一日の活動が終り、夜空に星が輝く頃になると、 私たちは睡眠をとります。
そして、その睡眠によって一日の疲れを回復させています。
成人では平均すると毎日7〜8時間程度の睡眠をとることが大切だといわれています。しかし、この睡眠時間には、人によって大きな個人差があります。
特に、高齢者では睡眠時間が短くなったり、夜の眠りがとぎれがちになるために、これを気にして、病気になるのではないかとあれこれ悩む人や、心配する人がいます。そこで、高齢者の睡眠と健康をテーマに、不眠とその対策について考えてみましょう。
それではまず、私たちの睡眠がどのように起こっているのか、そのしくみを見てみましょう。
睡眠は、かつて心やからだの疲れをいやすための休息状態とされてきましたが、今日ではいろいろな根拠からそうではなくて、脳の働きによって起こる積極的な活動のひとつと考えられています。
私たちが眠っている間には、性質の違った二つの種類の睡眠が繰り返されています。それらは、それぞれ「レム睡眠」、「ノンレム睡眠」と呼ばれています。眠りにつくと、はじめにノンレム睡眠が起こり、このノンレム睡眠が次第に深くなっていきます。つまり、はじめの、すやすやと眠る浅い第一段階のノンレム睡眠から、第二段階、第三段階へとだんだん眠りが深くなり、遂に最も深くぐっすりと眠る第四段階のノンレム睡眠に達すると、その次にレム睡眠が起こります。このレム睡眠の状態にある人を起こしてみると、十人中八人くらいの人が夢を見ており、このレム睡眠は夢と関係の深い睡眠と考えられています。このノンレム睡眠とレム睡眠が、睡眠のひとつの周期を作っています。
このノンレム睡眠からレム睡眠までは、だいたい一時間半から二時間の間隔があり、健康な人は、この繰り返しが普通、一晩に4〜5回起こっています。但し、寝ついたばかりの項と、明け方では、その内容が少し違います。寝ついたばかりの頃は、ノンレム睡眠の第三・第四段階の深い眠りの段階がありますが、明け方には眠りが浅くなり、夢をみるレム睡眠が長くなります。
生まれたばかりの赤ちゃんは、三時間から四時間おきにミルクを飲んだりウンチをしたりして、後は殆ど眠っています。このように、一日に何回も眠ったり起きたりする睡眠を「多相性睡眠」といいます。
こうした乳幼児期の多相性睡眠も、やがて大人になると集中的に夜だけ眠るようになります。これを夜に一回だけ眠るところから「単相性睡眠」と呼びます。そして、老年期に入ると、再び昼間でも居眠りをしたり、夜間に目が覚めやすくなったりします。これは老化現象の一つで、脳の機能が衰えるためと考えられます。高齢者で、不眠を訴える人が多くなるのは、このように、睡眠が中断する傾向と関係があります。
では、一体どれ位、不眠を訴える高齢者がいるのでしょうか?東京都の在宅老人4,500人を対象とした調査では、全体のおおよそ6分の1の人が不眠を訴えています。また、アメリカでは、60歳以上の老人の4分の1以上が不眠を訴えているという報告もあります。これが70歳以上になるとさらに増え、その60%が、眠れないという悩みをかかえているとさえいわれています。
では、不眠とはどんな状態でしょうか。代表的な症状から、不眠をいくつかのタイプに分類してみましょう。
まず、その第一は、寝つきが悪いタイプ、つまり床について目をとじてもなかなか眠れない状態です。そこで、仕方なく、寝酒をする人もいます。第二は、夜中に何回も目が覚めるタイプです。家の中で歩く足音など、ちょっとした物音でもすぐに目が覚めてしまうものです。一旦寝ついて、すぐ目が覚めるといった状態を繰り返します。第三は、朝早く目が覚めてしまうタイプです。途中まではぐっすり眠ってはいるのですが、まだ外が暗いうちに目が覚めてしまい、その後寝つけなくて、軽くウトウトする程度で朝を迎えてしまいます。第四は、熟眠感のないタイプです。このタイプの人々は、一応眠ってはいますが、朝になって目が覚めた時に、一晩ぐっすり眠ったという満足感や爽快感がありません。以上、不眠のタイプをのべましたが、これらは不眠の原因とは必らずしも結びつくものではないようです。
