▼ 寝具と安眠の科学
安眠を得る寝具の条件
睡眠は健康の基本。毎日ぐっすり眠ってさわやかな朝を迎えたいものですが、なかなか寝つけなかったり、夜中にたびたび目覚めたり、朝起きると首から肩にかけて凝っていて疲労感があるという人もいます。
これらの睡眠障害は病気によることもありますが、寝具が原因している場合もあり、安眠を得るための条件を整えた寝具を使用することで不眠から解放される例も多いものです。
安眠を得るための条件には大きく分けて2つあります。
まず、私たちの体は眠ると体温が下がりますが、これは深い眠りを保つために体内から熱を出すためで、発汗作用によって行われています。したがって寝具はこの点を考え、吸湿性、放湿性のよいこと、そして体温が下がるので保湿性のよいことが第一条件になります。個人差がありますが、通常、寝床内の温度は33℃、湿度は50%の状態が最適とされます。
この条件で寝具の素材を考えると、ウール、羽毛、綿、合成繊維の順に吸湿性がよく、放湿性ではウール・綿、羽毛、合成繊維の順となり、天然素材が優れているということになります。
ただし、天然素材の場合はときどき干して乾燥させたり、クリーニングしないとダニやカビの温床になりやすいので、衛生面を考えると、抗菌・防臭・防ダニのための化学処理をした合成繊維が日ごろの手入れは便利です。新素材の合成繊維には吸・放湿性ともに優れたものもあるので、昨今の住宅事情ではこういったものの利用も考えられます。
もう1つの条件は、正しい寝姿勢を保つことです。寝姿勢も人それぞれで、上を向いて寝る人と横を向いて寝る人とがあり、1晩のうちには上を向いていても寝返りを打って横にもなります。
上を向いて寝るとは硬め、横向きのときは軟らかい寝具のほうが背骨の形はよくなりますが、上向きのときのほうが体圧は分散されるので、その寝姿勢を保てる寝具選びをすることがポイントになるでしょう。また上向きの姿勢では、背骨は支持面に対して腰の部分が2〜3センチの空きをもつのがよいとされています。
体圧については、人間の身体は頭部と胸部、臀部の3つの重いブロックを頚椎と腰椎でつなぐ構造になっており、臀部は体重の44%、胸部は33%、頭部は8%を占めています。
ですから、柔らかい寝具に寝ると各ブロックは深く沈んで横から見るとW字型になり、眠りにくい寝姿勢になってしまいます。しかし反面、硬すぎると胸部と臀部は寝具に当たったままで腰が浮いた状態になり、やはりよい寝姿勢とはいえません。
したがって、正しい姿勢を保つのは、身体との接触部分は柔らかく、クッション部分は適当な硬さをもって、この空きを確保できる寝具ということになります。
正しい就寝姿勢
正しい寝姿勢は、背骨の曲がり幅が立った状態の約半分、2〜3cmのときです。
柔らかすぎると、背骨が曲がり過ぎ、寝返りが多くなります。
硬すぎると、体圧を感じやすく、寝心地が悪くなります。
安眠枕のいろいろ
枕も安眠を得るために重要なものです。朝起きて肩凝りを感じたり寝疲れ感があるとしたら、枕の高さや硬さが原因していることがあります。
やはり枕も寝姿によって楽に得られる高さが違い、上向きの場合は3〜6センチ、横向きの場合は8〜12センチが適当とされていますが、人によって異なるので自分に合った高さを見つけ出すことです。
ちなみに、ひどいいびきは治療が必要ですが、寝姿勢を横にすることでいびき自体は改善されます。上向きだと睡眠中に舌の筋肉が緩み、舌根が奥の方に落ち込んで気道を狭め、出入りする空気がこの狭窄部分で震えるためにいびきが起こりやすくなるのですが、横になると舌根の落ち込みがなく空気の振動がなるからです。
こういった点を考慮して最近では、あえて左右の高さを変えて横向き姿勢を確保でき、自由に折り畳むことによって、好みの高さ、好みの材質の部分を使い分けられる安眠枕も商品化されています(写真参照)。
また頭も発汗するので、吸湿性、放湿性のよいことも素材の必要条件です。従来からのソバガラは熱の放射がよく頭寒足熱の原理に適しますが、感触が苦手な人も多く、最近では通気性にクッション構造や弾力性を取り入れた新素材が開発されています。
このほかに、森林浴効果を得るためヒノキを使用した枕、肩から首筋の凝りを刺激する磁気枕、冷却剤を入れたものなど、快眠のための枕も種々開発されているので、不眠に悩んでいる人は一度試してみるとよいでしょう。
快適温度を保つウォーターベッド
安眠のための寝床内温度については前述のとおりで、私たちは寝床内の温度は寝返りを打ったり、寝具を増やしたりして調整しますが、ウォーターベッドはヒーターによる温度調節ができるので便利です。
水温は寝室内の温湿度の状態にもよりますが、体表面温度との差5℃前後の、26℃〜28℃に設定できるようにしておけば、夏でも快適に眠れます。そして保温を必要とする冬場は温度の上がりすぎを防止する機能で対応できるため、冷え症の方にも適し、年間を通して、快適な温度が保てるのです。
また最近のウォーターベッドの構造には3つのバッグに水を分割して体圧を分散、さらにスプリングを組み合わせたものもあり、正しい寝姿勢を保って熟睡できるようになっています。
特に病人の場合は万年床になりやすいので、防湿、衛生の面で布団よりベッドが適していますが、なかでもウォーターベッドは、体圧分散によって血行がとだえることなく床ずれを防止することもできるので、病人にやさしい寝具ということがいえるでしょう。
http://www.net-dream.jp
