高血圧治療の基本は生活習慣の修正(運動療法・食事療法)と薬物治療があります。運動療法として、運動の頻度はできれば毎日定期的に実施し、運動量は30分以上、強度は中等度(ややきつい)の有酸素運動が一般的に勧められています。運動療法により降圧効果が得られ、高血圧症が改善されます。
平成17年国民健康・栄養調査の結果によると、高血圧症(収縮期血圧140mmHg以上または拡張期血圧90mmHg以上または降圧剤を服用している者)の有病者の割合は40歳以上男女で54.9%と報告され、国内では3千万人以上の高血圧患者が存在します(*1)。この高血圧症の要因としては、好ましくない食生活、身体活動量の不足、喫煙、ストレスといった生活習慣が密接に関連しています。高血圧治療の基本は生活習慣の修正と薬物治療ですが、高血圧症の発症や予防には習慣的な運動や身体活動の増加が有用であることは多くの研究により証明されています。その成果を基にして、近年、治療や予防に必要な運動量・身体活動量などに関するガイドラインも確立されてきました。日本高血圧学会の高血圧治療ガイドラインによると、降圧治療の第一段階として生活習慣の修正、第二段階として降圧薬治療があげられています。生活習慣の修正は、1)食塩摂取量の制限(6g/日未満)、2)野菜・果物の積極的摂取、3)コレステロールや飽和脂肪酸の摂取を控える、4)適正体重の維持(BMIで25を超えないこと)、5)運動療法(運動・身体活動量の増加)、6)アルコール摂取の制限、7)禁煙とされています(*2)。
運動療法は血管内皮機能を改善し、降圧効果が得られ、高血圧症を改善するといわれています。また、有酸素運動が血圧に及ぼす影響を検討した複数の研究の結果、長期的な身体活動により高血圧患者では収縮期血圧を7.4mmHg、拡張期血圧を5.8mmHg低下させる効果があると報告されています。運動療法には以下のような運動種目、時間、強度、頻度が一般的に推奨されています(*2)。
運動種目:ウォーキング(速歩)、ジョギング、水泳、自転車、その他レクリエーションスポーツなどの有酸素運動。
運動時間・頻度:1週間に4-5回、少なくとも1回に30-60分間、あるいは、1週間にほぼ毎日、1回に30分間の運動。
運動強度:低・中強度の運動は収縮期血圧の上昇はわずかであるのに対して、高強度の運動は血圧上昇が著明であるため、中等度「ややきつい」と感じる程度の運動強度(心拍数が100-120拍/分、最大酸素摂取量の50%程度)。
最近の研究報告では、 1回30分でわずか週2回程度の有酸素運動の実施でも降圧効果があるという結果や、1日8000歩程度の身体活動を3ヶ月実施した場合でも軽症高血圧患者に対して降圧効果が得られたという報告もあります。さらに運動療法は、1週間あたりの総運動時間あるいは総消費カロリーで設定することが適当であるといわれています。例えば、1回の運動時間を長く設定し、1週間の運動回数を減らすか、運動強度を低く設定し、1週間の運動回数を増やすなどの設定を個人に合わせて考えることができます。
運動を実施する上での注意点としては、準備・整理運動は十分に行うこと、メディカルチェックを受け、虚血性心疾患・心不全などの心血管合併症がないことを確認し、運動療法の可否を確認した後に、個人の基礎体力、年齢、体重、健康状態などを踏まえて運動量を設定する必要があります。また、高血圧症の改善には運動療法だけでなく、食塩摂取量やアルコール摂取量の制限、禁煙などとの併用療法がより効果的といえます。
身体活動しんたいかつどう
Physical Activity
人が安静時よりも相応に多くエネルギーを使う営みを総じて身体活動という。
運動指針2006(エクササイズガイド2006)において、身体活動、運動、生活活動は以下のとおりに定義されました。
(1)「身体活動」:安静にしている状態より多くのエネルギーを消費する全ての営みのこと。
(2)「運動」:身体活動のうち、体力の維持・向上を目的として計画的・意図的に実施するもの。例:ジムやフィットネスクラブで行うトレーニングやエアロビクスなど、テニス、サッカー、バスケなどのスポーツ、余暇時間の散歩や化発な趣味など。