この不眠の継続期間は、原因によって違います。数日程度のものから、何週間にもわたって続くものまでさまざまです。
数日程度の不眠(一過性不眠)は、原因がはっきりしています。たとえば旅行や引越し、入院をしたばかりの時などというような環境の変化によって起こります。
また、2〜3週間続く不眠の原因には家族の病気や、その他心配事などがあります。しかし、このようなタイプの不眠は、時間が過ぎて心理的な痛手が和らいだり、心配事やゴタゴタが多少とも解決すれば、再び普通に眠れるようになります。
不眠が3週間以上も続くときは、病気が原因となっている場合があります。なるべく早く専門の医師に相談し、必要に応じて適切な処置や治療を受けることをお勧めします。
ではここで、長期間にわたる不眠の原因となる病気の主なものをいくつかあげてみましょう。
まずはじめに、脳の病気に属するものですが、これには神経細胞が減少して脳が縮小するタイプの器質性精神障害と、これとは異なるタイプの心の病である、機能性精神障害、その他の精神障害があります。
器質性精神障害には、脳の血管の病気による、いわゆる脳動脈硬化症や脳卒中後遺症と、その他の病的な原因て起こる痴呆、つまり、病的なボケを伴ういろいろな病気があります。
次に、躁酵病、精神分裂病などのほか、アルコール依存症や睡眠薬などの薬物乱用も不眠のもとになります。また、神経症は、性格や環境の問題がからみ合って起こるもので、眠りに強くとらわれるタイプがあります。以上は、いずれもさまざまな心の病気によって起こる不眠です。それぞれ原因に対する治療を行うことによって不眠を改善させることができます。
なお、高齢者の場合、単なる不眠と間違え易いものに、次のような状態があります。それは、ぼんやりとして意識がはっきりしない状態で、脳卒中の後や脳動脈硬化症の人に起こり易いものです。この状態は夕方以降に起こりやすく、錯覚や見当外れの言動が目立ちます。ぼんやりして動きの少ないものから、興奮して歩きまわったり、大声をあげるものまでさまざまです。これらは全て意識障害によるものですから、原因疾病の治療が必要です。
からだの病気が不眠の原因になることがあります。
睡眠中に呼吸が一時的に止まるために息苦しくなって目覚めたり、眠りが浅くなる「睡眠時無呼吸症候群」
膝から下の筋肉が数十秒の周期でぴくぴくと数秒程度収縮し、それが不眠の原因となる「睡眠時ミオクローヌス」などがあります。そして、高血圧や心臓病、肺や腎臓の病気、前立腺肥大、糖尿病などがあげられます。もちろん、こういった場合は、不眠そのものより背後にある病気の治療が先決です。
また、いろいろな感染症などによる発熱、皮膚疾患によるかゆみ、関節炎などの痛み、貧血、下痢などが原因で不眠になることがあります。これらの原因となっている症状がとれれば、不眠はおのずと消失します。
では、ここで不眠解消の対策を考えてみましょう。
もしも、不眠が続いて日常生活にも支障が出てきたら、一度専門医に相談されることをおすすめします。そして、もし単に年齢によるものとわかれば、少し位眠れなくても心配する必要はありません。ここで大切なのは、眠れないことを一人でくよくよ考えていると、その心配する気持ちそのものが、心やからだに悪い影響を与えてしまうということです。
社会環境が複雑になり、ライフスタイルも多様化している現代では、不眠の原因も多種多様になっています。医師との相談で大切なのは、日頃のからだの具合や生活の状況、不眠の症状などの情報をできるだけ正確に具体的に伝えることです。
診断や治療のために専門医が必要とする情報は大体次のようにまとめられます。つまり、
・昼寝も含めて一日の睡眠時間
・昼間眠りたいか
・寝つき
