強い足腰は、活動的な日常生活をおくるうえで非常に重要です。お勧めのトレーニング法は椅子から立ち上がって座る「椅子スクワット」です。膝への負担が小さく安全に効果的に足腰を鍛えることができます。また、足を前方に振りだす筋力を鍛える腿あげ運動も合わせて行うとよいでしょう。
立ったり、歩いたりといった体を支える日常動作の基盤となる動作は主に下肢の筋肉によって行います。ですから、強い「足腰」は活動的な日常生活をおくる上で非常に重要となります。強い足腰を作るためのトレーニング方法としてお勧めなのが、座って立ち上がる動作を繰り返し行うスクワットというレジスタンス運動です。立ちあがる動作では膝関節を伸展させる太腿前の大腿四頭筋や股関節を伸展させる(大腿部を後方に振る動作)お尻の大臀筋、太腿裏のハムストリングスなどの下肢全体の筋肉をしっかり鍛えることができます。また、胸を張って上体をしっかり支えた姿勢で行いますので、腹筋群、背筋群の強化にも効果があります。年齢を感じさせない元気な姿を舞台で披露してくれる女優の森光子さんがスクワットを毎日欠かさず行っていることは良く知られるところでしょう。
ただし、スクワットにはフォームによっては膝関節を痛めやすいという問題があります。上体がまっすぐに起きて膝が前に出るフォームは、膝伸展筋の大腿四頭筋を鍛える効果的な方法ですが、膝傷害の危険性という点ではあまり勧められません。構造上膝関節が脆弱となる膝が深く屈曲した状態のときに、膝関節にとても強い負荷がかかるフォームだからです。膝を痛めないように安全にスクワットを行うためには、お尻を後ろに引いて上体をやや前傾し、膝が前に出ないフォームで行う必要があります。高齢者向けの運動処方として椅子から立ち上がって座る動作を繰り返す「椅子スクワット」がよく行われます。椅子スクワットでは、椅子に座るためにお尻を引いて上体を前頃したフォームになりますので、自然に膝を痛めずに安全に行えるフォームになります。また、しゃがみ込みから立ち上がり動作に移行する「切り返し」動作での劇力(強くて瞬間的に加わる力)が加わりません。しゃがみ込みが深くなりすぎることがないことも安全性という点で優れています。
また、地面を蹴りだす筋肉だけでなく、歩行動作等では足を前に振りだす働きをする筋肉もまた重要となります。太腿を前に振りだす下腹の深部にある腸腰筋(大腰筋と腸骨筋の2つを合わせて腸腰筋という:)や、つま先をあげるすねにある前脛骨筋などがその役割を担います。これらの筋肉が発達しているほど、歩幅が広く歩行速度が速くなること、またしっかりと足を振り出せることにより転倒のリスクが低減することが分かっています。これらの筋肉を効果的に鍛える方法として、立位で太腿を交互に引き上げる腿あげ運動や、椅子に座ってつま先を上に挙げるトゥーレイズなどを行うとよいでしょう。また、これらの足腰を鍛えるトレーニングを行うことも大切ですが、なによりも活動的に日常から体を動かして普段から足腰をよく使ってあげることが大切です。
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立ったり、歩いたりといった体を支える日常動作の基盤となる動作は主に下肢の筋肉によって行います。ですから、強い「足腰」は活動的な日常生活をおくる上で非常に重要となります。強い足腰を作るためのトレーニング方法としてお勧めなのが、座って立ち上がる動作を繰り返し行うスクワットというレジスタンス運動です。立ちあがる動作では膝関節を伸展させる太腿前の大腿四頭筋や股関節を伸展させる(大腿部を後方に振る動作)お尻の大臀筋、太腿裏のハムストリングスなどの下肢全体の筋肉をしっかり鍛えることができます。また、胸を張って上体をしっかり支えた姿勢で行いますので、腹筋群、背筋群の強化にも効果があります。年齢を感じさせない元気な姿を舞台で披露してくれる女優の森光子さんがスクワットを毎日欠かさず行っていることは良く知られるところでしょう。
