▼ 眠りのメカニズム
私たちは毎日ほぼ同じ時刻に眠り、同じ時刻に目が覚めます。このような規則正しい睡眠リズムは疲労による「睡眠欲求」と体内時計に指示された「覚醒力」のバランスで形作られます。健やかな睡眠を維持するために、夜間にも自律神経やホルモンなどさまざまな生体機能が総動員されます。睡眠にはサイクルがあります。夢を見る「レム睡眠」と大脳を休める「ノンレム睡眠」が約90分周期で変動し、朝の覚醒に向けて徐々に始動準備を整えます。
睡眠と覚醒のリズム
私たちは毎日ほぼ同じ時刻に眠りに入り、7〜8時間ほどで自然に目覚めます。また、徹夜をしていても徐々眠気が強まり、明け方になると耐え難い眠気を感じますが、午後には眠気がいったん軽くなります。このように決まった時刻に眠気が出現し、また醒めてゆく睡眠(眠気)のリズムはどのように形作られるのでしょうか。
睡眠を形作る二つのメカニズム
ヒトの睡眠(眠気)は大きく二つのシステムで形作られています。
第一のシステムは覚醒中の疲労蓄積による睡眠欲求(青矢印)です。睡眠欲求は目覚めている時間が長いほど強くなります。徹夜などで長時間覚醒していると、普段寝つきにくい人でもすぐに入眠し、深い眠りが出現することが知られています。いったん眠りに入ると睡眠欲求は急速に減少し、その人にとって十分な時間だけたっぷりと眠ると睡眠欲求は消失して私たちは覚醒します。
第二のメカニズムは覚醒力(赤矢印)です。覚醒力は体内時計から発信され、一日の決まった時刻に増大し、睡眠欲求に打ち勝ってヒトを目覚めさせます。普段の就床時刻の数時間前に最も覚醒力が強くなり、その後メラトニンが分泌される頃(就床時刻の1〜2時間前)に急速に覚醒力が低下します。このため、私たちは夕食後に団欒するなどすっきり目覚めていても、就床時刻あたりで急に眠気を感じるようになります。仮に覚醒力がなければ、徐々に強まる睡眠欲求のため日中の後半は眠気との戦いで質の高い社会生活は営めなくなるでしょう。
睡眠を維持するために生体機能を総動員
睡眠と覚醒を調節するために体内時計は生体機能を総動員します(図2)。例えば、活動する日中には脳の温度を高く保ち、夜間は体から熱を逃がして脳を冷やします(熱放散)。そのため就床前の眠気が強くなる時間帯は脳が急速に冷える時間と一致しています。寝入る前に赤ちゃんの手足がぽっかりしているのは熱放散をしているためです。また同じ頃、体内時計ホルモンであるメラトニンが分泌を始め入眠を促します。これら以外にもさまざまな生体機能が協調しあいながらハーモニーを奏でるように質の高い眠りのために作用します。朝方になると覚醒作用を持つ副腎皮質ホルモンの分泌が始まります。また脳の温度が自然に高くなります。このような準備状態が整って私たちは健やかな目覚めを迎えます。
メラトニンは睡眠を促進する作用を持ちますが、明るい光の下では分泌が停止します。静臥して熱放散を促し、メラトニン分泌を妨げないように消灯をした暗い部屋で休むことは、睡眠をサポートする生理機能の力を最大限に引き出す上でも大事なことなのです。
睡眠を維持ために生体機能を総動員
睡眠はすべての動物種でみられますが、睡眠の長さはさまざまです。一般的にコウモリやネズミなど運動量が多く、体重当たりの消費カロリー数が大きい動物種ほど睡眠時間が長い傾向があります。すなわち、睡眠は覚醒中に蓄積した疲労を回復すると同時に、エネルギーを節約するための最も効率の良い休養のあり方であるといえます。ヒトも成長とともに体重当たりの消費カロリーが減少します。睡眠時間、特に深い睡眠が年齢とともに減るのは理に適ったことであるともいえます。
睡眠もダイナミックに変化する