(3)「生活活動」 身体活動のうち、運動以外のものをいい、職業や家事活動上のものも含む。例:買い物、洗濯物を干す、子供と屋外で遊ぶなどの家事、通勤、営業の外回り、階段昇降、荷物運搬、農作業、漁業活動などの仕事上の活動など。
これらの関係は、身体活動=運動+生活活動とまとめることができます。身体活動の簡便かつ客観的な方法として、歩数の測定があります。歩数は活動強度の評価がされていませんが、国民健康・栄養調査でも採用されている、簡便かつ再現性の高い身体活動の評価法です。過去10年間では、男性・女性とも約700歩ほど1日あたりの歩数が減っている、すなわち身体活動量が減少しています。
BMIびーえむあい
body mass index
ボディ・マス指数
体格指数
[体重(kg)]÷[身長(m)の2乗]で算出される値で、肥満や低体重(やせ)の判定に用います。
肥満度を表す指標として国際的に用いられている体格指数で、[体重(kg)]÷[身長(m)の2乗]で求められます(身長はcmではなくmで計算します)。
計算方法は世界共通ですが、肥満の判定基準は国によって異なり、WHO(世界保健機構)の基準では30以上を"Obese"(肥満)としています。
日本肥満学会の定めた基準では18.5未満が「低体重(やせ)」、18.5以上25未満が「普通体重」、25以上が「肥満」で、肥満はその度合いによってさらに「肥満1」から「肥満4」に分類されます。
BMIが22になるときの体重が標準体重で、最も病気になりにくい状態であるとされています。25を超えると脂質異常症や糖尿病、高血圧などの生活習慣病のリスクが2倍以上になり、30を超えると高度な肥満としてより積極的な減量治療を要するものとされています。
尚、内臓脂肪の蓄積は必ずしもBMIと相関しないため、メタボリックシンドロームの診断基準には盛りこまれていませんが、メタボリックシンドローム予備軍を拾い上げる意味で特定健診・特定保健指導の基準にはBMIが採用されています。
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平成17年国民健康・栄養調査の結果によると、高血圧症(収縮期血圧140mmHg以上または拡張期血圧90mmHg以上または降圧剤を服用している者)の有病者の割合は40歳以上男女で54.9%と報告され、国内では3千万人以上の高血圧患者が存在します(*1)。この高血圧症の要因としては、好ましくない食生活、身体活動量の不足、喫煙、ストレスといった生活習慣が密接に関連しています。高血圧治療の基本は生活習慣の修正と薬物治療ですが、高血圧症の発症や予防には習慣的な運動や身体活動の増加が有用であることは多くの研究により証明されています。その成果を基にして、近年、治療や予防に必要な運動量・身体活動量などに関するガイドラインも確立されてきました。日本高血圧学会の高血圧治療ガイドラインによると、降圧治療の第一段階として生活習慣の修正、第二段階として降圧薬治療があげられています。生活習慣の修正は、1)食塩摂取量の制限(6g/日未満)、2)野菜・果物の積極的摂取、3)コレステロールや飽和脂肪酸の摂取を控える、4)適正体重の維持(BMIで25を超えないこと)、5)運動療法(運動・身体活動量の増加)、6)アルコール摂取の制限、7)禁煙とされています(*2)。
運動療法は血管内皮機能を改善し、降圧効果が得られ、高血圧症を改善するといわれています。また、有酸素運動が血圧に及ぼす影響を検討した複数の研究の結果、長期的な身体活動により高血圧患者では収縮期血圧を7.4mmHg、拡張期血圧を5.8mmHg低下させる効果があると報告されています。運動療法には以下のような運動種目、時間、強度、頻度が一般的に推奨されています(*2)。
運動種目:ウォーキング(速歩)、ジョギング、水泳、自転車、その他レクリエーションスポーツなどの有酸素運動。
運動時間・頻度:1週間に4-5回、少なくとも1回に30-60分間、あるいは、1週間にほぼ毎日、1回に30分間の運動。