ただし、スクワットにはフォームによっては膝関節を痛めやすいという問題があります。上体がまっすぐに起きて膝が前に出るフォームは、膝伸展筋の大腿四頭筋を鍛える効果的な方法ですが、膝傷害の危険性という点ではあまり勧められません。構造上膝関節が脆弱となる膝が深く屈曲した状態のときに、膝関節にとても強い負荷がかかるフォームだからです。膝を痛めないように安全にスクワットを行うためには、お尻を後ろに引いて上体をやや前傾し、膝が前に出ないフォームで行う必要があります。高齢者向けの運動処方として椅子から立ち上がって座る動作を繰り返す「椅子スクワット」がよく行われます。椅子スクワットでは、椅子に座るためにお尻を引いて上体を前頃したフォームになりますので、自然に膝を痛めずに安全に行えるフォームになります。また、しゃがみ込みから立ち上がり動作に移行する「切り返し」動作での劇力(強くて瞬間的に加わる力)が加わりません。しゃがみ込みが深くなりすぎることがないことも安全性という点で優れています。
また、地面を蹴りだす筋肉だけでなく、歩行動作等では足を前に振りだす働きをする筋肉もまた重要となります。太腿を前に振りだす下腹の深部にある腸腰筋(大腰筋と腸骨筋の2つを合わせて腸腰筋という:)や、つま先をあげるすねにある前脛骨筋などがその役割を担います。これらの筋肉が発達しているほど、歩幅が広く歩行速度が速くなること、またしっかりと足を振り出せることにより転倒のリスクが低減することが分かっています。これらの筋肉を効果的に鍛える方法として、立位で太腿を交互に引き上げる腿あげ運動や、椅子に座ってつま先を上に挙げるトゥーレイズなどを行うとよいでしょう。また、これらの足腰を鍛えるトレーニングを行うことも大切ですが、なによりも活動的に日常から体を動かして普段から足腰をよく使ってあげることが大切です。
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全身持久力は、スタミナや粘り強さのことをいいます。運動生理学の分野では、最大酸素摂取量という指標によって全身持久力を評価します。最大酸素摂取量は、心血管系疾患の罹患率や死亡率に関連することがいくつかの研究で明らかにされています。つまり、全身持久力を高めることは、健康づくりに役立つといえます。
「彼はスタミナがある」というような言い方をしますが、このスタミナや粘り強さのことを体力の構成要素で言うと「全身持久力」といいます。全身持久力は、長時間身体を動かすことのできる能力を意味し、学校の体育の時間などでは800m走などの記録時間を計って評価します。しかし、このような持久走の記録では、その日の体調や心理的な影響が強く反映されてしまいます。そのため運動生理学の分野では、特別な実験室を使って最大酸素摂取量という指標を算出します。最大酸素摂取量とは、1分間に体内に取り込まれる酸素の最大量をいいます。酸素は、体内で化学的なエネルギーを作るときに使われますが、その消費量が多いほどたくさんのエネルギーが作り出されます。エネルギーの生産量が多いほど、身体を長く動かすことができるので、最大酸素摂取量を測ることによって全身持久力が評価できるのです。このため、全身持久力は、有酸素能力とも呼ばれています。
それではなぜ全身持久力が必要なのでしょうか。全身持久力の高い人と低い人を比べた場合、全身持久力の低い人は高い人よりも3〜4倍死亡率が高かったという研究結果があります。この理由の1つとしては、全身持久力が身体活動量との間に強い相関関係があるためと考えられます。身体活動量を普段から高めておけば、肥満を予防することができ、インスリンの感受性を高めたり、動脈硬化を予防したりするなど、生活習慣病の予防に効果的であると考えられます。一方、高い全身持久力の恩恵について、もう1つ別の見方をすることができます。人を含めた生物は、生きるためには必ず身体の移動を伴います。寝たきりで一生を過ごす生物はありえません。身体を動かすためにはエネルギーが必要で、これを体内で作り出すときには、活性酸素のような身体に有害となる物質も同時に生産されてしまいます。このような物質は、通常は抗酸化物質によって除去されますが、身体活動の強度が高くなると生産量も多くなります。全身持久力の高い人はエネルギー消費の予備力が高い、つまり同じ身体活動を行っても低い人より余裕があるので、身体に有害となる物質の生産量も少なくなります。全身持久力を高めるということは、活性酸素からわが身を守ることにもつながるといえます。