睡眠は決して「脳全体が一様に休んでいる状態」ではありません。眠っている間にも脳活動はさまざまに変化します。ヒトの睡眠は、ノンレム睡眠とレム睡眠(REM sleep)という質的に異なるふたつの睡眠状態で構成されています。レム睡眠は、眠っているときに眼球が素早く動く(英語でRapid Eye Movement)ことから名づけられました。ノンレム睡眠では脳波活動が低下し、睡眠の深さにしたがってさらに4段階に分けられます。睡眠は深いノンレム睡眠(段階3と4)から始まり、睡眠欲求が低下する朝方に向けて徐々に浅いノンレム睡眠(段階1と2)が増えてゆきます。その間に約90分周期でレム睡眠が繰り返し出現し、睡眠後半に向けて徐々に一回ごとのレム睡眠時間が増加してゆきます。
深いノンレム睡眠は大脳皮質の発達した高等生物で多く出現します。昼間に酷使した大脳皮質を睡眠前半で集中的に冷却し休養を取らせます。レム睡眠では全身の筋肉が弛緩し、エネルギーを節約して身体を休める睡眠といえます。レム睡眠時の脳波活動は比較的活発で夢をよく見るほか血圧や脈拍が変動することから、心身ともに覚醒への準備状態にある睡眠ともいえます。
体内時計たいないどけい
概日リズム(サーカディアンリズム)を形成するための24時間周期のリズム信号を発振する機構。生物時計とも呼ばれる。脳内の視床下部の視交叉上核に存在する。
生物は地球の自転による24時間周期の昼夜変化に同調して、ほぼ1日の周期で体内環境を積極的に変化させる機能を持っています。人間においても体温やホルモン分泌などからだの基本的な機能は約24時間のリズムを示すことがわかっています。この約24時間周期のリズムは概日リズム(サーカディアンリズム)と呼ばれます。
概日リズムは、光や温度変化のない条件で安静を保った状態においても認められることから、生物は体内に時計機構をもっていることが明らかとなり、これを体内時計(生物時計)と呼んでいます。哺乳類の体内時計は、脳の中心部下面にある視床下部の視交叉上核に存在することが分かっています。
ヒトの体内時計の周期は24時間よりも若干長いため(短い人も少数ながらいます)、体内時計のタイミングを外界の24時間周期の明暗周期に一致させるシステム(同調機構)があります。同調機構によって地球の公転による日長時間の季節変化や、時差地域への急速な移動にともなう明暗周期の変化に体内時計を一致させることができます。人間を含む哺乳類では網膜から体内時計への直接の神経繊維連絡があり、これにより目から入った明暗環境の情報が体内時計に伝達されます。人間では、朝の強い光は体内時計を早める方向に、夜の光はこれを遅らせる方向に働きます。
体内時計はなぜ24時間周期を形作ることができるのでしょうか。最近の分子生物学研究から明らかになったところによれば、体内時計細胞では幾つかの遺伝子(時計遺伝子)が時計蛋白を合成し、それらが相互に結合し、また分解されることを約24時間周期で繰り返しており、このような遺伝子活動から体内時計の概日リズム信号が生じているようです。
レム睡眠れむすいみん
睡眠段階の一つ。睡眠脳波から判別される。急速眼球運動と骨格筋活動の低下を特徴とする。レム睡眠中には夢をよく見る。レム睡眠の関係する睡眠障害として、ナルコレプシー、レム睡眠行動障害などがある。
睡眠脳波で判別されるノンレム睡眠以外のもう一つの睡眠段階で、急速眼球運動(rapid eye movements、REMs)と骨格筋(抗重力筋)の筋活動の低下を特徴とします。急速眼球運動の英語の頭文字をとってレム睡眠と呼びます。睡眠脳波はステージ1(寝入りばなのうとうと状態)と類似した低振幅パターンで、特徴的な鋸歯状波がしばしば出現します。心拍・呼吸が乱れるなど自律神経系が不安定になり、陰茎・陰核の勃起がみられます。