・睡眠途中で目が覚める回数と頻度
・朝の目覚める時間
・目覚めの気分
・お酒や薬に頼って眠る習慣
・病気にかかっているか
などについて、できる範囲で具体的に話すことが、治療のためにも大変役に立つのです。
試みに、自分が不眠症だと悩んでいる人の睡眠を、ポリグラフという装置を使って詳しく調べてみると、多くの場合、寝つきが少し遅い程度で、それ以外は普通と変わらない睡眠パターンを示すものです。つまり、こういう人たちのほとんどは「不眠症」というより「不眠恐怖症」なのです。こういう場合は、常識的な範囲で床につく時間と床から出る時間を大体決めておき、日中はなるべく活動的に過ごすことが大切です。
それでは最後に、快眠のための八カ条について、説明しましょう。気分爽快に目が覚めた時、健康な一日が始まります。反対に目覚めが悪いと、何となくその日のスタートが切り難いものです。そこで、爽やかな目覚めを迎えるために、ここで皆さんに「快眠のための八カ条」を提案しましょう。
快眠のための八カ条
・快眠のための第1カ条
それは「規則正しい生活」です。床に入る時間と起床する時間を大体決めておき、一日のリズムを規則正しく保ちましょう。夜ふかしや昼寝のしすぎは安眠の大敵ですから、くれぐれも注意して下さい!
・快眠のための第2カ条
それは「適度な運動」です。適度な疲れは寝つきを良くしてくれます。日常の生活においては、必要に応じておっくうがらず身辺の用事を片付けたり、軽い疲れを覚えるくらい、適度な運動をすることは、質の良い睡眠につながります。
・快眠のための第3カ条
それは「心を豊かに」です。いつもイライラしたり、くよくよしている人に、不眠が多いようです。充ち足りた日常を送っている人々は生きがいに支えられ、精神的にも安定しているものです。積極的に自分の趣味や役割に取り組んで、残された人生を豊かなものにする努力は、よりよい眠り以上のみのりをもたらしてくれるはずです。
・快眠のための第4カ条
それは「寝室を適温に」です。ここちよい睡眠は、快適な環境づくりから始まります。睡眠のための適温は20℃前後で、湿度は40%〜70%くらいに保つのが良いといわれています。
・快眠のための第5カ条
それは「寝室の適度な暗さと静かさ」です。寝室の環境づくりの二つ目のポイントは、照明と遮音です。室内はできるだけ暗くし、外からの音をさえぎる工夫をしましょう。もっとも、これは習慣によって好みに多少個人差があるものです。要は、自分に合った条件を整えることでしょう。
・快眠のための第6カ条
それは「敷きぶとんやマットを適度の硬さに」することです。よい眠りのためには敷きぶとんやマットは柔らかすぎず、そうかといって硬くもなく、適度な硬さのものがよいとされています。
・快眠のための第7カ条
それは「夏は吸湿性、冬は保温性のよい寝具を」ということです。夏は汗を吸収しやすく、冬は保温のよい寝具を用意することが大切です。
・快眠のための第8カ条
それは「お茶やコーヒーはほどほどに」ということです。カフェインを含む飲料は利尿作用もあるので、夕方から夜にかけての飲用はトイレ通いにつながることがあるので、控えめにすることです。
以上、8カ条以外にも、寝つきをよくするための対策はいろいろ考えられます。たとえば、寝る前位に「散歩や軽い体操をする」「ぬるま湯にゆっくり入る」また、「お酒に強くない方は少量の寝酒を試してみる」のも効果的です。いろいろ工夫してみると良いでしょう。
不眠は決して恐ろしいものでも、治りにくいものでもありません。正しい指導のもとで規則正しい日常生活を心掛けることによって、必ず克服できるものです。
さあ、日常生活のリズムを取り戻して、これからの人生をみのりある豊かなものにしようではありませんか。
http://www.net-dream.jp
そして、その睡眠によって一日の疲れを回復させています。