全身持久力を高めるためには、有酸素運動が効果的です。有酸素運動とは、リズミカルで長時間続けられる運動をいいます。ジョギングやサイクリング、速歩などの運動で、「ハアハア」というリズミカルな呼吸が特徴です。立ち止まって「ゼイゼイ」と肩で呼吸するような運動は、それよりも強度が高い無酸素運動です。なかでも速歩は、誰もが手軽に参加でき、低コストで安全ですのでおすすめです。「健康づくりのための運動指針〜エクササイズガイド2006」では、1日1万歩あるいは週に60分の速歩が目標として掲げられています。健康づくりのために、まずは1日1万歩を目指すとよいでしょう。
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「彼はスタミナがある」というような言い方をしますが、このスタミナや粘り強さのことを体力の構成要素で言うと「全身持久力」といいます。全身持久力は、長時間身体を動かすことのできる能力を意味し、学校の体育の時間などでは800m走などの記録時間を計って評価します。しかし、このような持久走の記録では、その日の体調や心理的な影響が強く反映されてしまいます。そのため運動生理学の分野では、特別な実験室を使って最大酸素摂取量という指標を算出します。最大酸素摂取量とは、1分間に体内に取り込まれる酸素の最大量をいいます。酸素は、体内で化学的なエネルギーを作るときに使われますが、その消費量が多いほどたくさんのエネルギーが作り出されます。エネルギーの生産量が多いほど、身体を長く動かすことができるので、最大酸素摂取量を測ることによって全身持久力が評価できるのです。このため、全身持久力は、有酸素能力とも呼ばれています。
それではなぜ全身持久力が必要なのでしょうか。全身持久力の高い人と低い人を比べた場合、全身持久力の低い人は高い人よりも3〜4倍死亡率が高かったという研究結果があります。この理由の1つとしては、全身持久力が身体活動量との間に強い相関関係があるためと考えられます。身体活動量を普段から高めておけば、肥満を予防することができ、インスリンの感受性を高めたり、動脈硬化を予防したりするなど、生活習慣病の予防に効果的であると考えられます。一方、高い全身持久力の恩恵について、もう1つ別の見方をすることができます。人を含めた生物は、生きるためには必ず身体の移動を伴います。寝たきりで一生を過ごす生物はありえません。身体を動かすためにはエネルギーが必要で、これを体内で作り出すときには、活性酸素のような身体に有害となる物質も同時に生産されてしまいます。このような物質は、通常は抗酸化物質によって除去されますが、身体活動の強度が高くなると生産量も多くなります。全身持久力の高い人はエネルギー消費の予備力が高い、つまり同じ身体活動を行っても低い人より余裕があるので、身体に有害となる物質の生産量も少なくなります。全身持久力を高めるということは、活性酸素からわが身を守ることにもつながるといえます。
全身持久力を高めるためには、有酸素運動が効果的です。有酸素運動とは、リズミカルで長時間続けられる運動をいいます。ジョギングやサイクリング、速歩などの運動で、「ハアハア」というリズミカルな呼吸が特徴です。立ち止まって「ゼイゼイ」と肩で呼吸するような運動は、それよりも強度が高い無酸素運動です。なかでも速歩は、誰もが手軽に参加でき、低コストで安全ですのでおすすめです。「健康づくりのための運動指針〜エクササイズガイド2006」では、1日1万歩あるいは週に60分の速歩が目標として掲げられています。健康づくりのために、まずは1日1万歩を目指すとよいでしょう。
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スロートレーニングとは、筋肉の発揮張力を維持しながらゆっくりと動作するレジスタンス運動の一つの方法です。比較的軽めの負荷であっても、ゆっくりと動作することで大きな筋肥大・筋力増強効果を得ることができます。関節や筋肉にかかる負荷が小さいことから、安全に行える効果的なレジスタンス運動として期待されています。
スロートレーニングとは、その名の通りゆっくりとした動作で行うトレーニング方法です。筋肉を肥大させ、筋力を増強させる目的で行うレジスタンス運動の一つの方法として分類されます。スロートレーニングの重要なポイントは、ゆっくりと動作することによって、運動動作中に筋肉の発揮張力を維持することにあると考えられています。動作中力を抜くことなく、終始力を入れっぱなしで動作をするということです。これを筋発揮張力維持法と言います。分かりやすいイメージとしては、何もないところに椅子に座っている姿勢をとって維持する「空気椅子」というものがありますが、この空気椅子に座った状態を維持しながらトレーニング動作を繰り返すような感じになります。