健康な人をレム睡眠期に覚醒させると約80%の割合で夢を見ていたと話すことから、レム睡眠は夢を見る睡眠段階と考えられています。ただし、ノンレム睡眠の時にもわずかながら夢を見ます。通常、夜間睡眠では深いノンレム睡眠(徐波睡眠、ステージ3、4)を経過した後にレム睡眠が出現します。ノンレム-レム睡眠周期は90-120分で、朝方になるにしたがってレム睡眠の持続が長くなり、一夜の睡眠全体では約20%を占めるのが普通です。レム睡眠は個体発生的・系統発生的にノンレム睡眠より古いと考えられ、発達期に最も多く、成人以後も加齢ととも減少する傾向があります。レム睡眠の関係する睡眠障害として、ナルコレプシ?、レム睡眠行動障害などが知られています。
ノンレム睡眠のんれむすいみん
睡眠段階の一つ。睡眠脳波から判別される。睡眠の深さによって4段階に分けられる。ノンレム睡眠が関係する睡眠障害には睡眠時遊行症、夜驚などがある。
睡眠脳波で判別すると、ヒトの睡眠はノンレム睡眠(non-REM sleep)とレム睡眠(REM sleep)という質的に異なる二つの睡眠段階に分類されます。ノンレム睡眠は睡眠の深さ(脳波の活動性)によってステージ1〜4(浅い→深い)の4段階に分けられます。ステージ1では頭蓋頂一過性鋭波、2では睡眠紡錘波およびK複合、3、4では低振幅徐波が出現します。ステージ3、4の段階は徐波睡眠(slow wave sleep, SWS)とよばれます。
ノンレム - レム睡眠周期は90〜120分間で、後半に進むにしたがいノンレム睡眠の持続は短くなり、睡眠徐波の出現は減少します。入眠前の覚醒時間の長さ、覚醒中の身体運動量、精神負荷量が増すとノンレム睡眠も長くなる(深くなる)と言われています。また入眠直後の徐波睡眠に一致して成長ホルモンの分泌がみられること、ノンレム睡眠中は副交感神経優位であることなどから、何らかのエネルギー保存機構と関連した睡眠と考えられています。加齢とともに徐波睡眠は減少します。ノンレム睡眠が関係する睡眠障害として、小児によくみられる睡眠時遊行症、夜驚などが知られています。
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睡眠と覚醒のリズム
私たちは毎日ほぼ同じ時刻に眠りに入り、7〜8時間ほどで自然に目覚めます。また、徹夜をしていても徐々眠気が強まり、明け方になると耐え難い眠気を感じますが、午後には眠気がいったん軽くなります。このように決まった時刻に眠気が出現し、また醒めてゆく睡眠(眠気)のリズムはどのように形作られるのでしょうか。
睡眠を形作る二つのメカニズム
ヒトの睡眠(眠気)は大きく二つのシステムで形作られています。
第一のシステムは覚醒中の疲労蓄積による睡眠欲求(青矢印)です。睡眠欲求は目覚めている時間が長いほど強くなります。徹夜などで長時間覚醒していると、普段寝つきにくい人でもすぐに入眠し、深い眠りが出現することが知られています。いったん眠りに入ると睡眠欲求は急速に減少し、その人にとって十分な時間だけたっぷりと眠ると睡眠欲求は消失して私たちは覚醒します。
第二のメカニズムは覚醒力(赤矢印)です。覚醒力は体内時計から発信され、一日の決まった時刻に増大し、睡眠欲求に打ち勝ってヒトを目覚めさせます。普段の就床時刻の数時間前に最も覚醒力が強くなり、その後メラトニンが分泌される頃(就床時刻の1〜2時間前)に急速に覚醒力が低下します。このため、私たちは夕食後に団欒するなどすっきり目覚めていても、就床時刻あたりで急に眠気を感じるようになります。仮に覚醒力がなければ、徐々に強まる睡眠欲求のため日中の後半は眠気との戦いで質の高い社会生活は営めなくなるでしょう。
睡眠を維持するために生体機能を総動員