運動強度:低・中強度の運動は収縮期血圧の上昇はわずかであるのに対して、高強度の運動は血圧上昇が著明であるため、中等度「ややきつい」と感じる程度の運動強度(心拍数が100-120拍/分、最大酸素摂取量の50%程度)。
最近の研究報告では、 1回30分でわずか週2回程度の有酸素運動の実施でも降圧効果があるという結果や、1日8000歩程度の身体活動を3ヶ月実施した場合でも軽症高血圧患者に対して降圧効果が得られたという報告もあります。さらに運動療法は、1週間あたりの総運動時間あるいは総消費カロリーで設定することが適当であるといわれています。例えば、1回の運動時間を長く設定し、1週間の運動回数を減らすか、運動強度を低く設定し、1週間の運動回数を増やすなどの設定を個人に合わせて考えることができます。
運動を実施する上での注意点としては、準備・整理運動は十分に行うこと、メディカルチェックを受け、虚血性心疾患・心不全などの心血管合併症がないことを確認し、運動療法の可否を確認した後に、個人の基礎体力、年齢、体重、健康状態などを踏まえて運動量を設定する必要があります。また、高血圧症の改善には運動療法だけでなく、食塩摂取量やアルコール摂取量の制限、禁煙などとの併用療法がより効果的といえます。
身体活動しんたいかつどう
Physical Activity
人が安静時よりも相応に多くエネルギーを使う営みを総じて身体活動という。
運動指針2006(エクササイズガイド2006)において、身体活動、運動、生活活動は以下のとおりに定義されました。
(1)「身体活動」:安静にしている状態より多くのエネルギーを消費する全ての営みのこと。
(2)「運動」:身体活動のうち、体力の維持・向上を目的として計画的・意図的に実施するもの。例:ジムやフィットネスクラブで行うトレーニングやエアロビクスなど、テニス、サッカー、バスケなどのスポーツ、余暇時間の散歩や化発な趣味など。
(3)「生活活動」 身体活動のうち、運動以外のものをいい、職業や家事活動上のものも含む。例:買い物、洗濯物を干す、子供と屋外で遊ぶなどの家事、通勤、営業の外回り、階段昇降、荷物運搬、農作業、漁業活動などの仕事上の活動など。
これらの関係は、身体活動=運動+生活活動とまとめることができます。身体活動の簡便かつ客観的な方法として、歩数の測定があります。歩数は活動強度の評価がされていませんが、国民健康・栄養調査でも採用されている、簡便かつ再現性の高い身体活動の評価法です。過去10年間では、男性・女性とも約700歩ほど1日あたりの歩数が減っている、すなわち身体活動量が減少しています。
BMIびーえむあい
body mass index
ボディ・マス指数
体格指数
[体重(kg)]÷[身長(m)の2乗]で算出される値で、肥満や低体重(やせ)の判定に用います。
肥満度を表す指標として国際的に用いられている体格指数で、[体重(kg)]÷[身長(m)の2乗]で求められます(身長はcmではなくmで計算します)。
計算方法は世界共通ですが、肥満の判定基準は国によって異なり、WHO(世界保健機構)の基準では30以上を"Obese"(肥満)としています。
日本肥満学会の定めた基準では18.5未満が「低体重(やせ)」、18.5以上25未満が「普通体重」、25以上が「肥満」で、肥満はその度合いによってさらに「肥満1」から「肥満4」に分類されます。
BMIが22になるときの体重が標準体重で、最も病気になりにくい状態であるとされています。25を超えると脂質異常症や糖尿病、高血圧などの生活習慣病のリスクが2倍以上になり、30を超えると高度な肥満としてより積極的な減量治療を要するものとされています。
尚、内臓脂肪の蓄積は必ずしもBMIと相関しないため、メタボリックシンドロームの診断基準には盛りこまれていませんが、メタボリックシンドローム予備軍を拾い上げる意味で特定健診・特定保健指導の基準にはBMIが採用されています。
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2008/06/25(水) 17:48:41 | 気になるキーワードでブログ検索!