スロートレーニングではいろいろな動作方法が提唱されていますが、3〜5秒程度かけてあげて、3〜5秒かけて下げるという動作が一般的です。さらに肘や膝を伸ばしきって休まないノンロックという動作と組み合わせることで、より厳密に筋発揮張力を維持することができます。スクワットなら立ち上がり切らずに再びしゃがみ込む、腕立て伏せなら腕を伸ばしきらずに再び腕を曲げるという動作の仕方です。
筋肉はグッと力を込めると硬くなり、血管を押しつぶすために血液の流れが阻害されます。スロートレーニングはこの状態を維持したまま動作を続けるので、血流が制限された状態で行う運動になります。血流が制限されると筋肉内の筋酸素化レベルが下がります。この低酸素環境が筋肥大の強い刺激になると考えられています。このような状態での運動では乳酸などの無酸素性の代謝物が多量に筋肉内に蓄積します。乳酸が多量に蓄積すると浸透圧を一定にする働きから筋肉内に多量の水分が貯留して筋肉がはれ上がった状態(パンプアップ)になります。
レジスタンス運動は、通常大きな筋肥大、筋力増強効果を得るためには1回あげることができる最大の重量(1RM)の65%程度以上の負荷重量(65%1RM)が必要とされています。ですから、自分の体重を使って行う腕立て伏せのような運動では大きな効果を得るのが難しいとされてきました。しかし、スロートレーニングでは、トレーニングの動作の仕方を工夫することで、もっと軽い負荷でも効果的に筋力を増強させることが可能となります。50%1RMの負荷で行ったスロートレーニングでは80%1RMの負荷を用いて通常の速度で行ったトレーニングと同等の筋肥大、筋力増強効果があったという報告があります。
このように負荷重量が比較的小さくても大きな効果が得られるスロートレーニングには
・自体重を用いた手軽に行えるトレーニングでも大きな効果が期待できる
・腱や関節への負担が小さく整形外科的な傷害のリスクが小さい
といったメリットがあり、特に怪我のリスクの大きいと考えられる中高齢者向けの効果的なレジスタンス運動として期待されています。
レジスタンス運動れじすたんすうんどう
resistance exercise
筋肉に抵抗(レジスタンス)をかける動作を繰り返し行う運動をレジスタンス運動と言う。
スクワットや腕立て伏せ、ダンベル体操などの標的とする筋肉に抵抗(レジスタンス)をかける動作を繰り返し行う運動をレジスタンス運動と言います。10-15回程度の回数を反復し、それを1-3セット無理のない範囲で行うことが勧められます。レジスタンス運動には、ダンベルやマシンなどの器具を用いて行う方法と、スクワットや腕立て伏せのように自体重を利用して行う方法があります。自体重を用いて行う方法は手軽に行えることから、筋力向上の指導プログラムに広く活用することができます。しかし、負荷の大きさを調節しにくいという欠点もあります。例えば、スクワットならしゃがみ込む深さを調節する、机などに手をついて行う、何かを持って行うなどの工夫で負荷の調節をすると良いでしょう。
筋肉には疲労からの回復の時間が必要です。レジスタンス運動は標的の筋肉に負荷を集中する運動ですから、その筋肉に十分な回復期間としてトレーニング間隔をあける必要があります。毎日行うのではなく、2,3日に一回程度、週あたり2,3回行うくらいの運動頻度が推奨されます。無理のない範囲で「継続的」に行うようにしてください。
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スロートレーニングとは、その名の通りゆっくりとした動作で行うトレーニング方法です。筋肉を肥大させ、筋力を増強させる目的で行うレジスタンス運動の一つの方法として分類されます。スロートレーニングの重要なポイントは、ゆっくりと動作することによって、運動動作中に筋肉の発揮張力を維持することにあると考えられています。動作中力を抜くことなく、終始力を入れっぱなしで動作をするということです。これを筋発揮張力維持法と言います。分かりやすいイメージとしては、何もないところに椅子に座っている姿勢をとって維持する「空気椅子」というものがありますが、この空気椅子に座った状態を維持しながらトレーニング動作を繰り返すような感じになります。
