▼ 生き血について
血液は生命の源
血液について、現代の医学は全容を解明しているように思えるが、そうでなかった(かなり長い)時代、人類はずいぶんと試行錯誤を繰り返していた。血を「神の水」と受けとめ、生命を「胃の血」であると言い、神前への生贄は血染めの動物が多かったり、と実にさまざまな状態を展開してきた。血液が生命の源であるとの考えは古代エジプトにもあったが、当時は動脈に血液が流れ、静脈には酸素が流れているとも考えられていた。
現在、輸血は医療上欠かすことのできない処置として日常的に行われているが、安全に行われるようになったのは今世紀に入ってからである。1900年にオーストラリアの医師がABO式の血液型の存在を発見したのが、始まりである。
外科医のルーツは理髪店
ギリシャで発達した医学では、4つの体液説が基盤であった。血液、粘液、黒の胆汁、黄の胆汁である。この4つのうちどれかが優勢かによって、人々は多血質、粘液質、胆汁質、憂うつ質に分けられれ、その体質の違いから、かかる病気も違うとされていた。4つの体液のバランスが崩れたり、流れが滞ったりすると病気が起こると考えられていた。そこで中世のヨーロッパでは盛んに瀉血(血管から血を抜くこと)が行われた。僧院附属の病院に、なぜか外部から理髪師が呼ばれて瀉血にあたった。これが外科医のルーツと言われる。今日でも理髪店の前に青と赤の看板がくるくると回っているが、これは当時の名残で、赤は動脈、青は静脈を表わしている。
瀉血と蛭療法
日本でも例数は少ないが、瀉血は行われていた。江戸時代の初期に京都の三十三間堂でよく「通し矢」が行われた。千本の弓を射通すわけだが、あと少しというところで肩にうっ血を生じることが多かった。そこで心得のある武士が切開し、溜まった血を抜き取り、通し矢を成就させたという話が、講談などで語り次がれている。
蛭を使って血膿を吸い取らせる療法は、洋の東西を問わず行われていた。フランスでは19世紀になっても、血を吸わせて病気を治すために1年間に4千万匹もの蛭を輸入していた、との記録が残っている。現在は瀉血も蛭(ひる)療法も行われなくなっている。
血のつく言葉
心身の状態を言い表わすのに、血という言葉が結構登場してくる。頭に血がのぼる、目が血走っている、血気盛ん、血気に逸る、血の気が多い、血が騒ぐ、血の雨が降る、血の気が失せる、血のめぐりが悪い等々から、血盟の誓い、血判を押すなどである。
生き血を飲むと元気になる?
映画「ラストエンペラー」では、胸の病に冒された皇帝が、鹿の生き血を飲み干すシーンがあった。現在では採られない治療法だが、鹿の角は漢方薬の原料となっており、当時は有効と考えられていたのだろう。
韓国にはこんな話が伝えられている。「深山幽谷に棲んでいる鹿を山の上へ上へと追いつめて行き、ついに断崖絶壁の岩の上に立たせる。鹿は捕まりたくないと思っても、千仭の谷へ身を躍らせる勇気もない。緊張の極に達した状態の鹿をとり抑えて角を切り、その血を飲むと精力増強となる。」
台湾では、豚の血を煮て固めておき、お産をした女性にスープなどに少しずつ混ぜて飲ませる風習が残っている。体力回復、乳汁分泌促進にいいとされている。
日本でも鯉、蝮(まむし)、スッポンの生き血をいまでも飲んでいる。いずれも疲労回復、体力増強が狙いである。しかし気をつけなければならないのは寄生虫感染である。人間の体内では幼虫のまま徘徊する厄介な虫がいるので、要注意である。
スッポンは栄養の宝庫
スッポンは、食いついたら離れないという不屈の精神もさることながら、まさに栄養の宝庫である。漢方の基本に「一物全体の原則」というのがある。必要な栄養を摂るには頭から丸ごとという意味である。生きたままのスッポンを液体窒素を利用してマイナス196度に瞬間冷凍し、それを粉砕する技術が開発されている。生き血の成分もまるまる入っているわけだ。必須アミノ酸八種、各種ビタミン、カルシウム、ミネラル、コンドロイチン、還元型グルタチオン、タウリン等々がこの丸ごとスッポンには豊富に含まれている。
少ない血液を有効利用
「一つ人の生き血をすすり、二つ不埒(らち)な悪行三昧、三つ醜いこの世の鬼を、退治してくれよう桃太郎」とは、高橋英樹扮する桃太郎侍の決めゼリフだが、人の生き血液も、輸血に血液製剤にと、医薬品としてずいぶん役に立っている。肝炎やHIV感染という不幸な出来事が起こってしまったのは、まことに残念だが、正しく使えば実に頼もしい薬である。医療技術と製剤技術が進歩したことにより、必要な成分だけを輸血する「成分輸血」が主流となっている。少ない血液を有効利用しているわけである。
ダイエット・美容・健康の情報
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ガン末期からの生還他ビデオ特集