成人では平均すると毎日7〜8時間程度の睡眠をとることが大切だといわれています。しかし、この睡眠時間には、人によって大きな個人差があります。
特に、高齢者では睡眠時間が短くなったり、夜の眠りがとぎれがちになるために、これを気にして、病気になるのではないかとあれこれ悩む人や、心配する人がいます。そこで、高齢者の睡眠と健康をテーマに、不眠とその対策について考えてみましょう。
それではまず、私たちの睡眠がどのように起こっているのか、そのしくみを見てみましょう。
睡眠は、かつて心やからだの疲れをいやすための休息状態とされてきましたが、今日ではいろいろな根拠からそうではなくて、脳の働きによって起こる積極的な活動のひとつと考えられています。
私たちが眠っている間には、性質の違った二つの種類の睡眠が繰り返されています。それらは、それぞれ「レム睡眠」、「ノンレム睡眠」と呼ばれています。眠りにつくと、はじめにノンレム睡眠が起こり、このノンレム睡眠が次第に深くなっていきます。つまり、はじめの、すやすやと眠る浅い第一段階のノンレム睡眠から、第二段階、第三段階へとだんだん眠りが深くなり、遂に最も深くぐっすりと眠る第四段階のノンレム睡眠に達すると、その次にレム睡眠が起こります。このレム睡眠の状態にある人を起こしてみると、十人中八人くらいの人が夢を見ており、このレム睡眠は夢と関係の深い睡眠と考えられています。このノンレム睡眠とレム睡眠が、睡眠のひとつの周期を作っています。
このノンレム睡眠からレム睡眠までは、だいたい一時間半から二時間の間隔があり、健康な人は、この繰り返しが普通、一晩に4〜5回起こっています。但し、寝ついたばかりの項と、明け方では、その内容が少し違います。寝ついたばかりの頃は、ノンレム睡眠の第三・第四段階の深い眠りの段階がありますが、明け方には眠りが浅くなり、夢をみるレム睡眠が長くなります。
生まれたばかりの赤ちゃんは、三時間から四時間おきにミルクを飲んだりウンチをしたりして、後は殆ど眠っています。このように、一日に何回も眠ったり起きたりする睡眠を「多相性睡眠」といいます。
こうした乳幼児期の多相性睡眠も、やがて大人になると集中的に夜だけ眠るようになります。これを夜に一回だけ眠るところから「単相性睡眠」と呼びます。そして、老年期に入ると、再び昼間でも居眠りをしたり、夜間に目が覚めやすくなったりします。これは老化現象の一つで、脳の機能が衰えるためと考えられます。高齢者で、不眠を訴える人が多くなるのは、このように、睡眠が中断する傾向と関係があります。
では、一体どれ位、不眠を訴える高齢者がいるのでしょうか?東京都の在宅老人4,500人を対象とした調査では、全体のおおよそ6分の1の人が不眠を訴えています。また、アメリカでは、60歳以上の老人の4分の1以上が不眠を訴えているという報告もあります。これが70歳以上になるとさらに増え、その60%が、眠れないという悩みをかかえているとさえいわれています。
では、不眠とはどんな状態でしょうか。代表的な症状から、不眠をいくつかのタイプに分類してみましょう。
まず、その第一は、寝つきが悪いタイプ、つまり床について目をとじてもなかなか眠れない状態です。そこで、仕方なく、寝酒をする人もいます。第二は、夜中に何回も目が覚めるタイプです。家の中で歩く足音など、ちょっとした物音でもすぐに目が覚めてしまうものです。一旦寝ついて、すぐ目が覚めるといった状態を繰り返します。第三は、朝早く目が覚めてしまうタイプです。途中まではぐっすり眠ってはいるのですが、まだ外が暗いうちに目が覚めてしまい、その後寝つけなくて、軽くウトウトする程度で朝を迎えてしまいます。第四は、熟眠感のないタイプです。このタイプの人々は、一応眠ってはいますが、朝になって目が覚めた時に、一晩ぐっすり眠ったという満足感や爽快感がありません。以上、不眠のタイプをのべましたが、これらは不眠の原因とは必らずしも結びつくものではないようです。