スロートレーニングではいろいろな動作方法が提唱されていますが、3〜5秒程度かけてあげて、3〜5秒かけて下げるという動作が一般的です。さらに肘や膝を伸ばしきって休まないノンロックという動作と組み合わせることで、より厳密に筋発揮張力を維持することができます。スクワットなら立ち上がり切らずに再びしゃがみ込む、腕立て伏せなら腕を伸ばしきらずに再び腕を曲げるという動作の仕方です。
筋肉はグッと力を込めると硬くなり、血管を押しつぶすために血液の流れが阻害されます。スロートレーニングはこの状態を維持したまま動作を続けるので、血流が制限された状態で行う運動になります。血流が制限されると筋肉内の筋酸素化レベルが下がります。この低酸素環境が筋肥大の強い刺激になると考えられています。このような状態での運動では乳酸などの無酸素性の代謝物が多量に筋肉内に蓄積します。乳酸が多量に蓄積すると浸透圧を一定にする働きから筋肉内に多量の水分が貯留して筋肉がはれ上がった状態(パンプアップ)になります。
レジスタンス運動は、通常大きな筋肥大、筋力増強効果を得るためには1回あげることができる最大の重量(1RM)の65%程度以上の負荷重量(65%1RM)が必要とされています。ですから、自分の体重を使って行う腕立て伏せのような運動では大きな効果を得るのが難しいとされてきました。しかし、スロートレーニングでは、トレーニングの動作の仕方を工夫することで、もっと軽い負荷でも効果的に筋力を増強させることが可能となります。50%1RMの負荷で行ったスロートレーニングでは80%1RMの負荷を用いて通常の速度で行ったトレーニングと同等の筋肥大、筋力増強効果があったという報告があります。
このように負荷重量が比較的小さくても大きな効果が得られるスロートレーニングには
・自体重を用いた手軽に行えるトレーニングでも大きな効果が期待できる
・腱や関節への負担が小さく整形外科的な傷害のリスクが小さい
といったメリットがあり、特に怪我のリスクの大きいと考えられる中高齢者向けの効果的なレジスタンス運動として期待されています。
レジスタンス運動れじすたんすうんどう
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筋肉に抵抗(レジスタンス)をかける動作を繰り返し行う運動をレジスタンス運動と言う。
スクワットや腕立て伏せ、ダンベル体操などの標的とする筋肉に抵抗(レジスタンス)をかける動作を繰り返し行う運動をレジスタンス運動と言います。10-15回程度の回数を反復し、それを1-3セット無理のない範囲で行うことが勧められます。レジスタンス運動には、ダンベルやマシンなどの器具を用いて行う方法と、スクワットや腕立て伏せのように自体重を利用して行う方法があります。自体重を用いて行う方法は手軽に行えることから、筋力向上の指導プログラムに広く活用することができます。しかし、負荷の大きさを調節しにくいという欠点もあります。例えば、スクワットならしゃがみ込む深さを調節する、机などに手をついて行う、何かを持って行うなどの工夫で負荷の調節をすると良いでしょう。
筋肉には疲労からの回復の時間が必要です。レジスタンス運動は標的の筋肉に負荷を集中する運動ですから、その筋肉に十分な回復期間としてトレーニング間隔をあける必要があります。毎日行うのではなく、2,3日に一回程度、週あたり2,3回行うくらいの運動頻度が推奨されます。無理のない範囲で「継続的」に行うようにしてください。
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立ったり歩いたり姿勢を維持したりといった日常動作の基盤となる筋肉が、QOL(Quality Of Life:生活の質)に強い影響を与える筋肉といえます。具体的には太腿前の大腿四頭筋、お尻の大臀筋、腹筋群、背筋群があげられます。これらの筋肉を鍛えるトレーニングを継続的に行うこと、また、日常から活動的な生活を送ることが大切です。