血液について、現代の医学は全容を解明しているように思えるが、そうでなかった(かなり長い)時代、人類はずいぶんと試行錯誤を繰り返していた。血を「神の水」と受けとめ、生命を「胃の血」であると言い、神前への生贄は血染めの動物が多かったり、と実にさまざまな状態を展開してきた。血液が生命の源であるとの考えは古代エジプトにもあったが、当時は動脈に血液が流れ、静脈には酸素が流れているとも考えられていた。
現在、輸血は医療上欠かすことのできない処置として日常的に行われているが、安全に行われるようになったのは今世紀に入ってからである。1900年にオーストラリアの医師がABO式の血液型の存在を発見したのが、始まりである。
外科医のルーツは理髪店
ギリシャで発達した医学では、4つの体液説が基盤であった。血液、粘液、黒の胆汁、黄の胆汁である。この4つのうちどれかが優勢かによって、人々は多血質、粘液質、胆汁質、憂うつ質に分けられれ、その体質の違いから、かかる病気も違うとされていた。4つの体液のバランスが崩れたり、流れが滞ったりすると病気が起こると考えられていた。そこで中世のヨーロッパでは盛んに瀉血(血管から血を抜くこと)が行われた。僧院附属の病院に、なぜか外部から理髪師が呼ばれて瀉血にあたった。これが外科医のルーツと言われる。今日でも理髪店の前に青と赤の看板がくるくると回っているが、これは当時の名残で、赤は動脈、青は静脈を表わしている。
瀉血と蛭療法
日本でも例数は少ないが、瀉血は行われていた。江戸時代の初期に京都の三十三間堂でよく「通し矢」が行われた。千本の弓を射通すわけだが、あと少しというところで肩にうっ血を生じることが多かった。そこで心得のある武士が切開し、溜まった血を抜き取り、通し矢を成就させたという話が、講談などで語り次がれている。
蛭を使って血膿を吸い取らせる療法は、洋の東西を問わず行われていた。フランスでは19世紀になっても、血を吸わせて病気を治すために1年間に4千万匹もの蛭を輸入していた、との記録が残っている。現在は瀉血も蛭(ひる)療法も行われなくなっている。
血のつく言葉
心身の状態を言い表わすのに、血という言葉が結構登場してくる。頭に血がのぼる、目が血走っている、血気盛ん、血気に逸る、血の気が多い、血が騒ぐ、血の雨が降る、血の気が失せる、血のめぐりが悪い等々から、血盟の誓い、血判を押すなどである。
生き血を飲むと元気になる?
映画「ラストエンペラー」では、胸の病に冒された皇帝が、鹿の生き血を飲み干すシーンがあった。現在では採られない治療法だが、鹿の角は漢方薬の原料となっており、当時は有効と考えられていたのだろう。
韓国にはこんな話が伝えられている。「深山幽谷に棲んでいる鹿を山の上へ上へと追いつめて行き、ついに断崖絶壁の岩の上に立たせる。鹿は捕まりたくないと思っても、千仭の谷へ身を躍らせる勇気もない。緊張の極に達した状態の鹿をとり抑えて角を切り、その血を飲むと精力増強となる。」
台湾では、豚の血を煮て固めておき、お産をした女性にスープなどに少しずつ混ぜて飲ませる風習が残っている。体力回復、乳汁分泌促進にいいとされている。
日本でも鯉、蝮(まむし)、スッポンの生き血をいまでも飲んでいる。いずれも疲労回復、体力増強が狙いである。しかし気をつけなければならないのは寄生虫感染である。人間の体内では幼虫のまま徘徊する厄介な虫がいるので、要注意である。
スッポンは栄養の宝庫
スッポンは、食いついたら離れないという不屈の精神もさることながら、まさに栄養の宝庫である。漢方の基本に「一物全体の原則」というのがある。必要な栄養を摂るには頭から丸ごとという意味である。生きたままのスッポンを液体窒素を利用してマイナス196度に瞬間冷凍し、それを粉砕する技術が開発されている。生き血の成分もまるまる入っているわけだ。必須アミノ酸八種、各種ビタミン、カルシウム、ミネラル、コンドロイチン、還元型グルタチオン、タウリン等々がこの丸ごとスッポンには豊富に含まれている。
少ない血液を有効利用
「一つ人の生き血をすすり、二つ不埒(らち)な悪行三昧、三つ醜いこの世の鬼を、退治してくれよう桃太郎」とは、高橋英樹扮する桃太郎侍の決めゼリフだが、人の生き血液も、輸血に血液製剤にと、医薬品としてずいぶん役に立っている。肝炎やHIV感染という不幸な出来事が起こってしまったのは、まことに残念だが、正しく使えば実に頼もしい薬である。医療技術と製剤技術が進歩したことにより、必要な成分だけを輸血する「成分輸血」が主流となっている。少ない血液を有効利用しているわけである。
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