この不眠の継続期間は、原因によって違います。数日程度のものから、何週間にもわたって続くものまでさまざまです。
数日程度の不眠(一過性不眠)は、原因がはっきりしています。たとえば旅行や引越し、入院をしたばかりの時などというような環境の変化によって起こります。
また、2〜3週間続く不眠の原因には家族の病気や、その他心配事などがあります。しかし、このようなタイプの不眠は、時間が過ぎて心理的な痛手が和らいだり、心配事やゴタゴタが多少とも解決すれば、再び普通に眠れるようになります。
不眠が3週間以上も続くときは、病気が原因となっている場合があります。なるべく早く専門の医師に相談し、必要に応じて適切な処置や治療を受けることをお勧めします。
ではここで、長期間にわたる不眠の原因となる病気の主なものをいくつかあげてみましょう。
まずはじめに、脳の病気に属するものですが、これには神経細胞が減少して脳が縮小するタイプの器質性精神障害と、これとは異なるタイプの心の病である、機能性精神障害、その他の精神障害があります。
器質性精神障害には、脳の血管の病気による、いわゆる脳動脈硬化症や脳卒中後遺症と、その他の病的な原因て起こる痴呆、つまり、病的なボケを伴ういろいろな病気があります。
次に、躁酵病、精神分裂病などのほか、アルコール依存症や睡眠薬などの薬物乱用も不眠のもとになります。また、神経症は、性格や環境の問題がからみ合って起こるもので、眠りに強くとらわれるタイプがあります。以上は、いずれもさまざまな心の病気によって起こる不眠です。それぞれ原因に対する治療を行うことによって不眠を改善させることができます。
なお、高齢者の場合、単なる不眠と間違え易いものに、次のような状態があります。それは、ぼんやりとして意識がはっきりしない状態で、脳卒中の後や脳動脈硬化症の人に起こり易いものです。この状態は夕方以降に起こりやすく、錯覚や見当外れの言動が目立ちます。ぼんやりして動きの少ないものから、興奮して歩きまわったり、大声をあげるものまでさまざまです。これらは全て意識障害によるものですから、原因疾病の治療が必要です。
からだの病気が不眠の原因になることがあります。
睡眠中に呼吸が一時的に止まるために息苦しくなって目覚めたり、眠りが浅くなる「睡眠時無呼吸症候群」
膝から下の筋肉が数十秒の周期でぴくぴくと数秒程度収縮し、それが不眠の原因となる「睡眠時ミオクローヌス」などがあります。そして、高血圧や心臓病、肺や腎臓の病気、前立腺肥大、糖尿病などがあげられます。もちろん、こういった場合は、不眠そのものより背後にある病気の治療が先決です。
また、いろいろな感染症などによる発熱、皮膚疾患によるかゆみ、関節炎などの痛み、貧血、下痢などが原因で不眠になることがあります。これらの原因となっている症状がとれれば、不眠はおのずと消失します。
では、ここで不眠解消の対策を考えてみましょう。
もしも、不眠が続いて日常生活にも支障が出てきたら、一度専門医に相談されることをおすすめします。そして、もし単に年齢によるものとわかれば、少し位眠れなくても心配する必要はありません。ここで大切なのは、眠れないことを一人でくよくよ考えていると、その心配する気持ちそのものが、心やからだに悪い影響を与えてしまうということです。
社会環境が複雑になり、ライフスタイルも多様化している現代では、不眠の原因も多種多様になっています。医師との相談で大切なのは、日頃のからだの具合や生活の状況、不眠の症状などの情報をできるだけ正確に具体的に伝えることです。
診断や治療のために専門医が必要とする情報は大体次のようにまとめられます。つまり、
・昼寝も含めて一日の睡眠時間
・昼間眠りたいか
・寝つき
・睡眠途中で目が覚める回数と頻度
・朝の目覚める時間
・目覚めの気分
・お酒や薬に頼って眠る習慣
・病気にかかっているか