若年層の方にとって筋力不足によって日常生活に支障が出ること、QOL(Quality Of Life:生活の質)に影響を与えるということはまずありません。ところが、加齢に伴う筋力の低下の進行は深刻な問題であり、それによって日常生活に支障が出ることがあります。加齢に伴う筋肉の委縮を廃用性筋委縮症、英語でサルコペニアといいます。
全身の筋肉は大小約400個あります。そのうちのQOLに大きく影響する筋肉は立ったり歩いたり姿勢を維持したりといった日常の動作の基盤となる筋肉です。具体的には膝を伸ばす働きをする太腿前の大腿四頭筋、大腿を後方に振る働きをするお尻の大臀筋、上体を支える腹筋群と背筋群があげられます。これらの筋肉は重力に対して立位の姿勢を維持する働きをすることから「抗重力筋」もしくは「姿勢維持筋」と呼ばれます。そして、このような日常の身体活動を支える、QOLに直結した筋肉ほど実は加齢の影響で衰えやすい筋肉でもあるのです。これらの加齢の影響を受けやすい筋肉をしっかりと鍛えることがQOLの維持・向上に大切です。例えば立ち上がる動作で主要な働きをする太腿前の大腿四頭筋の筋肉量の80歳代の平均値は、30歳代の平均値の半分程度であるという報告があります。筋力は筋肉量におよそ比例しますので、この報告から考えると30歳代のときに片足で立ちあがる筋力がなければ80歳代になったときに自力で立ち上がることが困難になる可能性が高いということになります。サルコペニアがQOLにいかに大きな影響を与えているかがよくわかると思います。
このサルコペニアは運動によって防ぐことができます。筋肉は鍛えることで何歳になってからでも強く大きく発達させることができるからです。サルコペニアの防止にはウォーキング、ジョギングなどの運動や、日常から活動的に生活することがなによりも重要です。さらに高い効果を得るためには筋肉に負荷をかけて標的の筋肉を直接鍛えるレジスタンス運動を行うことが進められます。レジスタンス運動とは、スクワットや腕立て伏せ、腹筋運動などの標的とする筋肉に負荷をかけた動作を繰り返し行う運動のことです。レジスタンス運動とサルコペニアの防止に関する研究は沢山あり、トレーニングの程度によってその効果は異なりますが、レジスタンス運動によってサルコペニアによる筋肉の委縮の程度をおおむね1/3程度に抑えることができるといわれています。
ここにあげたQOLの維持・向上に重要であり、かつ加齢によって衰えやすい筋肉を鍛えるレジスタンス運動を継続的に行うことが勧められます。また、レジスタンス運動を行うことも重要ですが、何よりも日常の身体活動を活発にして元気よく過ごすこと、個別に筋肉を鍛えるだけでなく、それらの筋肉を日常からしっかりと使っていくことが大切です。
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若年層の方にとって筋力不足によって日常生活に支障が出ること、QOL(Quality Of Life:生活の質)に影響を与えるということはまずありません。ところが、加齢に伴う筋力の低下の進行は深刻な問題であり、それによって日常生活に支障が出ることがあります。加齢に伴う筋肉の委縮を廃用性筋委縮症、英語でサルコペニアといいます。
全身の筋肉は大小約400個あります。そのうちのQOLに大きく影響する筋肉は立ったり歩いたり姿勢を維持したりといった日常の動作の基盤となる筋肉です。具体的には膝を伸ばす働きをする太腿前の大腿四頭筋、大腿を後方に振る働きをするお尻の大臀筋、上体を支える腹筋群と背筋群があげられます。これらの筋肉は重力に対して立位の姿勢を維持する働きをすることから「抗重力筋」もしくは「姿勢維持筋」と呼ばれます。そして、このような日常の身体活動を支える、QOLに直結した筋肉ほど実は加齢の影響で衰えやすい筋肉でもあるのです。これらの加齢の影響を受けやすい筋肉をしっかりと鍛えることがQOLの維持・向上に大切です。例えば立ち上がる動作で主要な働きをする太腿前の大腿四頭筋の筋肉量の80歳代の平均値は、30歳代の平均値の半分程度であるという報告があります。筋力は筋肉量におよそ比例しますので、この報告から考えると30歳代のときに片足で立ちあがる筋力がなければ80歳代になったときに自力で立ち上がることが困難になる可能性が高いということになります。サルコペニアがQOLにいかに大きな影響を与えているかがよくわかると思います。
