでなく頭の回転も鈍ってきます。
「疲れたときには甘いものがいい」とよくいわれます。糖質には、穀類や芋類のデンプン、砂糖のショ糖、果物の果糖、牛乳の乳糖などがあり、とりわけショ糖や果糖は吸収が速く、速効性があります。スポーツ選手が試合の合間にバナナを食べてエネルギー補給するのは、こうした理由によるものです。「今日はひどく疲れた」という場合には甘いものをとるのもよい方法です。しかし、ショ糖や果糖は急激に血糖値を上昇させるうえに肥満につながりやすいので、とり過ぎは禁物です。
疲れやすい、なかなか疲れがとれない、だるいといった慢性疲労の場合には、食生活に問題がないかどうか一度チェックしてみることが必要でしょう。偏食やダイエットによる栄養のアンバランス、朝食抜きの不規則な食生活などが原因になっていることも考えられます。
特に、たんぱく質は毎日きちんととることが大切です。たんぱく質はからだを構成する主要成分ですから、不足すると基礎体力が落ちて疲れやすくなるだけでなく、病気に対する抵抗力も衰えます。
ビタミンB1は「疲労回復ビタミン」
糖質をエネルギーに換えるのに欠かせないのがビタミンB1です。ビタミンB1は「疲労回復ビタミン」とも呼ばれ、糖質の代謝を促進するとともに、
疲労物質である乳酸を分解する働きをしています。ですから、ビタミンB1が不足すると、疲れやすい、だるいといった症状が出てきます。疲れやすいという人はビタミンB1を意識してとるように心がけてください。
男性の中には、ご飯を大盛りにしたり、カップめんを常食したりする人がいます。糖質を必要以上に多くとると、体内のビタミンB1がどんどん消費されて不足をきたし、かえって疲れやすくなります。ことに、夏場はビタミンB1の消耗が激しくなるので、不足しないように注意しましょう。
ビタミンB1は、豚肉、レバー、ハム、ウナギ、タイ、カレイ、豆類、ナッツ類、玄米、はい芽米、ライ麦パン、オートミールなどに多く含まれています。
柑橘類や酢も疲労回復に効果的
ミカン、グレープフルーツ、レモンなどの柑橘類の酸味成分であるクエン酸や、食酢に含まれる酢酸にも乳酸を分解する作用があり、疲労を取り除くのに効果があります。疲れたときには献立に酢の物を加えたり、デザートに酸味のある果物を食べるとよいでしょう。水にレモンの汁を落として飲むのも気分がすっきりしてよいものです。
このほか、アスパラガスに含まれるアスパラギン酸やトウガラシの辛味成分であるカプサイシンなどにも疲労回復の効果があるといわれています。
ビタミンB1を効率よく摂取するには
ビタミンB1は水溶性で、水に溶けやすいうえに加熱にも弱いので、調理による損失が大きく、ビタミンCと並んで最も不足しやすいビタミンとされています。効率よく摂取するには、食品の組み合わせや調理のうえでの工夫が必要です。ビタミンB1の一日の所要量は男性で1.1ミリグラム、女性で0.8ミリグラム以上とされています。
ビタミンB1の吸収を助けてくれるのが、ニンニク、ニラ、タマネギ、ネギなどに含まれているアリシンという成分です。ビタミンB1の多い食品はニンニクやネギなどと一緒に調理したり、これらを使った料理を献立に加えると吸収率がアップします。スタミナ料理の代表選手「レバニラ炒め」は、そういう意味でも理にかなった調理法です。
逆に、生の貝類や甲殻類にはアノイリナーゼというビタミンB1分解酵素が含まれていますから、ビタミンB1の多い食品と一緒にとるのは避けたほうがよいでしょう。加熱すればこの酵素は働かなくなるので、火を通したものは問題ありません。
ビタミンB1の含有量が多いのは、肉類では豚肉、魚介類ではウナギです。100グラム中に豚ヒレ肉は1.34ミリグラム、豚もも肉は1.20ミリグラム、ウナギは0.75ミリグラム含まれており、ビタミンB1をとるには最適の食品といえます。豚肉は調理法が豊富ですから、いろいろ目先を変えて献立に組み入れましょう。ウナギといえばまずかば焼きということになりますが、「かば焼きもいいけど、ちょっとしつこくて……」という人も少なくありません。そういう場合には淡泊な素材と組み合わせたり、味付けを工夫するとよいでしょう。茶わん蒸しに加える、野菜と一緒に炒める、酢やトウガラシで味付けするといった工夫をすれば、意外にさっぱり食べられます。
玄米、はい芽米、ライ麦パンなどもビタミンB1が豊富です。ご飯やパンは毎日食べるものですから、疲れやすい人は白米や食パンをこれらのものに替えると自然にビタミンB1の摂取量を増やすことができます。めん類では、うどんや中華めんよりソバやスパゲティに多く含まれています。また、ぬか漬けもビタミンB1がとれる食品です。
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