睡眠は健康の基本。毎日ぐっすり眠ってさわやかな朝を迎えたいものですが、なかなか寝つけなかったり、夜中にたびたび目覚めたり、朝起きると首から肩にかけて凝っていて疲労感があるという人もいます。
これらの睡眠障害は病気によることもありますが、寝具が原因している場合もあり、安眠を得るための条件を整えた寝具を使用することで不眠から解放される例も多いものです。
安眠を得るための条件には大きく分けて2つあります。
まず、私たちの体は眠ると体温が下がりますが、これは深い眠りを保つために体内から熱を出すためで、発汗作用によって行われています。したがって寝具はこの点を考え、吸湿性、放湿性のよいこと、そして体温が下がるので保湿性のよいことが第一条件になります。個人差がありますが、通常、寝床内の温度は33℃、湿度は50%の状態が最適とされます。
この条件で寝具の素材を考えると、ウール、羽毛、綿、合成繊維の順に吸湿性がよく、放湿性ではウール・綿、羽毛、合成繊維の順となり、天然素材が優れているということになります。
ただし、天然素材の場合はときどき干して乾燥させたり、クリーニングしないとダニやカビの温床になりやすいので、衛生面を考えると、抗菌・防臭・防ダニのための化学処理をした合成繊維が日ごろの手入れは便利です。新素材の合成繊維には吸・放湿性ともに優れたものもあるので、昨今の住宅事情ではこういったものの利用も考えられます。
もう1つの条件は、正しい寝姿勢を保つことです。寝姿勢も人それぞれで、上を向いて寝る人と横を向いて寝る人とがあり、1晩のうちには上を向いていても寝返りを打って横にもなります。
上を向いて寝るとは硬め、横向きのときは軟らかい寝具のほうが背骨の形はよくなりますが、上向きのときのほうが体圧は分散されるので、その寝姿勢を保てる寝具選びをすることがポイントになるでしょう。また上向きの姿勢では、背骨は支持面に対して腰の部分が2〜3センチの空きをもつのがよいとされています。
体圧については、人間の身体は頭部と胸部、臀部の3つの重いブロックを頚椎と腰椎でつなぐ構造になっており、臀部は体重の44%、胸部は33%、頭部は8%を占めています。
ですから、柔らかい寝具に寝ると各ブロックは深く沈んで横から見るとW字型になり、眠りにくい寝姿勢になってしまいます。しかし反面、硬すぎると胸部と臀部は寝具に当たったままで腰が浮いた状態になり、やはりよい寝姿勢とはいえません。
したがって、正しい姿勢を保つのは、身体との接触部分は柔らかく、クッション部分は適当な硬さをもって、この空きを確保できる寝具ということになります。
正しい就寝姿勢
正しい寝姿勢は、背骨の曲がり幅が立った状態の約半分、2〜3cmのときです。
柔らかすぎると、背骨が曲がり過ぎ、寝返りが多くなります。
硬すぎると、体圧を感じやすく、寝心地が悪くなります。
安眠枕のいろいろ
枕も安眠を得るために重要なものです。朝起きて肩凝りを感じたり寝疲れ感があるとしたら、枕の高さや硬さが原因していることがあります。
やはり枕も寝姿によって楽に得られる高さが違い、上向きの場合は3〜6センチ、横向きの場合は8〜12センチが適当とされていますが、人によって異なるので自分に合った高さを見つけ出すことです。
ちなみに、ひどいいびきは治療が必要ですが、寝姿勢を横にすることでいびき自体は改善されます。上向きだと睡眠中に舌の筋肉が緩み、舌根が奥の方に落ち込んで気道を狭め、出入りする空気がこの狭窄部分で震えるためにいびきが起こりやすくなるのですが、横になると舌根の落ち込みがなく空気の振動がなるからです。
こういった点を考慮して最近では、あえて左右の高さを変えて横向き姿勢を確保でき、自由に折り畳むことによって、好みの高さ、好みの材質の部分を使い分けられる安眠枕も商品化されています(写真参照)。
また頭も発汗するので、吸湿性、放湿性のよいことも素材の必要条件です。従来からのソバガラは熱の放射がよく頭寒足熱の原理に適しますが、感触が苦手な人も多く、最近では通気性にクッション構造や弾力性を取り入れた新素材が開発されています。
このほかに、森林浴効果を得るためヒノキを使用した枕、肩から首筋の凝りを刺激する磁気枕、冷却剤を入れたものなど、快眠のための枕も種々開発されているので、不眠に悩んでいる人は一度試してみるとよいでしょう。
快適温度を保つウォーターベッド
安眠のための寝床内温度については前述のとおりで、私たちは寝床内の温度は寝返りを打ったり、寝具を増やしたりして調整しますが、ウォーターベッドはヒーターによる温度調節ができるので便利です。
水温は寝室内の温湿度の状態にもよりますが、体表面温度との差5℃前後の、26℃〜28℃に設定できるようにしておけば、夏でも快適に眠れます。そして保温を必要とする冬場は温度の上がりすぎを防止する機能で対応できるため、冷え症の方にも適し、年間を通して、快適な温度が保てるのです。
また最近のウォーターベッドの構造には3つのバッグに水を分割して体圧を分散、さらにスプリングを組み合わせたものもあり、正しい寝姿勢を保って熟睡できるようになっています。
特に病人の場合は万年床になりやすいので、防湿、衛生の面で布団よりベッドが適していますが、なかでもウォーターベッドは、体圧分散によって血行がとだえることなく床ずれを防止することもできるので、病人にやさしい寝具ということがいえるでしょう。
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