などについて、できる範囲で具体的に話すことが、治療のためにも大変役に立つのです。
試みに、自分が不眠症だと悩んでいる人の睡眠を、ポリグラフという装置を使って詳しく調べてみると、多くの場合、寝つきが少し遅い程度で、それ以外は普通と変わらない睡眠パターンを示すものです。つまり、こういう人たちのほとんどは「不眠症」というより「不眠恐怖症」なのです。こういう場合は、常識的な範囲で床につく時間と床から出る時間を大体決めておき、日中はなるべく活動的に過ごすことが大切です。
それでは最後に、快眠のための八カ条について、説明しましょう。気分爽快に目が覚めた時、健康な一日が始まります。反対に目覚めが悪いと、何となくその日のスタートが切り難いものです。そこで、爽やかな目覚めを迎えるために、ここで皆さんに「快眠のための八カ条」を提案しましょう。
快眠のための八カ条
・快眠のための第1カ条
それは「規則正しい生活」です。床に入る時間と起床する時間を大体決めておき、一日のリズムを規則正しく保ちましょう。夜ふかしや昼寝のしすぎは安眠の大敵ですから、くれぐれも注意して下さい!
・快眠のための第2カ条
それは「適度な運動」です。適度な疲れは寝つきを良くしてくれます。日常の生活においては、必要に応じておっくうがらず身辺の用事を片付けたり、軽い疲れを覚えるくらい、適度な運動をすることは、質の良い睡眠につながります。
・快眠のための第3カ条
それは「心を豊かに」です。いつもイライラしたり、くよくよしている人に、不眠が多いようです。充ち足りた日常を送っている人々は生きがいに支えられ、精神的にも安定しているものです。積極的に自分の趣味や役割に取り組んで、残された人生を豊かなものにする努力は、よりよい眠り以上のみのりをもたらしてくれるはずです。
・快眠のための第4カ条
それは「寝室を適温に」です。ここちよい睡眠は、快適な環境づくりから始まります。睡眠のための適温は20℃前後で、湿度は40%〜70%くらいに保つのが良いといわれています。
・快眠のための第5カ条
それは「寝室の適度な暗さと静かさ」です。寝室の環境づくりの二つ目のポイントは、照明と遮音です。室内はできるだけ暗くし、外からの音をさえぎる工夫をしましょう。もっとも、これは習慣によって好みに多少個人差があるものです。要は、自分に合った条件を整えることでしょう。
・快眠のための第6カ条
それは「敷きぶとんやマットを適度の硬さに」することです。よい眠りのためには敷きぶとんやマットは柔らかすぎず、そうかといって硬くもなく、適度な硬さのものがよいとされています。
・快眠のための第7カ条
それは「夏は吸湿性、冬は保温性のよい寝具を」ということです。夏は汗を吸収しやすく、冬は保温のよい寝具を用意することが大切です。
・快眠のための第8カ条
それは「お茶やコーヒーはほどほどに」ということです。カフェインを含む飲料は利尿作用もあるので、夕方から夜にかけての飲用はトイレ通いにつながることがあるので、控えめにすることです。
以上、8カ条以外にも、寝つきをよくするための対策はいろいろ考えられます。たとえば、寝る前位に「散歩や軽い体操をする」「ぬるま湯にゆっくり入る」また、「お酒に強くない方は少量の寝酒を試してみる」のも効果的です。いろいろ工夫してみると良いでしょう。
不眠は決して恐ろしいものでも、治りにくいものでもありません。正しい指導のもとで規則正しい日常生活を心掛けることによって、必ず克服できるものです。
さあ、日常生活のリズムを取り戻して、これからの人生をみのりある豊かなものにしようではありませんか。
http://www.net-dream.jp
この記事のトラックバックURL
http://netdream.blog112.fc2.com/tb.php/75-e6d8faa4
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック


