末期がんのQOL

ここでは、 末期がんのQOL に関する情報を紹介しています。
近年、特にがん診療の場では、治療法の選択などにインフォームド・コンセントとかQOL(生活あるいは生命の質)とかの概念が導入されるようになりました。特に、末期がん患者については「キュア(治癒)からケアへ」などと、激烈な副作用を伴う積極的な治療よりも、患者や家族のQOLを考慮した症状の緩和が重要視されるようになっています。このような学問や臨床領域は「緩和医療学」とも呼ばれています。
 さて、末期がん患者のQOLを考える際には、やはりいくつかの側面から患者や家族の満足度が得られているのかを考えていかなければなりません。

(1)身体的側面
 末期がん患者の日常活動レベルの程度や制限や、痛みや吐き気が適切に緩和されているのかは大事な側面です。食欲や味覚の問題もQOLに影響を与えているのです。

(2)精神的側面
 末期がん患者の不安や孤立感、あるいは抑うつ感などの程度や、それが適切に治療されているのかはQOL評価にとって重要な側面です。痛みその他の理由で眠れない、などもQOLを低くする症状ですし、さらに、死を迎える心の平安が得られているのかも重要視されなければならない側面であります。

(3)医療環境的側面
 入院環境や外来などの環境などもQOLに影響を与えています。さらには、医師や他の医療従事者とのコミュニケーションや信頼感、あるいは治療方針決定への参加やインフォームド・コンセント なども重要な因子となっています。

(4)生活的側面
 医療費をめぐる経済的な側面や、残される家族の経済的な側面も患者のQOLに影響を与える重要な因子です。さらに、親しい人や大切な人と最期の大事な時間を過ごせるのか否かという問題も大きな因子になっています。

 このように、末期がん患者のQOLには多くの因子が影響を与え、そのすべてが非常に重要な因子となっています。これらの視点に加えて、スピリチュアル(霊的)な側面や宗教的な側面も考慮していかなければいけなくなるのです。しかし、末期がん患者のQOLを考える医療従事者や家族や友人にとって最も大切なことは、そのターミナルケアの時期は、末期がん患者にとって、自分自身の人生を振り返ることができたり、親しい人たちに言葉を残したりするなど、人生で一番大切な時間であるという意識であることは言うまでもありません。
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