砂糖は虫歯のリスク・ファクターのひとつであり、摂取方法によって虫歯の有病状況に影響を与えるため、甘味(砂糖)摂取の総量を減らすこと、あるいはその摂取回数を減らすよう指導するべきです。ただ、そのように指導しても明瞭な予防効果を得ることは困難であるため、他の予防手段を併用することが必要です。
1. 砂糖と永久歯の虫歯との関係
a) スウェーデンの研究(虫歯が流行していた時代)
スウェーデンでは1940年代後半から50年代前期にかけて、食餌がヒトの虫歯に与える効果について、436名を対象に実験的な調査が行われました。
砂糖の消費は虫歯の活動性を増大させました。
歯につきやすいおやつは、虫歯の活動性を大きく示しました。
虫歯のリスクは最も大きかったのは、歯につきやすいおやつが食事の間に摂取されたときでした。
同じ条件であれば、虫歯の増加は大きな個人差を示しました。
虫歯の増加は、食餌から歯につきやすいおやつを除くと消退しました。
虫歯は、精製された砂糖、自然糖、あるいは炭水化物等が存在しなくても発生しました。
b) 英国と米国の研究(虫歯が減少してきた時代)
英国の研究(11歳405名を2年間追跡、1984年)では、虫歯の増加量と毎日の砂糖摂取量との間に有意な相関が見られましたが、その関係は弱いものでした。砂糖の摂取回数よりも摂取量の方が虫歯と関係があり、最も砂糖を消費していたグループは、最も砂糖摂取が少なかったグループに比べて約1.56倍の高い虫歯の増加傾向を示しました。
米国の研究(11-15歳499名を3年間追跡、1988年)では、食間に消費された砂糖の量が虫歯の増える量と関係がありました。また、高い虫歯の増加を示したグループと虫歯の増加がなかったグループを比較すると、前者においておやつの頻回な摂取が見られましたが、毎日の食事回数、あるいは砂糖の入ったおやつを食べる回数と虫歯の増える量との間に関係は見られませんでした。
c) 永久歯の虫歯に関して砂糖の摂取に関する指導のあり方
ヒトを対象とした疫学研究では、虫歯のない人々の多くが比較的多量の砂糖を消費していることが示されています。
砂糖の摂取について集団的な指導のときには、「べたべたしたおやつ」とか「おやつのとり方」など細かく指示するよりも、個人の砂糖摂取の総量を引き下げることに指導を集中させる方が良いようです。
一方で、虫歯に対してかなり感受性の高い患者に砂糖摂取に関する指導を行うことは、かなりの利益をもたらすことが示唆されます。虫歯を処置するために歯科医院に来た患者は、比較的歯科保健に関心が高いと考えられますので、砂糖の摂取に関する細かな指導は、こうした患者に対してこそ行われるべきものです。患者の状況に応じたリスク評価を行い、その患者の状況応じた指導を行うことは、望ましい指導のあり方だといえるでしょう。
2. 乳歯の虫歯と甘い飲食物の摂取回数との関係と指導のあり方
過去の報告では、甘い飲食物の摂取回数に伴い、平均虫歯数も増加する傾向が見られました。このことから、甘味(砂糖)の摂取回数を減らすような適正な摂取方法を指導すれば虫歯が減少するように考えられがちですが、日本における調査では、1歳6カ月時の歯科健診で保健指導を受けた群と受けなかった群を3歳児歯科健診で比較したとき、甘い飲食物の摂取回数に明らかな差は見られませんでした。
しかし、フッ化物歯面塗布を受けるようになった子どもの数は、保健指導を受けた群の方が多かったのです。生活行動を制限するような指導よりも、予防のための積極的な行動を促す指導の方が受け容れやすいことが分かっています。
甘味(砂糖)の摂取回数を減らすような指導が行われますが、併せて他の予防手段の導入とそれを受入れるような指導も必要です。
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a) スウェーデンの研究(虫歯が流行していた時代)
スウェーデンでは1940年代後半から50年代前期にかけて、食餌がヒトの虫歯に与える効果について、436名を対象に実験的な調査が行われました。
砂糖の消費は虫歯の活動性を増大させました。
歯につきやすいおやつは、虫歯の活動性を大きく示しました。
虫歯のリスクは最も大きかったのは、歯につきやすいおやつが食事の間に摂取されたときでした。
同じ条件であれば、虫歯の増加は大きな個人差を示しました。
虫歯の増加は、食餌から歯につきやすいおやつを除くと消退しました。
虫歯は、精製された砂糖、自然糖、あるいは炭水化物等が存在しなくても発生しました。
b) 英国と米国の研究(虫歯が減少してきた時代)
英国の研究(11歳405名を2年間追跡、1984年)では、虫歯の増加量と毎日の砂糖摂取量との間に有意な相関が見られましたが、その関係は弱いものでした。砂糖の摂取回数よりも摂取量の方が虫歯と関係があり、最も砂糖を消費していたグループは、最も砂糖摂取が少なかったグループに比べて約1.56倍の高い虫歯の増加傾向を示しました。
米国の研究(11-15歳499名を3年間追跡、1988年)では、食間に消費された砂糖の量が虫歯の増える量と関係がありました。また、高い虫歯の増加を示したグループと虫歯の増加がなかったグループを比較すると、前者においておやつの頻回な摂取が見られましたが、毎日の食事回数、あるいは砂糖の入ったおやつを食べる回数と虫歯の増える量との間に関係は見られませんでした。
c) 永久歯の虫歯に関して砂糖の摂取に関する指導のあり方
ヒトを対象とした疫学研究では、虫歯のない人々の多くが比較的多量の砂糖を消費していることが示されています。
砂糖の摂取について集団的な指導のときには、「べたべたしたおやつ」とか「おやつのとり方」など細かく指示するよりも、個人の砂糖摂取の総量を引き下げることに指導を集中させる方が良いようです。
一方で、虫歯に対してかなり感受性の高い患者に砂糖摂取に関する指導を行うことは、かなりの利益をもたらすことが示唆されます。虫歯を処置するために歯科医院に来た患者は、比較的歯科保健に関心が高いと考えられますので、砂糖の摂取に関する細かな指導は、こうした患者に対してこそ行われるべきものです。患者の状況に応じたリスク評価を行い、その患者の状況応じた指導を行うことは、望ましい指導のあり方だといえるでしょう。
2. 乳歯の虫歯と甘い飲食物の摂取回数との関係と指導のあり方
過去の報告では、甘い飲食物の摂取回数に伴い、平均虫歯数も増加する傾向が見られました。このことから、甘味(砂糖)の摂取回数を減らすような適正な摂取方法を指導すれば虫歯が減少するように考えられがちですが、日本における調査では、1歳6カ月時の歯科健診で保健指導を受けた群と受けなかった群を3歳児歯科健診で比較したとき、甘い飲食物の摂取回数に明らかな差は見られませんでした。
しかし、フッ化物歯面塗布を受けるようになった子どもの数は、保健指導を受けた群の方が多かったのです。生活行動を制限するような指導よりも、予防のための積極的な行動を促す指導の方が受け容れやすいことが分かっています。
甘味(砂糖)の摂取回数を減らすような指導が行われますが、併せて他の予防手段の導入とそれを受入れるような指導も必要です。
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