このサルコペニアは運動によって防ぐことができます。筋肉は鍛えることで何歳になってからでも強く大きく発達させることができるからです。サルコペニアの防止にはウォーキング、ジョギングなどの運動や、日常から活動的に生活することがなによりも重要です。さらに高い効果を得るためには筋肉に負荷をかけて標的の筋肉を直接鍛えるレジスタンス運動を行うことが進められます。レジスタンス運動とは、スクワットや腕立て伏せ、腹筋運動などの標的とする筋肉に負荷をかけた動作を繰り返し行う運動のことです。レジスタンス運動とサルコペニアの防止に関する研究は沢山あり、トレーニングの程度によってその効果は異なりますが、レジスタンス運動によってサルコペニアによる筋肉の委縮の程度をおおむね1/3程度に抑えることができるといわれています。
ここにあげたQOLの維持・向上に重要であり、かつ加齢によって衰えやすい筋肉を鍛えるレジスタンス運動を継続的に行うことが勧められます。また、レジスタンス運動を行うことも重要ですが、何よりも日常の身体活動を活発にして元気よく過ごすこと、個別に筋肉を鍛えるだけでなく、それらの筋肉を日常からしっかりと使っていくことが大切です。
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効果的な運動プログラムを作成するためには、トレーニングの原理原則に従うことが大切です。また、健康づくりのための運動プログラム作成の際には安全性を最重視する必要があります。その際は、個人の潜在的なリスクや体力水準、体組成などの評価が重要となります。
運動を習慣的に行うと心血管系や呼吸器系の機能を高めることができ、生活習慣病を予防することができます。しかし、運動は諸刃の剣といわれるように、やりすぎると腰痛などの関節痛を起こしたり、あるいは循環器系の合併症を引き起こしたりする可能性もあります。運動は闇雲にただやればよいのではなく、安全で効果的に行うためにはいくつかの決まり事があります。
はじめに3つのトレーニングの原理について解説します。1つは、「過負荷の原理」といって、ある程度の負荷を身体に与えないと運動の効果は得られないということです。その強度の最低ラインは、日常生活の中で発揮する力以上の負荷です。2つ目は、「特異性の原理」で、運動中のエネルギーの使われ方や筋肉の活動の仕方と関係する能力が増加することです。わかりやすくいうと、短距離走のトレーニングをすれば短距離は速くなりますが長距離は速くなりませんし、脚のトレーニングをすれば脚のパフォーマンスは高まりますが、腕は向上しないということです。3つ目は、「可逆性の原理」といって、せっかく獲得した効果も、トレーニングを中止すると失われてしまうことです。
また、これとは別にトレーニングの原則といわれる要素が6つあります。1つは、「意識性の原則」で、トレーニングの内容、目的、意義をよく理解し、積極的に取り組むことです。トレーニングの目的は何か、プライオリティは何かを意識して取り組むことが重要です。2つ目は、「全面性の原則」で、有酸素能力、筋力、柔軟性などの体力要素をバランスよく高めることです。筋力トレーニングについていえば、全身の筋をバランスよく鍛えること、大筋群を優先して実施することなどです。3つ目は、「専門性の原則」で、競技や健康づくりなど目的にあった機能(筋力、筋パワー、筋持久力、有酸素能力、柔軟性など)を優先的に高めていくことです。健康づくりでは、有酸素運動と大筋群の筋力トレーニング、ストレッチング、競技種目では、その運動で使われる筋群を実際の活動様式(スピードが必要なのか持久力が必要なのか)に合わせて行います。4つ目は、「個別性の原則」で、トレーニングの実施内容を個人の能力に合わせて決めるようにする。これは、効果を得るばかりでなく、安全のためにも極めて重要なことで、1人1人の能力を細かく見極める必要があります。5つ目は、「漸進性の原則」で、体力・競技力の向上に伴って、運動の強さ、量、技術課題を次第に高めていくことです。いつまでも同じ強度の繰り返しではそれ以上の向上は望めません。定期的なプログラムの再検討が重要になります。最後は、「反復性・周期性の原則」です。運動プログラムは、ある程度の期間、規則的に繰り返すようにします。繰り返し行うことは、テクニックを上げるための重要な要素です。周期性の原則は、1年間を通したトレーニング計画を行うことです。どの時期が最も効果的かを考えてプログラムを作成します。