睡眠と覚醒を調節するために体内時計は生体機能を総動員します(図2)。例えば、活動する日中には脳の温度を高く保ち、夜間は体から熱を逃がして脳を冷やします(熱放散)。そのため就床前の眠気が強くなる時間帯は脳が急速に冷える時間と一致しています。寝入る前に赤ちゃんの手足がぽっかりしているのは熱放散をしているためです。また同じ頃、体内時計ホルモンであるメラトニンが分泌を始め入眠を促します。これら以外にもさまざまな生体機能が協調しあいながらハーモニーを奏でるように質の高い眠りのために作用します。朝方になると覚醒作用を持つ副腎皮質ホルモンの分泌が始まります。また脳の温度が自然に高くなります。このような準備状態が整って私たちは健やかな目覚めを迎えます。
メラトニンは睡眠を促進する作用を持ちますが、明るい光の下では分泌が停止します。静臥して熱放散を促し、メラトニン分泌を妨げないように消灯をした暗い部屋で休むことは、睡眠をサポートする生理機能の力を最大限に引き出す上でも大事なことなのです。
睡眠を維持ために生体機能を総動員
睡眠はすべての動物種でみられますが、睡眠の長さはさまざまです。一般的にコウモリやネズミなど運動量が多く、体重当たりの消費カロリー数が大きい動物種ほど睡眠時間が長い傾向があります。すなわち、睡眠は覚醒中に蓄積した疲労を回復すると同時に、エネルギーを節約するための最も効率の良い休養のあり方であるといえます。ヒトも成長とともに体重当たりの消費カロリーが減少します。睡眠時間、特に深い睡眠が年齢とともに減るのは理に適ったことであるともいえます。
睡眠もダイナミックに変化する
睡眠は決して「脳全体が一様に休んでいる状態」ではありません。眠っている間にも脳活動はさまざまに変化します。ヒトの睡眠は、ノンレム睡眠とレム睡眠(REM sleep)という質的に異なるふたつの睡眠状態で構成されています。レム睡眠は、眠っているときに眼球が素早く動く(英語でRapid Eye Movement)ことから名づけられました。ノンレム睡眠では脳波活動が低下し、睡眠の深さにしたがってさらに4段階に分けられます。睡眠は深いノンレム睡眠(段階3と4)から始まり、睡眠欲求が低下する朝方に向けて徐々に浅いノンレム睡眠(段階1と2)が増えてゆきます。その間に約90分周期でレム睡眠が繰り返し出現し、睡眠後半に向けて徐々に一回ごとのレム睡眠時間が増加してゆきます。
深いノンレム睡眠は大脳皮質の発達した高等生物で多く出現します。昼間に酷使した大脳皮質を睡眠前半で集中的に冷却し休養を取らせます。レム睡眠では全身の筋肉が弛緩し、エネルギーを節約して身体を休める睡眠といえます。レム睡眠時の脳波活動は比較的活発で夢をよく見るほか血圧や脈拍が変動することから、心身ともに覚醒への準備状態にある睡眠ともいえます。
体内時計たいないどけい
概日リズム(サーカディアンリズム)を形成するための24時間周期のリズム信号を発振する機構。生物時計とも呼ばれる。脳内の視床下部の視交叉上核に存在する。
生物は地球の自転による24時間周期の昼夜変化に同調して、ほぼ1日の周期で体内環境を積極的に変化させる機能を持っています。人間においても体温やホルモン分泌などからだの基本的な機能は約24時間のリズムを示すことがわかっています。この約24時間周期のリズムは概日リズム(サーカディアンリズム)と呼ばれます。
概日リズムは、光や温度変化のない条件で安静を保った状態においても認められることから、生物は体内に時計機構をもっていることが明らかとなり、これを体内時計(生物時計)と呼んでいます。哺乳類の体内時計は、脳の中心部下面にある視床下部の視交叉上核に存在することが分かっています。
ヒトの体内時計の周期は24時間よりも若干長いため(短い人も少数ながらいます)、体内時計のタイミングを外界の24時間周期の明暗周期に一致させるシステム(同調機構)があります。同調機構によって地球の公転による日長時間の季節変化や、時差地域への急速な移動にともなう明暗周期の変化に体内時計を一致させることができます。人間を含む哺乳類では網膜から体内時計への直接の神経繊維連絡があり、これにより目から入った明暗環境の情報が体内時計に伝達されます。人間では、朝の強い光は体内時計を早める方向に、夜の光はこれを遅らせる方向に働きます。
体内時計はなぜ24時間周期を形作ることができるのでしょうか。最近の分子生物学研究から明らかになったところによれば、体内時計細胞では幾つかの遺伝子(時計遺伝子)が時計蛋白を合成し、それらが相互に結合し、また分解されることを約24時間周期で繰り返しており、このような遺伝子活動から体内時計の概日リズム信号が生じているようです。
レム睡眠れむすいみん
睡眠段階の一つ。睡眠脳波から判別される。急速眼球運動と骨格筋活動の低下を特徴とする。レム睡眠中には夢をよく見る。レム睡眠の関係する睡眠障害として、ナルコレプシー、レム睡眠行動障害などがある。
睡眠脳波で判別されるノンレム睡眠以外のもう一つの睡眠段階で、急速眼球運動(rapid eye movements、REMs)と骨格筋(抗重力筋)の筋活動の低下を特徴とします。急速眼球運動の英語の頭文字をとってレム睡眠と呼びます。睡眠脳波はステージ1(寝入りばなのうとうと状態)と類似した低振幅パターンで、特徴的な鋸歯状波がしばしば出現します。心拍・呼吸が乱れるなど自律神経系が不安定になり、陰茎・陰核の勃起がみられます。
健康な人をレム睡眠期に覚醒させると約80%の割合で夢を見ていたと話すことから、レム睡眠は夢を見る睡眠段階と考えられています。ただし、ノンレム睡眠の時にもわずかながら夢を見ます。通常、夜間睡眠では深いノンレム睡眠(徐波睡眠、ステージ3、4)を経過した後にレム睡眠が出現します。ノンレム-レム睡眠周期は90-120分で、朝方になるにしたがってレム睡眠の持続が長くなり、一夜の睡眠全体では約20%を占めるのが普通です。レム睡眠は個体発生的・系統発生的にノンレム睡眠より古いと考えられ、発達期に最も多く、成人以後も加齢ととも減少する傾向があります。レム睡眠の関係する睡眠障害として、ナルコレプシ?、レム睡眠行動障害などが知られています。
ノンレム睡眠のんれむすいみん
睡眠段階の一つ。睡眠脳波から判別される。睡眠の深さによって4段階に分けられる。ノンレム睡眠が関係する睡眠障害には睡眠時遊行症、夜驚などがある。
睡眠脳波で判別すると、ヒトの睡眠はノンレム睡眠(non-REM sleep)とレム睡眠(REM sleep)という質的に異なる二つの睡眠段階に分類されます。ノンレム睡眠は睡眠の深さ(脳波の活動性)によってステージ1〜4(浅い→深い)の4段階に分けられます。ステージ1では頭蓋頂一過性鋭波、2では睡眠紡錘波およびK複合、3、4では低振幅徐波が出現します。ステージ3、4の段階は徐波睡眠(slow wave sleep, SWS)とよばれます。
ノンレム - レム睡眠周期は90〜120分間で、後半に進むにしたがいノンレム睡眠の持続は短くなり、睡眠徐波の出現は減少します。入眠前の覚醒時間の長さ、覚醒中の身体運動量、精神負荷量が増すとノンレム睡眠も長くなる(深くなる)と言われています。また入眠直後の徐波睡眠に一致して成長ホルモンの分泌がみられること、ノンレム睡眠中は副交感神経優位であることなどから、何らかのエネルギー保存機構と関連した睡眠と考えられています。加齢とともに徐波睡眠は減少します。ノンレム睡眠が関係する睡眠障害として、小児によくみられる睡眠時遊行症、夜驚などが知られています。
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