また、疾病の改善や健康づくりのための運動プログラム作成に関しては、特別に運動処方という言い方をします。安全で効果的な運動処方を行うためには、運動前の問診やメディカルチェック、体力測定を実施し、個人の潜在的なリスクや体力水準、体組成などを評価する必要があります。また、運動中は定期的な強度の監視、運動後はトレーニング効果の再検査が重要です。特に、プログラムの作成にあたっては、個人の特性を考慮し、各国で定められている運動処方の指針に従い、科学的に裏付けられたプログラムの作成が望まれます。
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運動を習慣的に行うと心血管系や呼吸器系の機能を高めることができ、生活習慣病を予防することができます。しかし、運動は諸刃の剣といわれるように、やりすぎると腰痛などの関節痛を起こしたり、あるいは循環器系の合併症を引き起こしたりする可能性もあります。運動は闇雲にただやればよいのではなく、安全で効果的に行うためにはいくつかの決まり事があります。
はじめに3つのトレーニングの原理について解説します。1つは、「過負荷の原理」といって、ある程度の負荷を身体に与えないと運動の効果は得られないということです。その強度の最低ラインは、日常生活の中で発揮する力以上の負荷です。2つ目は、「特異性の原理」で、運動中のエネルギーの使われ方や筋肉の活動の仕方と関係する能力が増加することです。わかりやすくいうと、短距離走のトレーニングをすれば短距離は速くなりますが長距離は速くなりませんし、脚のトレーニングをすれば脚のパフォーマンスは高まりますが、腕は向上しないということです。3つ目は、「可逆性の原理」といって、せっかく獲得した効果も、トレーニングを中止すると失われてしまうことです。
また、これとは別にトレーニングの原則といわれる要素が6つあります。1つは、「意識性の原則」で、トレーニングの内容、目的、意義をよく理解し、積極的に取り組むことです。トレーニングの目的は何か、プライオリティは何かを意識して取り組むことが重要です。2つ目は、「全面性の原則」で、有酸素能力、筋力、柔軟性などの体力要素をバランスよく高めることです。筋力トレーニングについていえば、全身の筋をバランスよく鍛えること、大筋群を優先して実施することなどです。3つ目は、「専門性の原則」で、競技や健康づくりなど目的にあった機能(筋力、筋パワー、筋持久力、有酸素能力、柔軟性など)を優先的に高めていくことです。健康づくりでは、有酸素運動と大筋群の筋力トレーニング、ストレッチング、競技種目では、その運動で使われる筋群を実際の活動様式(スピードが必要なのか持久力が必要なのか)に合わせて行います。4つ目は、「個別性の原則」で、トレーニングの実施内容を個人の能力に合わせて決めるようにする。これは、効果を得るばかりでなく、安全のためにも極めて重要なことで、1人1人の能力を細かく見極める必要があります。5つ目は、「漸進性の原則」で、体力・競技力の向上に伴って、運動の強さ、量、技術課題を次第に高めていくことです。いつまでも同じ強度の繰り返しではそれ以上の向上は望めません。定期的なプログラムの再検討が重要になります。最後は、「反復性・周期性の原則」です。運動プログラムは、ある程度の期間、規則的に繰り返すようにします。繰り返し行うことは、テクニックを上げるための重要な要素です。周期性の原則は、1年間を通したトレーニング計画を行うことです。どの時期が最も効果的かを考えてプログラムを作成します。
また、疾病の改善や健康づくりのための運動プログラム作成に関しては、特別に運動処方という言い方をします。安全で効果的な運動処方を行うためには、運動前の問診やメディカルチェック、体力測定を実施し、個人の潜在的なリスクや体力水準、体組成などを評価する必要があります。また、運動中は定期的な強度の監視、運動後はトレーニング効果の再検査が重要です。特に、プログラムの作成にあたっては、個人の特性を考慮し、各国で定められている運動処方の指針に従い、科学的に裏付けられたプログラムの作成が望まれます。
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